バンコクでロングステイ始めました!

バンコクロングステイのあれこれを記録代わりに記事にしています。

小さなお店番

2024-12-24 18:18:47 | ロングステイ

中国に端を発したCOVID-19は、瞬く間に世界中へと拡散し、多くの感染者と死者を出したばかりではなく、各国の経済にも甚大な被害を与えた。国を跨ぐ移動が厳しく制限されて、おいそれと海外旅行や出張ができなくなり、私が再びスワンナプーム空港に降り立つことができたのは、PCR検査に基く非感染証明書を条件として、現地でのホテル隔離が1日に短縮されてからだった。確か2021年の12月のことだが、1年9か月ぶりに訪れたバンコクの街の様変わりに驚いたものだ。休業の貼紙をした店舗が目につき、露店はすっかり姿を消していた。私にとって痛かったのは、よく通っていたスラウォン通りのサリカマッサージが先の見えない休業に入ったこと、そして同じく馴染のマンゴー屋台がなくなってしまったことだ。

特に、このマンゴー屋台のおばさん店主とは、前を通ればお互いに声をかけて挨拶をするし、大好きなデザートの糯米マンゴー(カオニアオ マムアン)を買えば、いつもパックがはち切れるくらいのオマケをしてくれた仲だっただけに、何とも言えぬ寂しい思いが込み上げてきた。観光ガイドブック的には、BTS(高架鉄道)トンロー駅近くのマンゴー専門店「メーワーリー」が有名だが、量も価格も接客もこの愛する無名の屋台には遠く及ばず、私としては絶対に失いたくないお店であった。COVID-19が収束すれば、また会えるかもしれないと、一縷の望みをかけていたが、サリカマッサージが営業を再開しても、マンゴー屋台の行方は漠として知れず、心にぽっかり空いた穴を埋めることはできなかった。

しかし、幸せは忘れた頃にやってくる。この10月に同じ場所で5年半振りの予期せぬ再会を果たすことができた。おばさんも私を覚えていて、「どうしていたの?」と、しばし会話が弾み、嬉しかった私は、100バーツの糯米マンゴー大盛に加えて、スイカシェイク(テンモーパン)まで買ってしまった。会えなかった時間はとても長く、店にも変化があったようだ。一つは大きくなった娘さんがお店を手伝っていたこと。初々しく、まだマンゴーの皮むきが上手くできずに、シェイクを担当しているが、一緒に働くお母さんはとても嬉しそうだ。そしてもう一つは、集客係としてこのコモンマーモセットが加わったことである。あまりにおチビちゃんなので、見落としたり、ぬいぐるみと間違えてしまいそうだ。普段は屋台の梁にぶら下げられたポーチの中から顔を出しているが、狙ったお客さんが来ると、こうしてスイカの上に乗ったりして愛嬌を振りまく。おとなしくて撮影もOKだから、スマートフォン片手のお客さんで黒山の人だかりができる。もちろん、写真や動画を撮ったお客さんが手ぶらで帰れるハズがない。良心的なお客さんは、モデル代にと何かしらの果物を買うことになる。このコモンマーモセット、働く時間は短いが、非常に優秀なセールスレディなのであった。いや、ここはスカウトしたおばさんを称えるべきかな。


ソンブーン名物プーパッポンカリー

2024-12-11 15:31:41 | ロングステイ

ゴルフ友達が日本から遊びに来てくれるのは、とても嬉しいものだが、「アイツに任せておけば間違いはない」と、全て私任せになるので、一週間のフルアテンドは大仕事である。しかし、頼りにされていると思えば、悪い気はしないので、彼らを唸らせるべく、ゴルフコースの選定はもちろんのこと、毎日の食事についても、腕によりをかけてプランを練ることになる。

昨今の円安と物価高のダブルパンチで、タイゴルフ旅行にもそこそこの費用がかかるようになり、何でもかんでも贅沢をすることは叶わなくなってきた。そこで、お金の使い方にメリハリを付け、ホテル代と食費を抑える分、良いゴルフ場に予算を注ぎ込むようにしている。極端な話、昼間はゴルフで、夜は寝るだけだから、コストパフォーマンスの良い三ツ星程度のホテルで十分なのだ。また、食費を抑えると言っても、決して質や味を落とす訳ではない。バンコクには安くて美味いタイ料理や中華料理がたくさんある。そこで、ホテルにほど近いサムヤーン界隈やシーロム界隈にあり、自信を持って紹介できるローカル店を何軒かプランに組み入れている。例えば、家鴨焼きが美味い「ソイ6ポーチャナー」とか中華全般の「北京餐館」とかタイ料理の「トンカーオ」などである。お腹一杯食べて、ゴルフ談義を肴に冷たいビールを飲んで、多少のチップを渡しても、一人400バーツ(約1800円)程度で済むというものだ。

しかし、そうはいっても、毎日タイ料理では皆さん次第に飽きてくる。そこで、食事にもメリハリを付け、最後の夜は、奮発して豪華にシーフードを楽しむのが恒例だ。幸い、ホテル近くには、スラウォンとサムヤ―ンにソンブーンがある。ソンブーンはどのガイドブックにも載っている有名店であり、その象徴的なメニューがこれまた有名なカニのカレー粉炒め(プーパッポンカリー)である。このプーパッポンカリーはソンブーン発祥であり、元々は賄い用に開発された一品だったが、お客さんにも好評を博し、ソンブーンを代表する名物料理にまで一気に上り詰めてしまった、と言う話を聞いたことがある。タイが初めての観光客であれば、一度は食べてみたいと思うだろう。

このプーパッポンカリー、実は殻付きと殻なしの2種類がある。写真映えするのは殻付きであり、ビギナー向けにはこちらをお勧めするが、食べにくいのが難点。蟹の身だけを使った殻なしの方が断然食べやすい。手間賃の分値段が心持ち高くなるけれど、リピーターには殻なしが良いだろう。注文の際に「ヌア(身)プー(蟹)」と言えば、殻なしが出てくる。

バンコクの海鮮料理を語る際に、欠かすことのできないソンブーンのプーパッポンカリー、私にとっては些か油がキツい。他の店では、カレー粉の色が勝った黄色であることが多く、完食することができるのだが、ソンブーンは油と玉子にまみれた橙色である。案の定、ゴルフ仲間は、我先にと箸をつけて「美味い!」と口を揃えたのだが、円卓に最後まで残っていたのもプーパッポンカリーであった。

 


チュラ大の看板犬ホイトート君

2024-12-02 15:00:00 | ロングステイ

私は断然犬派であるが、世の中には猫派も多い。チュラ大の直近のクラスメイト(レベル3)は11名いたのだが、犬派は私とミーナの2名だけで、女子を中心に猫派が席捲していた。先生も猫派であり、特に大学院を出たばかりの若いピム先生は、授業中に自分の飼い猫がいかに可愛いらしいか、写真付きで紹介していたくらいである。ある時、英語のbecauseに相当する単語(プロッ、โพราะ)を使った文章を作りなさい、という演習があり、「私は猫より犬の方がずっと好きです。何故なら犬は猫より賢いからです。」と答えたら、ピム先生の顔が曇ってしまった。まあ、シャム猫という種類の猫が居るくらいだから、タイ人の猫好きは半端ではないのだろう。脱線するが、タイ人は、昔の国名である「シャム」という言葉に好感を持っていないので、タイでは声高に連呼しない方が良い。音は似ているが、「サイアム」や「サヤーム」はOKである。シャム猫の英語表記はサイアミーズであり、タイ語になると、黄金の稲妻を意味するウィチアンマートという洒落た名前になる。

話を戻すと、犬派の私の家には柴犬がいて、膝の上に乗せて毛繕いをし、思う存分愛でるのを日課としていた。バンコクロングステイの最大の不満は、このモフモフができないことにある。今回は133日間の滞在だったが、最後は帰国日を指折り数える始末であり、玄関にまで迎えに出てきた犬を万感の想いで抱きしめたのであった。そんな私の心の隙間を、バンコクで少しでも埋めてくれたのが、チュラ大の看板犬ホイトート(貝のお好み焼き)君である。彼に会うには、スクールバスの起点かつ終点であるサーラープラキアオにある半地下のブックストアに行けばよい。ここはブックストアと言いながら、本だけでなく、文房具やユニバーシティグッズ、制服、菓子など、色々な物を取り揃えているので、普段からよくお世話になる店だ。ホイトート君は、ここの冷房の効いたレジ付近で、横になっているのが常である。推定年齢は10歳、まだまだ老け込む年齢ではないのだが、私はこの犬が歩いているのを見たことがない。まるで寝るのがボクの仕事とでも言わんばかりで、いつ行っても気持ち良く寝ているのだ。また、とてもおとなしく、私は彼の鳴き声も聞いたことがない。タイ語における犬の鳴き声は、「ワンワン」ではなく、「ホンホン」なのだが、彼の声は謎に包まれたままだ。彼の存在は、すっかりブックストアの一部になっており、その緩さ加減は絶妙である。

最近、ホイトート君にはファンクラブというか後援会ができた。もしかしたら、生きていくために、彼が自分で組織したのかも知れない。来年もチュラ大で中級タイ語(レベル4〜6)を学ぶので、2月に再渡航したら、何はさておき後援会員の一人になるつもりだ。

 


3Dアイス

2024-11-16 21:02:44 | ロングステイ

世の中には3Dプリンターなるものがあり、なんでも3次元つまり立体のデジタルモデルを元に、物体を造形することができるらしい。すでに退役した年寄りのアタマでは、理解するのが難しいが、直訳である立体印刷機と聞くと、わかった気になるのが不思議だ。しかし、3Dプリンターも、それで作った作品も、実際にはまだこの目で見たことがなく、インターネットで画像などを見ながら想像を膨らませるだけであった。

それが、本当かどうかわからないが、ひょんなところで目にすることになったのである。2組のゴルフ友達を世話する間に、妹夫婦が可愛い姪っ子を連れてバンコクに遊びに来た。妹と姪の主目的は「推し活」で、コンサートに行くことだったが、1日半を観光に付き合うこととなった。姪にしてみれば、海外旅行に不慣れなポンコツ両親の世話をするのは大変な労力と忍耐を必要とするので、タイ語を話せる伯父さんの同行は、願ったり叶ったりという訳だ。彼らのリクエストは、象に乗るアユタヤ観光で、私もこういった機会がなければ訪れることはなく、まさに渡りに船。いそいそとパンダバスのツアーに申し込んだのだった。一人1,980バーツ(約9,000円)は悪くない。

当日は遠足気分で大型バスに乗り込み、ワットマハタートで木の根に絡め取られた仏頭(レプリカ)を拝み、ワットプラシーサンペットで昔の王の大きな仏塔群を見て、それからエレファントファームで象に乗ってその高さに驚いた。そして最後に寄ったのが白い涅槃仏のあるワットヤイチャイモンコンであり、門前に露店がひしめいていた。アユタヤ名物であるタイの綿菓子ロティサイマイにも興味があったが、目に飛び込んできたのは「3Dアイス」と言う看板。ハイテクを想起させるネーミングと折からの暑さに食指が動いた。1個89バーツ(約400円)となかなかのお値段だが、知的好奇心への投資と思えば、かわいいものだ。恭しく冷凍庫から取り出された3Dアイスは、一個一個がプラスチックのパッケージに入っていた。花を摸した細かな造形が美しく、しばし見惚れてしまう。なるほど、これだけのものを型に流し込んで作るのは、極めて難易度が高そうだ。いったいどうやって製造しているのだろう。花びらが欠けたりすると商品価値が落ちるので、品質管理にも細心の注意が払われているはずだ。ラインナップは、茶色のタイミルクティー、オレンジがかったマンゴー、そして淡い水色のバタフライピーの3種がある。

翌日ボートで行ったチャオプラヤー川添いのワットアルンでも同じ商品が売られていたので、現在、勢力を拡大している真っ最中と見た。「3Dアイス」と言っても、アイスクリームではなく、アイスキャンデーなのだが、今後、取り上げる旅行ガイドブックやウェブサイトが増えて来ると予想する。

 

 


ロイヤルレイクサイドゴルフクラブ

2024-10-31 12:26:55 | ロングステイ

昨年まで会社で一緒だったゴルフ友達4名が、遥々日本からやって来た。2人は一昨年に続いて2回目であり、残り2人は初めてのタイである。現役の時に、「タイのゴルフはとても面白いぞ!」と、事ある毎に吹聴していただけに、満足して帰国してもらわなければ男が廃る。これまでの経験とノウハウを総動員し、さらにはゴルフ手配会社GoGolfの協力を得て、月曜日から金曜日まで連続5ラウンドするハードなプランを練り上げた。食事でもそうだが、AAAクラスばかりを並べると、口が驕ってしまうので、初日は比較対照としてAクラスのロイヤルレイクサイドゴルフクラブを選定。ゴルフの調子が出ないうちに、最上のコースをラウンドするのは勿体ないという配慮もある。

しかし、だからといって、ロイヤルレイクサイドが悪い訳ではない。タイを代表するコースとして十分に誇ることができるクオリティを備えている。このコースは、バンコクの東約70km、バーンパコン川の河口にあり、バンコクの中心部からクルマで1時間圏内だ。タイのゴルフコースの特徴は、フラットで池が多いことだが、ここはタイランド湾が近いだけに、レジャーボートの運河がハザードになっている。特に8番から14番ホールの中盤は、12番を除き、左側には運河が伸長し、フック打ちを泣かせるレイアウトだ。グリーンの転がりもよく、アプローチ球が止まりにくい。友達は4人それぞれにコースの洗礼を受けていた。まさにこちらの狙い通りである。

モスクを模したようなドーム型のクラブハウスは見た目がお洒落、平日はカート利用であれば5人プレーができるのも嬉しい。私は今回で5度目のプレーだったが、また来てもいいなと思わせるコースだった。思いは同じらしく、帰国した友達から1週間経たないうちにLINEが届いた。もう航空券を手配するから、来年も同じ時期に4人よろしく!と。