
父が亡くなった時、
姉たちは、もう就職して自分の収入があって
ひとまず独立の安心感が あったけど、
私は 15歳の夏で…
その時、考えに考えて…
高校も夜間の部に変えて昼間は働かないと…
と悩んでいた。
でも、母親と姉たちが「なんとかなるわよ」と言うので
申し訳ないな…と思いつつ、
学校からの帰り道に
晩ご飯の材料を買って帰って、
働いている母と姉たちと自分の
夕食の支度をした。
ひとりで仏壇の前に座っている時、
お線香の燃えた残りを灰の中から掻き出して掃除するのが日課に なった。
そんな頃、聴いていた LPレコードのアルバムの中、
この2曲が 胸に 沁みた。。
井上陽水 自己嫌悪
家へお帰り 井上陽水
…なんという優しい歌い方で歌う……声の持ち主なのだろう!……
…と、
その頃の私は
繰り返して何度もレコードの針を下ろした。
『家へ お帰り』の曲の終わりに、
オルゴールの音色で、聴こえてくるメロディが
『傘が無い』の サビの部分だったのが
印象に 残って いた…
同級生の友たちには誰も
私の お気に入りの 陽水の曲に 関心が無かった頃だった。
でも私は その頃、
ずいぶん、
陽水の 優しい歌い方に 癒されて時を過ごした。
……… ………
高度経済成長の頃、就職して
おしゃれなファッションや
高級な化粧品や、
お稽古事などの…
OLの生活を楽しんでいた姉たちと、
「三無主義」と言う言葉が生まれていた、
虚しい進路に居て
大学生活を楽しむ友人たちとも話題が噛み合わなくなってきた、
違う世界で
生活費を稼いでいた自分と…
同じ家に育った姉妹 とは言え、、、
世界観は違うなぁ…なんて
ふっと思ってしまう状況に、出逢う。
…困って居る人間を目の前にして、『助けてあげなきゃ』と
頑張ってみたとき、
あれ? このヒト、
自分より よっぽど贅沢な世界観の中で暮らしていたみたい?
と、ふと思ってしまった時、
どうやって…奉仕の気持ちを 持ち続けたら良いのだろう?
…そんな迷いが生じてしまう自分に…自己嫌悪。。。