貧困で湿地のほとりに住む少女の話
最初は家族でそれなりに楽しく住んでいますが、一人またひとり湿地から去り、最終的にカイア一人でそこに住んでいくことになります
そんな主人公カイアの日常と、ある事件が交互に描写されていく展開で、読みやすいし飽きなくて最後まで面白く読みました
このお話について私がいいなぁと思ったのは、
主人公カイアが不幸で可愛そうな少女だというばかりではないということです
もちろん、貧困に生まれて家族もないという状態は不幸と呼んで間違いないと思うのですが、
カイアは自分でボートを操縦して勝手知ったる湿地を行ったり来たり、貝集めでお金を得たり、魚を燻製にして売ったりして暮らしていて、
大自然の動物たちとは言葉はなくとも通じ合っていて、不幸ながらも自分の場所に足をつけて生きています
湿地の人間は貧困であることから、街では弾き者のような扱いを受けていますが、そもそもカイアはあまり街に出ないこともあってか、街の人間も一部を除いてカイアとは距離を取っており、そういう差別されてる感じの悲しい描写もほぼなしです
そして、カイアの割と穏やかな暮らしを支える周りの人が暖かかったりして、いいなぁと。
そんなまったりした前半ですが、
後半は事件のウエイトのほうが強くなってくるので、少しずつスリルがある展開になってきてさらに面白いです
裁判のシーンも、検事と弁護士のどちらかが勝ちすぎない展開が続き、結構ハラハラします
そんなわけで、面白かったんです
面白かったんです、が。
以下、ネタバレさせてください
叫ばずにはいられない
で、お前なんかよー!!
と、言いたい
あの裁判での態度は一体何だったの…
あの、「自分繊細なんでこんな裁判とかそういう場所にもうあと一分たりともいられません」みたいなあの態度は一体何…
ほんと、お前かよ!でしたねー
いやはや
これは犯人のネタバラシだけがズコーって感じでした
そのズコーっも含めて面白かったです