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第103回全国高校野球選手権大会 予選展望その2【関東1】

2021年06月22日 | 高校野球

≪第103回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望2 関東(その1) -

【茨城】(参加89チーム)  
常総学院が投打に一歩抜ける存在も、波乱の可能性はある。追っていくのは霞ケ浦、明秀日立、常磐大の3校か。

◎ 常総学院  
〇 霞ヶ浦 明秀日立 常盤大 
△ 鹿島学園 土浦日大   
▲ 藤代 水城 水戸商 石岡一

島田監督が就任して初めての夏の予選。秋の関東大会に準優勝してセンバツには出場したものの、まだまだ粗さが目立つチームという姿に映った。しかし、その後春の県大会を連覇し、関東大会でも4強に進出した姿を見ると、やはり常総学院が夏も本命であることは間違いなさそうだ。最も信頼できる投手は大川で、ここは揺るぎがないだろうが、選抜では二本柱と言われたもう一方の柱である秋本に安定感が欠ける。春は時岡などの出現があったものの、結局は大川頼みの投手陣になりそうで、そこがチームのアキレス腱になるかもしれない。とはいえ打線の破壊力は水準以上で、スケールの大きなチームが出来上がりそうではある。その常総学院を追いかけるのは、投の霞ケ浦か、春準Vの常盤大か、それとも選手の質が高い明秀日立か。霞ケ浦は相変わらずチームとしての投手育成能力が高く、夏必ず上位まで進出してくる戦いのうまさにも特徴がある。明秀日立は金沢監督肝いりの打線が看板。常総とは春も接戦を演じており、潜在能力は高い。そのほかでは秋に初優勝を飾った鹿島学園が、春初戦負けの汚名を晴らして再浮上するか。甲子園の土を複数回踏む土浦日大、藤代などにも要注意だろう。春4強入りした水城は久しぶりの躍進を見せ、11年ぶりの甲子園を狙う。名門水戸商は指導陣を一新。改めての浮上を狙えば、石岡一には投の2枚看板が揃い、春は秋優勝の鹿島学園を完封した。大物食いを狙っている。



【栃木】(参加60チーム) 
作新学院の9連覇はなるのか。大混戦の大会を演出するのは果たしてどこか。

◎ 佐野日大 
〇 作新学院   
△ 白鷗大足利 国学院栃木
▲ 青藍泰斗 宇都宮工 文星芸大付 石橋 

公立校の浮上は難しそうで、今年も例年通りの5,6校の争いになりそうだ。注目されるのは、作新学院が10連覇を達成するか。春の決勝では佐野日大に対して前半投手陣が乱れて1-12と大差をつけられたが、そこから後半追い上げて10-13まで追いつめたのは評価できる。夏は”小針マジック”が毎年発揮されて接戦をものにしているだけに、今年も本命に近い位置に陣取っているのは間違いないであろう。ウィークポイントは軸のいない投手陣であることは間違いなく、そこの整備が夏前までに追いついていることが10連覇達成へのポイントだ。その作新打倒にかけるのが佐野日大。夏は煮え湯を飲まされ続けており、投手出身の麦倉監督だが、強力打線で道を切り開こうとしている。その打線は水準以上。県大会5試合で54得点をたたき出した打線は硬軟織り交ぜた自在な攻撃が得意。しかし春は投手陣の整備に課題を残しており、本命だが「絶対」という言葉はつかない状況だ。2強は打線で勝負をかけるが、白鴎大足利は投手力で勝負。左右に上・横とバラエティに富んだ投手陣は県内屈指。強打の2強に挑戦状をたたきつける。国学院栃木は秋優勝を飾り、ここのところ県内では常に上位を占める。青藍泰斗や宇都宮工も打のチーム。こう見ていくと、今年は県内有力校に打撃力の高いチームが多く、活発な打撃戦が展開されそうな県大会だ。


【群馬】(参加61チーム)  
健大高崎が本命も、侮れない関東学園大付。大黒柱・皆川を擁する前橋育英も、逆転での5連覇を狙う。

◎ 健大高崎
〇 前橋育英
△ 関東学園大付 
▲ 東農大二 太田 桐生一 伊勢崎清明 館林 前橋商 

県内2強の健大高崎と前橋育英。健大高崎は昨年、一昨年と秋の関東大会を連覇し、すっかり衣替えした「強力打線」を押し立てて6年ぶりの夏を狙っている。そのライバル前橋育英は、一昨年まで4年連続で夏の甲子園を踏む「夏将軍」ぶりを発揮。両校の「決戦」はすでに群馬の夏の風物詩となっている。今年はやはり選抜出場の健大高崎が先行。打線の破壊力は選抜でも注目されたほどだが、ここにきて春の疲れも出たかあまりその強力打線の降りに鋭さを感じない。またセンバツでも悪しき証明をされた「打線は水物」という部分が、夏の大事なところで出ないとも限らないので、安定した戦いを続けるためには、今仲、野中らの潜在能力のある投手陣の整備が必要だ。一方の前橋育英は、エースで4番、そして主将と何役も一人で背負う皆川に期待がかかる。春の大会で皆川を登板させなかった試合でコールド負けを喫してノーシード、しかも夏は強豪の揃ったブロックに入ってしまい、前途は多難と言わざるを得ない。皆川に頼らずいかに勝ち切れるか。それが突き付けられた課題か。しかしながら、夏の県大会では圧倒的に健大高崎に分がいい前橋育英。両校の激突には目が離せない。両校が軸の大会となるのは間違いないが、刺客も多い。まずは春の県大会を制した関東学園大付。エース篠原に石原という本格派の2枚看板を擁する投手陣の力強さは県内屈指。関東大会でも特徴をよく出していたものの、やはり力のある投手に相対すると打線が沈黙してしまうのが弱点か。春準Vの東農大二は、健大高崎を完封した技巧派左腕・黒岩がエースとして控える。強力打線には左腕からの投球術はものすごくイヤだろう。春4強まで駆け上がった太田と、春秋ともに4強の館林の両県立高も面白い。両校ともに創立100年を超える老舗中の老舗。こういった学校が快進撃をすると、非常に盛り上がった大会になるので健闘を期待している。桐生一、伊勢崎清明、前橋商などの強豪校も一発逆転を狙い虎視眈々。


【山梨】(参加34チーム)  
今年は東海大甲府、山梨学院の2強対決では収まりそうもない。春躍進の駿台甲府、日本航空が迫り、予断を許さない。

◎ 東海大甲府
〇 山梨学院 駿台甲府 日本航空
△ 甲府工 富士学苑 甲府城西 
▲ 日川 帝京三 

ここ数年2強を形成していた山梨学院と東海大甲府。過去4年連続で山梨学院が夏の切符を手にし、その前2年間は東海大甲府が連覇した。そしてこの春のセンバツは東海大甲府が出場。やはり今年も2強の争いかと思いきや、春の県大会ではちょっとした異変が起きた。山梨学院が準々決勝で、東海大甲府は準決勝で敗退し、決勝のカードは駿台甲府VS日本航空のカードに。両校は関東大会にも進出して経験を積み、この夏は一気に本命に躍り出る構えだ。春優勝の駿台甲府は、打のチームとの触れ込みではあるが総合力が高い。1・2番を組む渡辺・和田の出塁率が高く、中軸で返すオーソドックスな戦法を好み、守っては巧みな継投で相手を抑えていく。春のように戦略がはまると一気の浮上もありうる。日本航空はヴァデルナが山梨学院を完封するなど投打で目立った存在だが、投打ともに能力が高い選手が揃う。オコエを連想させるエドポロの攻守は必見だ。
さて、2強であるが、東海大甲府は選抜で優勝した東海大相模と接戦を演じた後、地元に戻ってからは「お休み」の状態が長い。県大会では準決勝で駿台甲府に苦杯をなめ、3位決定戦には勝って関東大会に出場したものの、そこでまた5回コールドの完敗。何か乗り切れない状態で夏を迎えそうだ。特に当初から課題であった打線の底上げはまだまだで、厳しい県大会になりそうな予感もはらむ。山梨学院はさらに深刻。秋に関東大会進出を逃して捲土重来を誓った春。そこでまた日本航空に大敗を喫して、出直しの夏となった。潜在能力の高い選手がそろっているとはいえ、夏にモチベーションを挙げて一枚岩になり切れるか。吉田監督の手腕も問われている。そのほかでは名門の甲府工のエース・末木に注目が集まる。伸びのある速球は県内でも屈指。富士学苑、甲府城西なども波に乗れば高いチーム力が発揮されそうだ。いずれにしても、絶対の本命のいない波乱含みの大会になることは必至。


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