6/19≪FIGHT SERIES≫ ~米・ラスベガス~
◇WBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 挑戦者・IBF1位
井上尚弥(大橋) 〇 KO ● マイケル・ダスマリナス(フィリピン)
3R2分45秒
もうなんというか、
ず~っと楽しみにしていた井上尚弥のラスベガス防衛戦。
コロナ禍を超え、
今回は「ベガス・有観客」での防衛戦。
有観客といっても2000人程度に抑えられましたが、
それでもお客さんが入っているのといないのでは、
これほど雰囲気がい違うのか・・・・・と思わざるを得ないほどの違いが明らかでしたね。
井上はこの試合、
IBFの指名試合だったとはいえ、
とても「最強の挑戦者」というわけではなく、
掛け率もほとんど一方的で試合への興味はない試合でした。
しかし世界の目は、
『モンスター井上がどのような勝ち方をするか』
の一点に絞られていたと思います。
これだけ世界の目を集める井上尚弥の防衛戦にもかかわらず、
やはり日本では「そこまでの評価」は与えられない雰囲気で、
当日までさほど話題沸騰というわけではありませんでした。
本当にもったいない話で、
彼が引退してから「ああ、彼はすごかったなあ」なんて、
やっぱり日本ってそういう評価をする国なんですよねえ、何事に関しても。
さて、そんな井上。
ボクシングファンにとっては、
彼のファイトはアドレナリンを全開にできる「年に数回のお楽しみ」の時間という事で、
楽しみな気持ちが沸き上がっていました。
今回ワタシも、
唯一の心配は「井上本人を含め、陣営にコロナが出ないでほしい」という事だけ。
何事もなく計量、記者会見と進んで、
当日の様子を見て、ホッとしました。
井上本人は、
引き締まったいい表情がずっと崩れることはなく、
試合前も実にいい表情でした。
そしてナーバスになっていことも感じられずほほもこけていなかったので、
「減量もうまくいき、調子もいいのだな」
という事が感じられ、その時点でもう「勝ったも同然」という気持ちになってしまいました。
ダスマリナスはリラックスしたいい表情をしてリングに登場。
「自信があるのだな」
なんて思いましたが、
試合開始のゴングが鳴ってしばらくした井上の一撃でもう、
表情にも動きにも、
すっかりおびえ切った姿が感じられました。
ダスマリナスの右にかぶせた左一撃。
超絶な速さの「それ」は、
ヒットしなかったものの、
この一撃で試合のすべてを支配してしまうほどの凄いものでした。
WOWOWではゲストの村田諒太が、
しきりにこの一撃のことを言っていましたが、
夜に放送したフジの中継ではそのことはあまり触れず。
しかし村田の言っていたように、
その一撃でダスマリナスはすっかり腰が引けてしまい、
その後は井上が一方的に距離を支配して圧力をかけ、
2R終盤に左ボディ一閃。
あのWBSSのロドリゲス戦、ドネア戦のように、
ダスマリナスも「もんどりうって」苦悶の表情で膝から崩れ落ちていきました。
それでも立ち上がりファイトする相手に対し、
井上は焦ることなく3Rにまた同じようなボディを2発、
2回のダウンを奪って試合を決めました。
3R2分45秒での戦慄のKO勝ち。
この倒し方は、
目の肥えた世界のボクシングファンをうならせたんではないかな?
ワタシもなんだか、
恐怖すら感じるような”すごい”KO勝ちだったと思います。
言葉で表すなら「戦慄の」という言葉がぴったりくるかな?!
それにしても井上尚弥、
強さにますます磨きがかかって、
なんというかそこには、
神々しさすら感じてしまいます。
やっぱり井上尚弥というボクサーは、
ボクシングの神様が日本という国に落としていった「神童」そのもの。
「神の子」というのは、
こういう選手のためにある言葉だな……そんな気すらしています。
この井上尚弥という選手を、
見ることができるこの時代にいる幸せ、
ひしひしと感じることができました。
もう「日本史上最強」なんていう言葉は陳腐に感じてしまうほどの凄さで、
世界の歴史に残るボクサーになっていきそうな雰囲気すらも漂わせています。
これから一体、
彼はどこに向かって行くのでしょうか。
昨日の放送の中では、
8月に予定されていたカシメロvsリゴンドーのタイトルマッチがキャンセルになり、
新たに同じ日、カシメロvsドネアのWBO/WBCの統一タイトルマッチが組まれたという事です。
そしてその勝者が、
井上と対戦する「権利を得る」という事になるでしょう。
そのファイトこそは、
2団体チャンピオン同士の「4団体統一タイトルマッチ」にほかならず、
「超ビッグファイト」となります。
しかし井上が昨日のようなコンディションに仕上げさえすれば、
結果は見えているような気もします。
ドネアが来てもカシメロが来ても、
5Rまで井上尚弥の前に立っていることは、ないのではないでしょうか。
井上尚弥がまず目指した「直近の大きな望み」である『バンタム級4団体統一王者』は、
今年の年末には達成される公算が強いという事ですね。
もしかしたらこのファイト、
村田諒太vsGGGのビッグマッチと組ませて、
年末の「東京ドーム興行」となる可能性もあります。
そうなったらもう、
何を置いても駆けつけないといけませんね。
どんなにか盛り上がることでしょう。
日本ボクシング界の夢の、
そして歴史上最高にして最大の1日となることは、
請け合いです。
これからの動向、
本当に注目していかなければなりません。
そして次の土曜日(日本時間日曜日)、
今度は”サムライ”中谷があのPFPロマチェンコに挑むメガファイトが、
昨日と同じ会場で行われます。
「世紀のビッグアップセット」
の可能性も、
十分に感じられます。
何だか日本のボクシング界も、
スケールが一つ違ってきた感じがしますね。
世界が注目する日本のボクシング・・・・・・という事になるかもしれません。
いずれにしても井上選手。
素晴らしいファイトでした。
体中の血が、沸騰しました。
ありがとう~~~~!!!!!
コロナには十分気を付けて、
帰ってきてください。
ジャンクスポーツでまた、
浜ちゃんにいろいろと買ってもらってくださいね。
それから拓真も、
雑音に負けず、がんばれよ~。
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