≪第88回選抜高校野球大会≫ ~甲子園~
【2回戦】
智弁学園 4-1 鹿児島実
滋賀学園 9-1 釜石
龍谷大平安 2-0 八戸学院光星
明石商 3-0 東邦
木更津総合 4-1 大阪桐蔭
秀岳館 16-0 南陽工
高松商 5-1 創志学園
海 星 2-1 敦賀気比
2回戦の8試合が終了した甲子園のセンバツ。
1・2回戦を終了して、
優勝候補と目されていたチームがすべて敗れ去る大波乱の大会となっています。
左側のブロックでは、
近畿勢が大躍進。
8強進出の4チームすべてが近畿勢。
しかもすべて、
攻守のバランス感が抜群。
滋賀学園・明石商という”初顔”がはつらつとした野球で快進撃を続ければ、
智弁学園・龍谷大平安の両強豪は『冬場にかなり鍛えこんできたな』と唸る出来で、
堂々と8強まで進出してきました。
2回戦では、
明石商が素晴らしい戦いで優勝候補の東邦・藤嶋を崩しました。
エース吉高が素晴らしいピッチングを続けています。
さしもの強打・東邦も全くとらえきることが出来ませんでした。
そして『初顔』とは思えないほどの堂々とした戦いぶりは見事。
中学野球界の名将である狭間監督は、
さすがに軟式野球指導者を経験しているだけに、
『1点の重み』を知り尽くしている感じがします。
また龍谷大平安は、
明徳に続いて光星を相手に、
見事な力勝ちを披露。
相当チームコンディションは上がってきているようです。
準々決勝は、
智弁学園 vs 滋賀学園
龍谷大平安 vs 明石商
の対戦となりました。
いずれにしても、
この【近畿4校】から決勝進出チームが出ますので、
ここからは『勝手知ったる相手』に対して、
『俺たちの方が上だ』という意地の張り合いになる可能性が大。
見ている方としては、大変面白い組み合わせとなりました。
明石商の吉高が龍谷大平安に対して、
どんな戦いぶりを見せるのかが最も注目されるところですね。
そして右側のブロック。
まさに『まさか、まさか』がどんどん起こって、
明日をも知れない戦いになっています。
まず驚いたのは、
【高校野球界の盟主】である大阪桐蔭の完敗。
もちろん木更津総合のエース早川の投球はよかったのですが、
大阪桐蔭の打線があそこまで抑えられるなんて、
予想だにしませんでした。
エース高山は不運もありましたが、
ワンチャンスをものにされましたね。
夏に向けて、
課題が出たところですね。
夏の最大のライバルである、
『高校NO1投手』と言われる履正社の寺島くんなんかは、
『ヨシッ』
と気合も入ったことでしょう。
木更津総合は、
勝負強さを見せて、
関東最後の砦を守りましたね。
そういえば、
2回戦を終わった結果をみれば、
東日本のチームは木更津総合1校になってしまいました。
昭和50年代、60年代などにはよく言われた、
『西高東低』
という言葉が思い出されます。
最近は各地域バランスよく勝ち進むことが多かったので、
今大会はちょっと驚くことが多いです。
熊本の秀岳館は、
もともと素材の良い選手が揃っていますが、
(言い方がいいかはわかりませんが)長く解説に携わり高校野球のすべてを知り、
そして中学硬式で数多のタイトルを手にして若い選手の指導のすべてを知る『プロ監督』である鍛冶舎巧氏が監督に就任して、
『全国制覇を目指す』という明確な目標設定を掲げて、
彼らを鍛えに鍛えてこれだけのチームを作り上げてきました。
『秀岳館高校』
まだまだ全国の高校野球ファンには耳慣れない名前ですが、
このチームは、『本物中の本物』ですよ。
鍛冶舎監督はまだまだ謙虚な物言いに終始していますが、
満を持して甲子園の舞台に登場したこのチーム、
優勝以外のことはまったく目に入ってはいないと思います。
次の木更津総合・早川の攻略が成れば、
そのまま頂点まで駆け上がっていく可能性も十分にありますね。
今日の第2試合は、
剛速球の高田を擁する創志学園を攻略した高松商が、
久々の8強に進出しました。
個人的に、
『四国四商』
の活躍はうれしいものですね。
硬軟織り交ぜた攻撃力は、
今大会の中でも光っています。
そしてエース浦がこの試合では見事なピッチングを披露。
久しぶりの優勝に向けて、
突っ走ることが出来るでしょうか。
二回戦最後の試合では、
連覇を狙う敦賀気比を、
海星が二枚看板の投手力を駆使して抑えきり、
ジャイアントキリングを成し遂げました。
これで三強と言われた、
大阪桐蔭・敦賀気比・東邦はすべて姿を消し、
一回戦で敗れた常総学院とともに、
ワタシが『四強』と予想した四校はすべて、
なんと八強を前にすべて姿を消すという大波乱。
四校はすべて、
相手のペースに乗ってしまって、
最後までそのペースを覆すことが出来なかったという同じような試合ぶりでした。
やはり強豪の選手とはいえ高校生。
春のセンバツは実戦不足ということもあり、
コンディションを整える難しさを痛感しますね。
それにしても、
こんなセンバツも珍しい。
とはいえ、
ワタシは何となくこの結果を、
ほくそえみながら見ていたりします。
『やっぱり何が起こるかわからない大会は、面白いなあ』と。
あと三日間。
どんなドラマが起こって、
最後はどんな結末が待っているのでしょうか。
88回、末広がりの選抜大会。
面白くなってきました。