ちょっと難しい問題に巻き込まれています。
先日、ある女性から「セクハラの被害に遭っている」と相談を受けました。私は相手の男性も知っており、二人が仲良く話しているのを何度も目撃していました。だから私は単に〝仲良し〟なのだと思っていました。
男性は50代後半の既婚者、女性は40代前半で二度の離婚経験があり現在は別の男性と暮らしています。言うなればどちらも大人なわけです。私の目から見れば、この被害を訴えている女性は男性に対して態度の変わる典型的な〝女〟で、相手の男性もそれが満更ではない様子でした。正直私は「この二人はそのうち行くところまで行くのではないか」と密かに思っていたくらいです。
状況が大きく変わったのは先月のこと。その男性主催の飲み会が開かれることになったのですが、その男性はその女性を呼ばなかったのです。しかし私は「ははーん、すでに二人で密会しているから飲み会にわざわざ呼ぶ必要がないのだな」と勝手に妄想していました。
しかし私の妄想は間違っていました。誘われなかった女性のプライドは大いに傷つき、それが怒りと変わり、「私は前々からあの男性からセクハラを受けている」と言い始めたのです。
「え?あれだけ仲良くしていて、こう言ってはなんだけれど媚びを売っておいて、今更セクハラはないでしょー」というのが私の率直な意見でした。ですから「自分の態度をまず改めたほうがいい。嫌がっているようには私には見えない」と正直に本人に告げました。
本人曰く、「態度に出すと相手の機嫌が悪くなるから出せない」と言います。実際の被害内容も聞いたのですが、「え?その程度?」と思ってしまうのは私が50を過ぎたオバサンだからでしょうか。
そして昨日、ここはもう相手の男性本人の耳に入れておこうと思い、私は全てを相手の男性に話しました。髪や手に触れたのは事実のようでしたが、「ふざけてもいたし、本人も嫌がっていなかった」と驚きを隠せない様子でした。
今回の件で、あらためてハラスメントの見極めの難しさを思い知りました。厳しい指導はパワハラになりますが、厳しいと感じる度合いは人それぞれ違います。セクハラにも言えることで、何を持ってセクハラと言うのでしょう。
今回の場合、当事者の女性はそのときは嫌がっていなかったはずです。しかし自分の面白くない状況になったのでセクハラを持ち出した、としか私には思えません。そうなると、この男性は今後どのように対応していけば良いのでしょう。
ハラスメントという言葉で相手を攻撃し、自分をプロテクトして、その結果として何を得ることができるのか。とても疑問です。