6月に到着したAmazing SPIDER-MAN (ASM) のうち残りのASM 920(26)号を読み終えたので早速レビュー。筋書をZeb Wells 、画をJohn Romita Jr.(“JRJR”)インクをScott Hannaがそれぞれ担当。
添付画像はJRJRの描く通常版の表紙。彼の父親の描いたASM 121号のHomageととらえて間違いないだろう。(121号は友達以上恋人未満なGwenが死んでしまった話。)One shall 、fall!と書いてある。しかし、読む前からネタバレに遭遇。誰が死ぬか事前にわかってしまった。(アメリカ本国のファンも読む前からネタバレの情報が漏れてしまい憤慨していた。)笑っちゃうのはこの表紙に既に死んでいる人が載せられている点。(表紙右下の借金取り)JRJRも描いた時点では既に死んでいることを知らなかったのでは。
お次は粗筋。マヤの死神の力を宿すべく数学者Rabinは執拗にMary Jane (“MJ”)の命を狙う。それを防ぐべくSPIDER-MAN、Norman、そして助っ人MS. MARVEL 、FANTASTIC FOUR (“FF”)が立ち向かう。
気に入った台詞やシーンを紹介。回想シーンにて。PaulがRabinの息子であることを知りPeterはPaulを悪人と決めつける。それに対するMJの台詞。”I know that it’s part of what makes him a good man. Sounds familiar?” ここでのItは悪人である父親に知らず知らずに手を貸してしまったguilt (罪の意識)とpain (苦しみ)を指す。後半の部分は罪の意識やそれに対する苦しみはPeterが背負ってきたものと同じものだから。Peterはグーの音も出ないよね。
前々号でのFFとの仲違いが癒えていないことがわかるシーン。MJが一人でRabinに立ち向かうことを諫めるSPIDER-MANの台詞とそれを揶揄するFFのメンバーThe THINGの台詞。”We’ve got to be smart about this!” “Why start now?” つまり最初からsmartに対応していたらもっと穏便にことが進んだはずだという皮肉。とか言いながら助けるんだけどね。
ピンチの中、自分の名案を解説するFFのリーダーReedに対する奥さんSueの台詞。”Whatever you’re explaining, just do it.” 流石奥さんだけあって相手のことを知った上でしっかり窘めてるね。
MJを助けようとRabinに対して啖呵を切った後にMJに了解を求めるMS. MARVELの台詞。”Get away from my friend.” “We can be friends, right?” この二人面識がないのに最初に友達と断言していたことがここでわかる。彼女の人柄を知ることができて好きだな。
一方納得があまり行かない点。神の力を得ようとするRabinだがもう既に相当凄い力を持っている。必要なくない、神の力?
それでもSPIDER-MANは果敢に立ち向かうわけだが、ナイフBlade of Decayを奪えば問題は解決したんじゃないかな。たいていこういう話はそうじゃない。同時並行で進んでいるSlott版のSPIDER-MAN だってそうだし。
この物語の最大の欠点。MJに扮したMS. MARVEL。外見は彼女に見せかけてもRabinが追いかけているのはなにかわからないマーカーみたいなものの(bindingsとRabinは言っている)はず。そんな簡単に騙されるか。