◇WBC・WBO世界Sバンタム級統一タイトルマッチ
WBO王者 WBC名誉王者
ノニト・ドネア 9回1分54秒 西岡利晃
(フィリピン) TKO (帝拳)
西岡がボクシングの本場・アメリカで挑んだ、
日本人で最もすごいタイトルマッチ。
最近、ボクシングというのはほとんど世間の興味の外にあります。
そしてそのボクシング界。
妙なことになっていて、世界チャンピオンが乱立。
4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)それぞれに、
王者・暫定王者は当たり前、
名誉王者・休養王者なんていう”どっちが上なの??”と叫びたくなる王者まで作られ、
正直な話『何がど~なっとんじゃ』と叫びたくなるような現状です。
白井義男、ファイティング原田から輪島功一、具志堅用高らの時代とは、
まったく違う状況です。
ファンに怒られるのを承知で言えば、
現在のボクシングのタイトルって、全盛期のプロレスのタイトルのような趣すらあります。
要するに、
『タイトル自体にはほとんど価値がないんじゃない?!』
ってことですよ。
猪木、馬場などが全盛期のプロレスファンは、
タイトルの保持にはあまり興味がありませんでした。
WWFだろうが、IWGPだろうが、
『あっ、そう』
ぐらいなもの。
興味があるのは、
『猪木が誰と戦うのか』
『あいつとアイツがやると、どうなるのか』
ということばかり。
単純に、
『強いのは誰だ』
というのに興味がありましたね、自分を振り返ってみても。
対してその頃のボクシングには、
タイトルを保持することにこそ、
価値を見出していました。
『具志堅が誰に勝った』
『輪島が誰を破った』
ということよりも、
『具志堅は世界チャンピオンだ』
『輪島が何回防衛した』
ということの方が、
ずっと語られることでした。
結局、
【ボクシングはスポーツ】で、
【プロレスはエンターテイメント】だったのではないですかね。
しかし時は経ち、
昨今ではボクシングのチャンピオンの権威がほとんどなくなり、
ボクサーは世界チャンプになったとしても『食えない』状況に追い込まれています。
昔のボクシングの世界タイトルマッチと言えば、
今でいうならばオリンピックの決勝種目のように、
日本人の多くの人たちが『食い入るように』見入ったもんですけどね。
時代も変わりました。
政治力やらテレビとの関係などで、
いとも簡単に『初の〇〇階級制覇』が成し遂げられてしまう現実に、
ボクシングの長いファンもうんざりして、
ため息しか出ない状況です。
今や『世界タイトルマッチ』というだけでは、
ほとんど興奮もしません。
しかし・・・・
本当に強い奴と戦うとなったら別。
これまでも、
長谷川穂積がフェルナンド・モンティエルと対戦した統一世界戦や、
山中がビッグ・ダルチニアンと戦ったタイトルマッチ、
そして今年の、
井岡vs八重樫の統一戦など、
『対戦カードに胸躍らせる』タイトルマッチがありました。
そして昨日の、
西岡が挑んだノニト・ドネアとのタイトルマッチは、
『チャンピオン・西岡が単純に、【どっちが強いんだ】を決めるために挑んだタイトルマッチ』
として、
本当に誇り高き対戦だったと思います。
西岡は、
『残り少ない自分のボクシング人生(現在36歳)。これからは1戦も無駄にすることなく、強い奴とビッグマッチをやりたい』
と語っていた通り、
挑んだ相手は破格の強さを誇る【軽量級最強】のドネアでした。
現在のボクシング界で、
掛け値なしに全ボクサーの中で3本の指に入るほどの【強すぎる】ボクサーです。
すでに地位も名誉も、
そしてお金も掴み取っているドネアに対して、
西岡はチャンピオンながら世界的な知名度はイマイチ。
そんな西岡、
昨日の試合に自分のすべてをかけ、
『のるかそるか』
の戦いに挑みました。
ブックメーカーの賭け率を見ても断然ドネアが有利でしたが、
果敢に挑んだ昨日のファイト、
ワタシは拍手を送ります。
誰がなんと言おうと、
西岡が『自分のすべてをかけて』
臨んだファイトでありました。
結果は9回TKO負け。
あれだけ何もできない、させてもらえない西岡の姿を見るとは思えませんでした。
それだけ、ドネアの強さが『破格』だったのです。
しかし、ファンというものは本当に辛辣ですね。
西岡に対して、
ネットなどでは本当に厳しい言葉が並んでいました。
目を背けたくなる表現とともに。
しかし・・・・
ワタシはあえて、
『西岡、よくやった』
と言いたいですね。
本物のファイターが、
本物の王者に挑んだ戦いですよ。
結果は一方的に見えたかもしれませんが、
それとて実はプロの目から見ると、
”紙一重”だったんだと思っています。
そんなことよりなにより、
西岡の【挑戦していく気概】に拍手ですよ。
それしかありません。
層の厚いボクシングの本場・アメリカという国で、
『本当の戦いの渦中に』
身を投じた西岡選手!
お疲れ様でした。
きっと、
『あなたの後に、道はできる!』
そう信じています。
こうした挑戦をボクサーが続ける限り、
いつかはサッカーの香川や長友、本田、
MLBのイチロー、野茂、松井、黒田、
テニスの錦織・・・。
こんな選手が生まれてくることでしょう。
アメリカの本場のリングで、
リングに登場するだけでアメリカ人から大歓声を受ける・・・・
そんな選手の登場を、
待っています。
昨日の西岡の挑戦を契機にして、
『もう世界標準の戦いでなければ、日本人ファンとて納得させることはできないな』
ということ、
強く思います。
『タイトルのためだけのタイトルマッチ』
に終始すると、
日本でのボクシングの地位は、
限りなく低いところまで落ちていくことでしょう。
『どのタイトルをかけて』ではなく、
『誰と戦うのか』が重要な、
これからのボクシング界ですね。
今後もどんどんビッグマッチが組まれていくこと、
期待していきましょう。
最後にもう一度。
西岡、よくがんばった!
*支離滅裂な文章、すみません。
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