アンソール

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アンソール　

   jamesEnsor　

（１８６０－１９４９）　

ベルギーの画家、版画家。４月１３日オーステンデに生まれる。父はイギリス人。１８７７～７９年ブリュッセル美術学校に学ぶ。初期にはマネおよび印象派を手本とし、同時にターナーや象徴主義の影響も認められる。８０年おーステンデに帰り、８３年グループ「xx』のメンバーとしてフランドル風の風景画や室内画のモチーフを写実的に、あるいは象徴的に描く。８５年ごろからしだいに独自の画風を確立し、同時に時流から離れていく。それは亡霊、仮面、骸骨（がいこつ）、怪物といった幻想的な形姿をモチーフとし、それらを鮮やかない色彩と大胆なデフォルメによって形象化したもので、ポッシュやブリュ－ゲルを想起させる。とくに仮面への愛好は強く、『キリストのブリュッセル入市』や『仮面の中の自画像』には、群衆の底知れぬエネルギーと自我の孤絶感とが２０世紀を先取りする感覚で厭世（えんせい）的に表現されている。１９４９年１１月１９日オーステンデで死去。