SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

世界のマタドール 山中慎介

2012年04月07日 | ボクシング

 

 

【WBC世界バンタム級タイトルマッチ】

チャンピオン           挑戦者・同級5位
 山中慎介○    判定    ● ビック・ダルチニアン(豪州)

【WBCスーパーフェザー級タイトルマッチ】

チャンピオン           挑戦者・同級1位 
 粟生隆寛○    判定    ● ターサク・ゴーキャットジム(タイ)



ボクシングのダブル世界タイトルマッチ『THE REAL15』

期待されたこの日の会場は、
初めてボクシングが開催される東京国際フォーラム・ホールA。

この会場、
確かミュージカルと講演会などで数度訪れたことはありますが、
もちろんボクシングとしては初めて。

『いったいどんな感じになるのかな』
と期待して出かけました。

会場に入って、
まず驚いたのは会場の設営。

大きな舞台の上に、
リング+リングサイドがしつらえられ、
『厳か~』
な雰囲気をかもし出していましたね。
さすが国際フォーラム。

ボクシングの会場としては、
イスが良すぎるのよね~
なんて感想を述べながら、
初めてボクシングを見る人を同道し、
着席。

まずは長谷川穂積の再起戦から観戦。
相手との実力差があったためにあまり”激戦”にはならなかったものの、
大ファンである長谷川選手の1年振りとは思われないキレのある動きを堪能。

そしてはじまった、
山中慎介の初防衛戦。
WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチです。

初防衛戦の相手は、
『何でそんな強い相手を・・・・・・・』
と絶句してしまうようなビッグネーム。

その名も、ビッグ・ダルチニアン。
愛称はダルチです。

この男、
音に聞こえたフライ級の名王者。

WBC/WBA/IBFの3団体統一のチャンピオン、
その上2階級制覇など、
ボクサーが求めるほとんどのタイトルを保持していたまさにパウンド・フォー・パウンド。

そんな相手を、
大事な初防衛戦の相手に選ぶ山中慎介は、
まさに『THE REAL』なチャンプです。

数日前にダルチは来日した後、
事あるごとに山中をこき下ろし、
『俺の相手じゃねえ』
と言っていましたが、
山中はこれを落ち着いた様子で交わし、
『まあ見てなよ。試合を見れば分かるから』
とでも言いたげな不敵な笑みを浮かべ続けました。

試合はダルチが予想通り、
”闘牛”の異名どおり、
恐ろしいばかりの左”大振り”フックをぶんぶんと振り回しながら、
山中を追い詰めようと圧力をかけてきました。

しかし、
ダルチには大きな誤算があったと思います。
それは、
山中がこれほどまでにうまく自分を捌き切る足を持っていたということ。

予想だにしなかったあしらわれ方に、
ダルチは後半になればなるほど焦りから大振りとなり、
次第に失速していきました。

『KO必至』
と言われ、
倒さなければ・・・・と言うような無用なプレッシャーを感じてもおかしくはなかった山中でしたが、
最後まで【心は熱く頭は冷静に】
を地で行くような冷静な試合運びに徹しました。

最後までダルチの突進を交わしきった山中は、
116-112
116-112
117-111
と文句のつけようのない大差の判定で、
初防衛を飾りました。

相手を冷静に分析して対策を立てた陣営のクレバーさ、
そしてその戦略を徹頭徹尾完璧に遂行したチャンプ・山中。
すべてがうまくいった、
本当に完勝でしたね。

見ていて本当に一瞬たりとも気の抜けない、
キリキリと胃の痛むような雰囲気の試合でした。

疲れた~~~~。

これが感想です。

申し訳ありませんが、
山中戦の後に行なわれたメインイベント、粟生の防衛戦。

つかれきったワタシは、
粟生の素晴らしい戦いにもかかわらず、
なんとなくまったりと観戦してしまいました。
すんません、粟生チャンプ。
見事な戦いぶりだったと思いますよ。

しかしながら、
本当に山中戦はすごかった。

これからの防衛ロード、
楽しみですね。

【これからも強い相手とやりたい】
と言い放つ山中チャンプの試合、
今後も熱~~く追って行っちゃおうと、
昨日固く決意しました。

面白い興行でした。

これだけの興行なら、
大枚はたいても決して惜しくはない、
と思わせる素晴らしい夜でした。


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