ジャンルはホラー?ミステリー?
うーん…ホラーと言うほど怖くはないけど、ミステリーというほど謎はありません
全体的にちょっと怖くて、すごく濃い。
こちら、交わることのないそれぞれ別の、独立した話が8つ入った短編集です
ときどき救いのない話もありましたが、
最後のページを読み終えて本を閉じた時になぜか「ハッピーエンドだったかもしれん…良かったなぁ」としみじみ思いました
そんなちょっと不思議な気持ちにさせてくれた本書、その理由について解説の宮部みゆきさんはラスト1編が祝福と救済であるからだとおっしゃっています(ごく短いのに素敵な解説でした)
私も、この本はラスト1編があるからこそ珠玉だと思う
上述したとおり、すべての話にはつながりがないのですが、ラスト1編ですべての登場人物が救われた感じで、そこまで読んできた私も一緒に救われて、
本当に最後の1編は登場人物たちと私へのご褒美みたいだったな、と思います
ということで、読後感がかなりいいです
幸せすら感じました
おそらく山白さんの根底にある、人間は強くてたくましくて美しくて、生きている限り幸せの方に向いていくという一貫した想いが詰まっているからだと思います
今年も既に何冊も、ものすごくいい本に出会えていて嬉しい
山白朝子さんは、乙一さんの別ペンネームだそう
乙一さんの本は一冊も読んだことがありませんでしたので、ぜひ読んでみたいと思います