今回のUltimate SPIDER-MAN (“USM”) は構想が細かく練られていて毎月楽しみだ。Jonathan Hickman の精緻さが花開いた感じだ。これまでのX-MENの設定は昔からのファンを完全に捨てたため不愉快だった。それに対し、USMはハナから別タイムラインなので自由に描けるというフォローの風もあったね。さて、早速USM 07号のレビュー。
筋書をHickman、画をMarco Checchettoがそれぞれ担当。添付画像はChecchettoが描く通常版の表紙。最近variant coverに飽きてきたので通常版で良いやとの気持ち。今回の表紙は可もなく不可もなくか。
粗筋から。行方不明のTony Starkの技術が使われているGreen GoblinとSPIDER-MANのコスチュームをHarry Osbornが経営するOscorpに雇われたDr. Octavius (“Doc Ock”)が分析し、新たな機能を追加した。Green GoblinとSPIDER-MANはそれらを試験する。するとその場に行方不明のTony Starkが出現した。
面白いのだが、粗筋の通り悪人共をバッタバッタと打ち倒すシーンがなくて残念。それは他誌(読んでいないULTIMATESとかUltimate X-MEN)に任せるのか?
気に入ったシーンや台詞を順不同で紹介。Doc Ock にHarryのスーツは兎も角も自分自身のスーツをも分析させることに不安なPeterの台詞。”Are you sure about this, Harry? He seems…” Harryは気にしていないが、Peterは納得していない。彼のspider-senseはこの場面では何も警告していないので今は安全ということか。確実にHickmanの仕込んだ伏線だと思うが。
HarryのスーツのAIを設定する際に、HarryはAIの声を彼の父親のものにした。Hickmanが分かっているなと思った瞬間。Harryは確実にファザコンだからね。AIが演じている父親はHarryを過激な行動へと誘導している。ここも将来の伏線かな。
James BraddockがKingpinを訪問しお土産替わりに6人のBullseyeを持ってきたシーン。Kingpinはその申出を断った上でこう返す。”Just know that I do not have a plan. I have six of them.” Braddockの連れてきたBullseyeの数と同数の計画があると自慢している。Kingpinらしい自信家振りが好きだな。Braddockが英語じゃなくてフランス語を話しているのにちょっと戸惑った。この世界ではイギリスはないらしい。なのにMonsieur Britainなのは何で?(この辺は深く追求しない。お金も時間もない。)