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前回の続きの話、All New X-FACTOR (“ANXF”)10号、11号をレビュー。新装開店してから、変わらないコンビ。筋書きをPeter David、画をCarmine Di Giandomenicoが担当。添付画像はANXF 10号のものを採用。標題の通り、中身から選り抜きの決め台詞を表紙に載せ始めたんだね。(正確にはANFX 9号から。)
さらっと粗筋に触れよう。相手の身体から水分を奪いミイラ化させるミュータントGeorgia。彼女の父親は悪のミュータントMemento Mori(意味は前回のレビュー参照。)。
http://green.ap.teacup.com/amecomitoramen/1004.html
X-FACTORはこの悪人の基地に乗り込みGeorgiaを救出する。しかし何故かGAMBITは取り残されてしまう。拷問の末GAMBITから情報を引き出し、Memento MoriはX-FACTORの基地を襲う。
いつものように、お気に入りのシーン、台詞等を紹介。今回は何と言ってもGAMBITが何故取り残されてしまったのかが一番のャCント。ANFX 9号でX-FACTORのスャ塔TーSnow氏の奥さんとGAMBITは浮気してしまう。Snowがそれを知った後での腹癒せが今回の置き去り事件。Snow氏の冷酷さはそれだけじゃない。GAMBITを救出する時間を先延ばしにするため、Georgiaの母親を先にQUICK SILVERに迎えにやる念の入り様だ。大企業のオーナー社長ってのは我が儘だねっていう典型的な例。(こんな人ばかりじゃないと思うけど。というか、望むけど。)
上記のSnow氏の姦計が、結果的に自らの会社を危機に陥れることになるのは因果応報だ。また、Georgiaの母親がMemento Moriを唐キことのできる最終手段だったというのも面白い。後者は些か無理があるけどね。
Memento Moriの基地も面白い。まっとうなホテルがその基地の表の顔。中へ案内した後、彼が娘Georgiaに大部分の彼の商売は合法的だと説明する件がある。(”Most of my endeavors are perfectly legitimate.”)大部分というのが曲者なのだが。その割には部下には武装させたりしていている。あ、それから彼の経営するホテル名はMori Hotelなのだが、どこか森ビルの中に入っているホテルを思い出してしまう。日本人的な受け止め方。
台詞ついでに、今回はWARLOCKの台詞が笑えた。彼は必死で自分は無事だと伝えるのだが、チームメンバーは誰ひとりとして気にしない。Davidの紡ぐ台詞は鰍ッ合い漫才のようだ。さらっと読んでいると細かい台詞のニュアンスに気がつかないで飛ばしてしまいそうになる。油断禁物だね、この漫画。
前回のレビューでSnow氏の移動手段、Matter Transporter (ドラマ、映画Star Trekで使われている電送装置)というのは冗談だとコメントした。X-FACTOR達の移動手段の飛行機の必要性がないからね。しかし実はあったんだ。依然「じゃー先にそれ使えよ」っていう突っ込み所は残る。
Di Giandomenicoの画は良いな。POLARISが磁力を使ってパトカーを持ち上げるシーンなんかは意図的に線をギザギザに引いて磁力を使ってますよって効果を出している。添付画像はそのシーンをKris Ankaが描いている。Di Giandomenicoは、SPIDER-MANにも使えるな。それだけの画力がある。