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第105回 全国高校野球選手権大会 総合展望

2023年08月01日 | 高校野球

≪第105回全国高校野球選手権大会≫

【大会総展望】

声出し完全復活の夏。
応援の声が球場にこだまして、
まさに「いつもの夏」が帰ってきたような、
この105回全国高校野球選手権の夏ですね。

7月の初めから、
ま~暑い夏になった今年。
さらに各地で水害も相次ぎ、
「やっぱりいつもとは少し違う夏になるかなあ」
なんて思っていたら、
今年は各地方大会で、強豪がまさに次から次に倒れていくという、
波乱の夏となりました。

『高校野球の絶対王者』大阪桐蔭、
一昨年の優勝チームにして、「まず和歌山では負けない」と言われていた智辯和歌山、
高知県大会では苦しい試合を何十年にもわたりしのぎ切って「甲子園は我々の庭」であったはずの明徳義塾、
3連覇を狙った神奈川の雄・横浜ら、
「出てくるのが当たり前」のチームの敗退は、
この暑さと相まって、象徴的な出来事だったと思います。

そんな中での今年の甲子園。
激戦が予想されます。
どこが勝つかわからない大会になりそうです。

さあ、
始まります。
今大会の総合展望です。



絶対の優勝候補不在の今大会。連覇を狙う仙台育英と春4強の広陵が2強か。

とにかく大阪桐蔭が出ない夏は、
軸になる学校不在という事で、優勝争いも混とんとしてくることが予想される。

そんな中で優勝を占うと、まず名前が挙がってくるのが昨夏悲願の全国制覇を成し遂げた仙台育英だ。
選抜では8強で敗れたが、今年も投手陣のそうは全国どこよりも厚く、高橋・仁田・湯田の3本柱は驚くなかれ、どの投手もMax150キロ越えの剛腕だ。しかもそれぞれ制球力に優れ、決め球も持っているとあって、3人をしっかりローテを組んで回していくことができれば、仙台育英は大会の後半になればなるほど力を発揮していくであろう。昨夏も思い出してみると、準決勝、決勝では相手の投手陣とは疲労の度合いが全く違い、まさに「してやったり」の試合っぷりで頂点に輝いた。そしてこれを支える打線は、春の段階では今一つの感もあったが、夏を迎えてしっかりと上昇してきて、昨年並みの強力打線を組めるようになってきた。守備の精度も高く、走塁の意識も高い、非常に穴の少ない好チームに仕上がってきていると言えるであろう。危ないかもしれないと思われるのは、1・2回戦など序盤の戦いか。夏の甲子園連覇は、04年・05年の駒大苫小牧までさかのぼる。駒大苫小牧は、04年に強打で北海道初の全国制覇を成し遂げると、05年はそこまでの強打がない中で、エース田中の存在、そして全員の粘りで勝ち切って連覇を成し遂げた。さて、仙台育英は今年、その駒大苫小牧に続けるか。いずれも北の猛者で、驚くような強さを発揮している点は類似点が多い。今大会最大の注目点は、仙台育英の連覇が達成されるかだと考える。

一方それに待ったをかけたいチームはいくつも挙げられるが、実力的に「西の横綱」と呼べるのが広陵だろう。昨年全国屈指の力を持ちながら広島県大会で敗れて甲子園の土を踏めなかった広陵。それをいい糧として、今年のチームは「負けない野球」を貫いてきた。ここまで明治神宮大会準優勝、そして春の選抜4強。頂点まであと一歩と迫りながら、悔しさを味わう結果となっている子の強豪が、今年の夏は頂点に狙いを定めている。チームの中心はエース高尾。そのキレのある速球と精度の高い変化球で、ほとんど相手打線に仕事をさせないこの好投手は、キッチリと「予定通りの投球」をしてくれるからチームにとっては得難い存在だ。そしてそれを支える打線も大会屈指。注目の真鍋はドラフト1位の有力候補で、打ち出したら止まらない。さらに上位、下位ともに切れ目がない打線は今大会でも屈指で、これまで長い歴史の中でまだ達成していない夏の全国制覇を、今年は現実的に視界に映している。もし仙台育英と対戦することになれば、実力伯仲の好ゲームが期待される。エース高尾に負担をかけないよう、左腕の倉繁がどれだけ踏ん張れるかも広陵にとってはカギの一つか。


強打の智弁に履正社の近畿勢も当然優勝争いに絡む。沖縄尚学も波に乗れば面白い。

大阪桐蔭、智弁学園、報徳に京都国際と、甲子園に出てくれば優勝候補に名を連ねるであろう各校が予選の段階で敗れた近畿勢だが、まだまだ強豪は多く、優勝争いに絡んでくることが予想される。中でも春の近畿大会で大阪桐蔭を破り優勝した智弁学園は、21年夏の準優勝チームに匹敵する強打が健在だ。県大会で4発を叩き込んだ松本を軸に、5試合で51得点の強打は今大会屈指の破壊力を持つ。エース中山の踏ん張りで、頂へ再度挑戦する。大阪桐蔭を府大会決勝で破り全国制覇以来の夏の甲子園をつかみ取った履正社は、左腕の二枚看板、増田、福田の投球がカギ。選抜で悔しい負け方をして夏上げてきたところは、4年前とよく似た道程だ。打線も当時の破壊力には及ばないが、得点力は高く、力で相手をねじ伏せる野球ができるところが特徴だ。選抜に続き春夏連続出場の沖縄尚学は、いの一番に甲子園を決め、十分な調整期間を持って甲子園に乗り込む。エース東恩納の安定感と、上位下位むらのない打線はいずれも大会上位の評価。あとは思い通りの展開にならなかったとき、どう勝ち切れるかが上位へのカギだろう。思い切って振り抜く打線は、調子が出てくればアンストッパブルになりそうで、そのためにもしっかりと1,2回戦を勝ち上がっていきたいところだ。

関東では浦和学院慶応の評価が高い。浦和学院は昨年に続いて強打のチームを作ってきた。埼玉大会では持ち前の強打が炸裂、さらに投手陣もしっかりとした投球を披露して、盤石な勝ち上がりを見せた。ここも甲子園では、ビハインドの展開になった時に跳ね返す力がなく敗れ去ることが多いので、反発力、復元力が備われば上位への道も開けるはず。選抜では仙台育英の投手陣から得点を奪えず敗れ去った慶応。しかしそれ以降、好投手を攻略するためしっかりと振り込んできており、夏にかけてはどんどんと長打が出るようになってきて完全に一皮むけた状態だ。さらに2年生エースの小宅が抜群の安定感を誇り、控え投手陣も充実。東海大相模、横浜と時代を彩った”神奈川の盟主”を連破し、聖地で頂点を狙う。
昨夏壁を乗り越えて甲子園で8強目で駆け上がった愛工大名電は、今年も昨年以上の戦力を整えて今度は4強以上を狙う。エース笹尾を中心に145キロ以上投げる投手が揃う投手陣は圧巻。打線も長打あり、足ありの多彩な攻撃が得意で、相手に息つく暇を与えない。実力上位の大会で、どこまで駆け上がっていけるか。東北ではおなじみの八戸学院光星聖光学院が今年もやってくる。いずれも戦力が充実しているという以上に、甲子園での戦い方を熟知しているところが強み。八戸学院光星は、今年の春の東北大会優勝校。その春は決勝で仙台育英も破っており、実力は折り紙付きだ。打線の充実ぶりも光るが、なんといってもこのチームの軸はエースの洗平。彼のピッチングが冴えれば、光星にも十分に上位進出のチャンスが巡ってくる。聖光学院も県大会の戦い方より、甲子園に行った時の勝負強さが光る。今年のチームは昨年よりもさらに打てる選手をそろえ、多少の失点はモノともしない。県大会5試合で59得点は、数字上でも他を圧倒する。

全国に散らばる有力校。スラッガー三羽烏もそろい踏み。

下級生ながらスラッガー三羽烏として昨春の選抜を彩った3人が、最後の大会で揃って甲子園に戻ってくるのはうれしい限り。高校通算140発と度肝を抜く数字を引っ提げて甲子園に帰還するのは花巻東の佐々木。コンディション不良が度々伝えられ、今年の県大会でも途中までスタメンを張っていなかったが、最後の夏に完調で甲子園の土を踏むようだと期待できる。今年の花巻東は投手陣にそこまでの安定感はないが、佐々木が導火線となり打線で勝ち上がっていきたい。九州国際大附の佐倉も最後の夏にかけている。こちらも左から鋭い打球を連発。昨年春夏に続いて3度目の甲子園登場だ。ここにきて少し心配されていた投手力がぐっと上がってきており、打線が額面どおりに打てばチーム力はグッと上がる。昨年以上の活躍も十分に可能だ。この二人に広陵の真鍋を加えた3人トリオが、甲子園で果たしてアーチの競演を果たすのか。非常に楽しみだ。

北海道から出場の北海は今年はかなりの力を持つ。エース熊谷がマウンドに上がり、さらに打席では3本塁打を放つ大車輪ぶり。投打ともにかなりの力を持っていて、ひょっとすると決勝まで駆け上がった夏の再現となるか。北北海道のクラーク国際も、昨年春、今年春に続いての出場。エース新岡が相手の狙いを外す投球をすれば、攻撃力が上がってきた打線が援護。簡単に負けるチームではなくなってきた。選抜で8強の専大松戸は、その自信からか攻撃力は見違えるほどよくなった。しかしエース平野が夏を迎えてもまだ本調子とは言えず、控え人に頼る展開が多いのが不安材料。投打に万全ならば上位を狙える戦力だが。。。。小倉監督が春に退任した日大三は、三木新監督の下さっそく甲子園をつかんだ。エース安田は安定した投球を見せるタフネス右腕。打線は本調子とは言い難いが、ロースコアゲームで勝ち切った西東京大会の再現を狙っている。九州は粒ぞろい。神村学園は最強と言われた昨年のチームが成し得なかった甲子園出場を今年のチームが成し遂げた。今年も打線が相手を鋭く切り裂き、打ち合いには自信を持つ。実力では九州屈指と言われる明豊は、エース中山を擁して上位を視野に入れる。中山は球速があるだけでなく、キッチリとピッチングができる好投手。甲子園でもその威力を存分に発揮できそうだ。打線も破壊力があり、波に乗れば3年前の選抜(準優勝)まで行ける可能性はある。東海大熊本星翔には、東海大相模から転校してこの夏に賭けたドラフト候補の百瀬がいる。彼のプレーぶりに、甲子園のファンも目を奪われることであろう。


今年も飛び出すか、甲子園の惑星。どのチームにもそのチャンスはあり、思わぬ高校の浮上も期待される。

今年は昨年の大阪桐蔭のような図抜けた存在がおらず、優勝争いは混とんとする予想が立てられているが、とにかくどのチームにもチャンスありというのが特徴となってこよう。春夏通じて全くの甲子園初出場は6校。東東京の共栄学園は、まさに「バカヅキ」で甲子園をつかみ取った。準決勝、決勝ともあと一人まで追いつめられ、そこから相手のミスで逆転勝ち。このツキを大切に、強豪のバレー部に続いていきたい。東京学館新潟はしぶとい野球が特徴。特出した戦力はないが、じわじわと自分のペースに持ち込む野球が得意。浜松開誠館はそのグレーと赤のユニフォームがひときわ目立つ初顔。しかし昨春は春の東海大会を制しており、早くから実力は県内では響き渡っていた。打力で活路を見出したい。鳥栖工は兄弟バッテリーを中心としたロースコアゲームで、宮崎学園はエース河野のピッチングで有力校を撃破した勢いを持ち込みたい。そして高知中央は、厚く高い壁であった明徳をついに今大会タイブレークの末破った。返す刀で選抜2勝の高知をも破り初出場を手繰り寄せた。初出場とはいえ、「四国の初出場は怖い」の高校野球格言もあるとおり、侮れない存在だ。

明桜は最近の秋田勢の甲子園での活躍を受け継いでしっかりとした戦いで勝ち上がりたい。日大山形は打線が看板。山形中央・武田を終盤一気に崩した攻撃は見事だった。北関東勢は、意外なメンツが揃った。土浦日大はきちっとした野球ができる。なんとしても今年こそは、27年ぶりの聖地での1勝をあげたい。文星芸大付は07年以来の久々の出場。古豪と呼ばれかけていたところ、何とか踏みとどまった形だ。前橋商も県内私学3強の厚い壁を破って久しぶりの出場。エース坂部の粘りのピッチングで、前橋育英、桐生一の強豪を破った。東海大甲府は山梨学院の選抜制覇に刺激を受けて打線を鍛え上げてきた。毎試合爆発する打線が、弱いとされる投手陣を援護したい。大垣日大は79歳の阪口監督と孫のコラボが見もの。星稜は今年もなかなかのチームを作り上げてきた。最近は8強進出がチームのノルマとなるような活躍ぶりで、今年も期待は高い。北陸は秋からの大エースであった友広だけでなく、5投手をつないでつないで、勝利を手繰り寄せてきた。近江は今年も強力打線で、大会上位の実力を持つ。昨夏まで3季連続の甲子園4強以上と、すっかり「甲子園の強豪校」に変身を遂げており、夢の全国制覇のためには今年も負けられない戦いだ。立命館宇治は、群雄割拠の京都を勝ち抜いてきた。もともと素材のいい選手が揃い一目置かれていたが、ようやく最後の夏に結果が伴った。伸び伸び戦う甲子園は、期待が大だ。市和歌山も面白い。智辯和歌山の早期敗退で、むしろ厳しい県大会になったが、そのプレッシャーをはねのけて代表の座を射止めた。栗谷、小野の二本柱は全国レベルの水準だ。は強豪を退けて3季連続の甲子園へ。しぶとさとスキのなさは突出しており、甲子園では8強以上を狙う。

おかやま山陽は、まとまりの良いチーム。高校野球の王道の戦いぶりで、勝利を手繰り寄せていく。選抜にも出場の英明は、サイドのエース下村が相手打線のタイミングを狂わせ、打線も鋭さが増した。もう1勝では満足できない。徳島商には、全試合を投げ抜いた鉄腕エース・森煌が君臨。四国四商の出場に、地元四国は沸き返る。選抜に2校を送り込んだ長崎からは、その2校を破り創成館がやってきた。しのいで勝つのは朝飯前、エース永本のピッチングが光る。上田西は、分厚い戦力で県大会を制覇。今年は夢の2勝を狙う。いなべ総合は堅い守りが特徴、富山商はライバル・高岡商の後塵を拝していたがその壁を突き破った。鳥取商は2年連続。立正大淞南は強打で11年ぶりの夏をつかんだ。宇部鴻城は昨夏の下関国際の大躍進に刺激を受けて鍛え上げてきた。川之江は久しぶりの公立対決の決勝で今治西を破り21年ぶりに夏。前回出場時には4強まで駆け上がっており、夢よもう一度の気迫が十分だ。


さあ、楽しみな今大会。
ブラバンも、声援も、すべてが”復活”しての大会に、
選手も関係者も、胸を膨らませていることでしょう。

しかし大阪は多分、連日35度越えの猛暑日が続くと予想されます。
十分に気を付けて、甲子園そのものを存分に楽しんでほしい、そう思っています。

言うまでもないことですが、どのチームにも優勝のチャンス、十分に転がっています。
あの厳しい地方大会を、勝ち抜いてきたチームなんですから。

気迫あふれるプレーの数々が、
コロナ後のすばらしい大会として記憶される大会になることでしょう。
もう待ち切れません。

は~やく来い来い8月6日。

待ってるぜ~高校球児たち!!!!


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