南フランス、エクス=アン=プロヴァンスに生まれる。1861年パリに出て本格的な絵画の勉強をする。ピサロを通じて印象主義を学び、第1回と第3回の印象派展に出品。その後印象主義を離れ、南仏に腰を据えて、堅牢な構成の際立つ作品を描いた。自然の観察の中から幾何学的形態を読み取り、画面を構築していく方法はキュビスムなどに大きな影響を与えた。
坐る農夫
セザンヌには5点の≪カード遊びをする人たち≫という有名な作品がある。1890年から96年までの間制作されたと考えられているこのシリーズに関係付けられるいくつかの単身像(エクスの家の周辺で働く農夫や庭師を描いたもの)のひとつとしてこの作品も位置付けられる。納屋の一隅であろうか。寛いだ様子のモデルが安定したニ等辺三角形の構図の中に置かれている。ところどころに残されたカンヴァスの地塗りの明るさが画面に一層の生気を与えている。
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