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Dan Slott版のSPIDER-MAN 10号を読み終えたので、前月に読んだ9号と共にレビュー。
添付画像はMark Bagleyによる通常版の表紙。今まで見たElectroの表紙の中で一番カッチョ良いんじゃないかな。
筋書はDan Slott、画を表紙も描いたBagley、インクをJohn Dellが担当。
粗筋から。前号で危険を察知する能力SPIDER-SENSEを増幅したSPIDER-MAN。街中の人々の危険を救いまくり。一方の悪人Electro。昔の仲間から儲け話を紹介された彼だが、独り占めを企てる。10号。数多の周りの人の危機情報に押しつぶされ、Electroに苦戦中のSPIDER-MANの前にSPIDER-BOYが再度現れた。
いつもの通り、気に入った台詞やシーンを紹介。9号で仲間を殺してしまったElectro。金庫を難なく開いた彼だが、その前には金塊の山。仲間を殺しちゃったから運び出すことができない。イソップ童話のオチみたいだ。
タクシーが横断歩道にいる人たちにぶつかるのをクモ糸で止めたSPIDER-MANに対する横断中の人の質問と、それに対するSPIDER-MAN の応え。”What are you doing?” “I’m catching a cab.” 単純に暴走するタクシーの車両をクモ糸で捕まえたというのと、タクシーを拾っているところと掛けている。SPIDER-MAN のジョークにしてはイケている。
最終2ページでElectroの部下を全部倒したSPIDER-MANの前に現れたElectroの台詞。”I don’t have to split the loot. I got to be the guy who killed SPIDER-MAN.” 結局分け前を独り占めにしようとする魂胆がさもしい。前述のイソップ童話のような教訓がまったく活かされていない。
10号。SPIDER-BOYに助けられたことを揶揄するElectroの台詞。”You using child labor now, web-head?” child laborというと発展途上国で労働力として子供を使っていること。これ上手いな。流石Slott。
Slottの上手い台詞をもう一つ。SPIDER-BOYにElectroを任せ、Electroが引き起こした周りの人々の危機をSPIDER-MANに救わせようとするSPIDER-BOYの台詞とそれに対するSPIDER-MANの応え。”If I was in danger, wouldn’t your SPIDER-SENSE tell you?” “That’s annoyingly valid point.” SPIDER-MANの言う通り、SPIDER-BOYに何か危険なことが起こるのであればSPIDER-SENSEによってすぐわかるはずという論法。理論的で好き。
さて、SPIDER-BOYに関する最大の謎。SPIDER-BOYはSPIDER-MANやElectroのことをよく知っているのに、逆は真ではない点。変な話。10号の途中のコマでSPIDER-BOYの背中にNormanの開発したグライダーBugを背負っていることがわかる。そこからくる結論。NormanはSPIDER-BOYのことを知っている。10号の後半でその事実は明かされるんだけどね。