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毎月買っているアメコミとは別に、昔買えなかった古い作品を不定期に買っている。今回の目的は二つ。Marvelから出ているカレンダー(無料)が欲しかったこと、そして大好きなJohn Byrneの作品を出来るだけ読みたいこと。その目的を達成するべく、60%引きという販促キャンペーンに乗り、Milehighから1979年のThe Amazing SPIDER-MAN ("ASM”)189号、190号を購入したので、早速レビュー。
筋書きをMarv Wolfman、画をByrne、インクをJim Mooneyが担当。添付画像はASM 189号の表紙でByrneが手鰍ッている。立体的な構図が印象的。表紙のインクはNew Mutantsの最初のシリーズを描いたBob Mcleodが担当している。
まずは、粗筋。新聞社Daily Bugle社の当時社長だったJ Jonah Jameson(“JJJ”)にはJohnという元宇宙飛行士の息子がいる。彼は月の石の影響から狼男Man-wolfに変身してしまう。ASM 189号、190号では謎の黒幕が、Johnを利用し、JJJを誘拐し、SPIDER-MANを唐サうと計画する。
今回も気に入ったシーン、台詞等を順不同に紹介する。まずは、Man-wolf。光文社版のSPIDER-MANで登場したので、馴染みのある悪役だ。前述のように、月から持ってきた石がそもそもの原因だったはず。光文社版ではその石はSPIDER-MANによって剥ぎ取られたはずだったが、残っているようだ。また、添付画像の通り、ミイラみたいになっているのは、Johnの死が避けられないことを知ったJJJがJohnを低温保存した名残らしい。(この辺は何かおかしい。漫画だから良いか。)
ASM 189号1ページ目が良いな。SPIDER-MANの活躍を見た少年が、友達に向かって言った台詞が、「テレビに出てるSPIDER-MANじゃなくて本物だよ。」おそらくこの「テレビに出てる」というのは、1977年(You-tubeを参照した)のアメリカの実写版を指していると思われる。それとも東映の日本版?いずれでもおかしくないな。それから少年の友達の名前がStanleyとStevie。SPIDER-MANの生みの親、Stan LeeとSteve DitkoへのHomageであることは間違いない。
上記の他にもMichael Landon(大草原の小さな家の父親役)、Mario Andretti(F1レーサー)等への言及があり。当時のことを覚えている世代は、にやにやしちゃうな。
黒幕がなかなか姿を現さない。ASM 190号でようやく彼が蜘蛛殺しロボットの生みの親、Dr. Smytheであることが判明する。それでようやくおいらの頭の中で物語が繋がってきた。おいらが、初めて買ったアメコミは、ASM 192号とUncanny X-MEN 121号。ASM192号の悪役はDr. Smythe。今回紹介した2話の後に、彼自らがJJJとSPIDER-MANに対し復讐しようとする。成程ね。彼の恨みは、何か逆恨みだな。ヒーローものに有り勝ちだけど。
それから、この当時SPIDER-MANことPeter ParkerはBetty Brantとただならぬ仲になりそうな予感中。BettyはNed Leedsという新聞社の社員と結婚していたが、この時期は別れた直後。何かBeverly Hills 90210みたいな複雑な相関関係だ。Bettyの方が積極的なのがアメリカっぽい。もしくは現在の日本にも当てはまるか。
SPIDER-MANのベルトには蜘蛛糸を発射する装置Web Shooterの交換用のカートリッジがついているのだが、ASM 190号ではそれを説明するシーンがある。何かこのモノローグの使い方は昔っぽくて好きだな。
物語の最後の舞台はBrooklyn Bridge。言わずと知れたGwen Staceyが死んだ場所だ。そして、同じような死が再度再現されるのも上手い演出だと思う。(実は死んでないけど。アメコミの世界ではこんなの日常茶飯事。)
気に入らない点。ASM 189号のByrneの画は良いのだが、190号の画はどうもインクのMooney色が出過ぎていて物足りないな。