ゴルフ友達が日本から遊びに来てくれるのは、とても嬉しいものだが、「アイツに任せておけば間違いはない」と、全て私任せになるので、一週間のフルアテンドは大仕事である。しかし、頼りにされていると思えば、悪い気はしないので、彼らを唸らせるべく、ゴルフコースの選定はもちろんのこと、毎日の食事についても、腕によりをかけてプランを練ることになる。
昨今の円安と物価高のダブルパンチで、タイゴルフ旅行にもそこそこの費用がかかるようになり、何でもかんでも贅沢をすることは叶わなくなってきた。そこで、お金の使い方にメリハリを付け、ホテル代と食費を抑える分、良いゴルフ場に予算を注ぎ込むようにしている。極端な話、昼間はゴルフで、夜は寝るだけだから、コストパフォーマンスの良い三ツ星程度のホテルで十分なのだ。また、食費を抑えると言っても、決して質や味を落とす訳ではない。バンコクには安くて美味いタイ料理や中華料理がたくさんある。そこで、ホテルにほど近いサムヤーン界隈やシーロム界隈にあり、自信を持って紹介できるローカル店を何軒かプランに組み入れている。例えば、家鴨焼きが美味い「ソイ6ポーチャナー」とか中華全般の「北京餐館」とかタイ料理の「トンカーオ」などである。お腹一杯食べて、ゴルフ談義を肴に冷たいビールを飲んで、多少のチップを渡しても、一人400バーツ(約1800円)程度で済むというものだ。
しかし、そうはいっても、毎日タイ料理では皆さん次第に飽きてくる。そこで、食事にもメリハリを付け、最後の夜は、奮発して豪華にシーフードを楽しむのが恒例だ。幸い、ホテル近くには、スラウォンとサムヤ―ンにソンブーンがある。ソンブーンはどのガイドブックにも載っている有名店であり、その象徴的なメニューがこれまた有名なカニのカレー粉炒め(プーパッポンカリー)である。このプーパッポンカリーはソンブーン発祥であり、元々は賄い用に開発された一品だったが、お客さんにも好評を博し、ソンブーンを代表する名物料理にまで一気に上り詰めてしまった、と言う話を聞いたことがある。タイが初めての観光客であれば、一度は食べてみたいと思うだろう。
このプーパッポンカリー、実は殻付きと殻なしの2種類がある。写真映えするのは殻付きであり、ビギナー向けにはこちらをお勧めするが、食べにくいのが難点。蟹の身だけを使った殻なしの方が断然食べやすい。手間賃の分値段が心持ち高くなるけれど、リピーターには殻なしが良いだろう。注文の際に「ヌア(身)プー(蟹)」と言えば、殻なしが出てくる。
バンコクの海鮮料理を語る際に、欠かすことのできないソンブーンのプーパッポンカリー、私にとっては些か油がキツい。他の店では、カレー粉の色が勝った黄色であることが多く、完食することができるのだが、ソンブーンは油と玉子にまみれた橙色である。案の定、ゴルフ仲間は、我先にと箸をつけて「美味い!」と口を揃えたのだが、円卓に最後まで残っていたのもプーパッポンカリーであった。
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