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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第98回全国高校野球選手権大会 準決勝の見どころ

2016年08月20日 | 高校野球

さあ、いよいよ準決勝の朝を迎えました。
第98回全国高校野球選手権大会も残り2日。
4強に勝ち残った猛者たちの、
最後の戦いを残すのみです。

今年の大会は、
4強進出校のすべてが2回戦から登場のチームということで、
これは78年に1県1代表(49代表校)制が導入されて以来初の出来事だそうです。

組み合わせの妙でこうなったということとともに、
やはり1試合少ないというのは、
最近の酷暑では上を狙っていくために、
十分なアドバンテージをもたらすのかもしれません。

ということで、
準決勝の見どころです。



≪第98回全国高校野球選手権大会≫

【準決勝のみどころ】


第1試合  明徳義塾(高知) - 作新学院(栃木)

中野を中心に守り勝つ明徳。
作新は150キロエース今井に3戦連発の主砲・入江と、役者がそろう。

選抜で初戦大敗を喫して、その野球力に陰りが見えてきたのではとも言われていた明徳義塾。それとともに今大会は、朝日記者による揶揄発言など、馬渕監督にとってイライラすることの多かった今年の甲子園。しかしながら、今年の明徳はそんな”悔しさ”を払しょくするだけの見事なチーム力を備えて甲子園に帰ってきて、この快進撃を続けている。馬渕監督は、エース中野がしっかりと試合を作るピッチングをして、それを堅守で支えるという明徳本来の野球ができている今年のチームに、相当な手ごたえを感じているはずだ。チームはその上で、打線にも好調さが戻ってきた。昨秋の四国大会から『打てないチーム』と言われてきた今チームが、この夏の甲子園では絶好調。3試合で23得点を挙げ、『もう弱点とは呼ばせない』と鼻息も荒い。
一方の作新学院。今年は力のある選手がそろっているといわれながら、夏を迎える前までは全く実績を残せず最後の大会を迎えた。その各選手の力がようやくかみ合ってきたのがこの夏の大会で、かみ合いさえすればもともと持っている力は相当なものなので、この快進撃はある意味『想定された』ものなのかもしれない。それにしても、小針監督の夏に向かたチーム作りは見事なもので、作新学院はここ数年で完全に”夏型のチーム”に変身した。6年連続の夏の甲子園を勝ち取ったチーム力は、00年代半ばまで30年にわたり『夏の甲子園だけは届かない』と言われたチームだったのがうそのよう。小針監督はまだ30代前半の『若手監督』だが、その指揮官としての能力の高さは見事なもので、すでに名将の風格を備えた監督だ。今年のチームは、150キロエース・今井が今大会に入って大きく成長したのがうれしい誤算。もともとは主砲の入江などを加え3~4人の投手をつないでいくスタイルだったのが、今井の成長で『エースで勝負』のチームとなってきた。
打線では入江が3試合連続弾を叩き込み絶好調。これまでの3試合、尽誠学園・花咲徳栄・木更津総合と今大会でも名うての左腕好投手との対戦を余儀なくされたが、その3試合をしっかりと勝ち切って出てきたところに打線の成長をも感じることができる。作新学院と言えば、これまでは『負けるときは強力打線が完黙』という、良くも悪くも『関東のチームだなあ・・・・』というチームカラーだったが、今年のチームは一味違うかもしれない。
さて、そんな両チームの対戦。打線の力でいうと作新学院のほうが長打力を備えた強力打線という気がするが、明徳もつなぎの力は見事なもので、引けを取らない。ということで、試合のカギは、なんといっても両投手の出来だろう。特に作新の今井は力投型のエースだけに、どこまで疲労を最小限に抑えることができているか。ひょっとしたら、今大会初の”継投で逃げ切る”試合展開を余儀なくされるかもしれない。一方と明徳も投手陣の駒は豊富だが、作新に通用するのはやはり中野のみだと考えるのが妥当。中野の変化球の切れを駆使した投球と作新打線の対決で、どちらが優位に立てるのか。明徳としては、今井に対してしぶとく前半戦で投数を放らせ、後半勝負に持ち込み勝機を探りたい。あるいは前半一気・・・・というのも考えられなくはないが、その試合展開はむしろ作新が望んでいる展開。作新としては、これまでの試合のように長打で一気に得点を奪う展開が最も理想的だが、明徳投手陣には配球の妙があるので、そう簡単にいくとも思えない。若干作新がチーム力では上回ると思われるが、予断を許さない展開となりそうな気配が濃厚だ。





第2試合  秀岳館 (熊本) - 北 海 (南北海道)

『完ぺき』を求め続ける秀岳館の恐ろしいチーム力。
北海としては、やはりエース大西の奮闘にかけたい!

秀岳館は、甲子園を知り尽くしたといえばこの人以上の人はいないという鍛治舎巧監督が、”甲子園経験”に加えて、蓄積された社会人野球・中学野球でのチーム作りのメソッドを駆使して、その集大成として預かったチーム。これまでの高校野球の強豪チームとは一味も二味も違った、まさに『チーム作り』とはかくあるべきという、21世紀型の高校野球チーム。賛否はあっても、これだけのチームを短期間で作り上げたのは、『さすがに鍛治舎巧』とファンを唸らせる成果だと思う。今年のチームは、中学時代から鍛治舎監督に鍛え上げられた選手がチームの中心に座るだけに、試合中の小さな一つ一つのプレーに、『う~ん、さすがに野球をよく知っているなあ』と唸らせられることもしばしば。その高い『野球力』に支えられ、試合運びも完ぺきに『勝つ』ということをデザインされている見事な戦いぶりだ。しかし鍛治舎監督。勝利監督インタビューはまるで解説者席でしゃべっているような弁舌さわやかなもの。思わず『自分で解説しているの?』なんて思ってしまいます。今年のチームは、強打が看板と言われているが実は投手を含めた守りが素晴らしいチーム。4人の投手を駆使して”継投勝ち”するさまはまるでプロ野球を見ているようだ。それを支える守備陣の動きは、シートノックを見ているだけでも『このチームはレベルが違うわ』ということをしみじみと感じさせてくれるもの。今大会は看板の打線は今一つ『大爆発』とはなっていないだけに、この【栓】が外れると、かつてのPLのように、『アンストッパブル』なチームとなる予感が十分だ。
北海は、まさかまさかの快進撃だ。『イケメンエース』の大西が3試合すべてを完投。チームを88年ぶりの4強に導き、この最多出場の名門校を、初の夏の全国制覇に導くためにもうひと踏ん張りする目論見だ。『北海』と聞くと、実はあまり勝ったところを思い浮かべられない”高校野球ファン”のワタシがいる。もう45年にわたり高校野球を見ていて、何度も聞いている各校の校歌は自然とそのメロディーや歌詞を覚えてしまっているのだが、実は北海の校歌は、今大会で3度聞くまで全くと言っていいほど頭に入っていなかったりした。それだけ『負けの歴史』を積み重ねている北海だが、北海道のオールドファンにとっては、駒大苫小牧よりも『やっぱり北海』なのだろうと思う。今年のチームは、昨年の開幕戦で鹿児島実に”ボコ打たれ”したエース大西が1年かけて見事に成長した姿を披露し、快進撃につなげている。打線はよく振れており、4強進出の他校に引けを取らない強力打線だ。守備はミスもあるものの、ここというときにはしっかり守れており、心配というほどではない。あとは疲労度だが、これは4強の中で最も重なっているのではと思う。故障者も多く、満身創痍でここまで駆け上がってきた。準々決勝のあと1日空いたが、それが疲労を取るのにいい効果をもたらしたのか、それとも1日空いたことでかえって勢いを止める結果になったのか、そのあたりは興味深いところだ。
準決勝は、秀岳館の一方的な試合になるか、それとも北海が粘って接戦に持ち込むことができるのかが焦点。秀岳館としては、これまでの戦い方を変えることは全くないだろう。しっかりと投手陣が短いイニングを投げ切り、それを繋いで相手を最少失点に抑えながら、強力打線で相手を粉砕にかかるという”王道”の戦い方だ。その戦い方でしっかり勝って行ける野球力を備えたチームだからこその戦い方で、頂点を狙う決勝に向けて、勢いをつけた戦いにしたいところだ。一方の北海は、そのチーム方針から言って、堂々とがっぷり四つに組む戦い方を選択するはず。この日の試合のカギは、やはり1にも2にも大西投手の踏ん張り一つだ。大西が5回のインターバルまで、1点差ないし2点差ぐらいまででしのぐことができれば、後半は面白いことになっていくかもしれない。正直に言うと、北海が勝つ可能性はかなり低いと思われるが、北海道のチームのパワーは、時としてすべてを打ち破る力を持つことがある。駒大苫小牧しかり、東海大四しかり、大会前には全くの無印だったチームの快進撃を、ワタシ達は何度も目にしてきた。その再現を、この【北海道高校野球100年の顔】である北海が成し遂げてくれる可能性も、感じずにはいられない。
そういった意味で、大注目の準決勝のカードであるといえる。


さあ、泣いても笑っても準決勝。

どんな結末が待っているのか。


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2 コメント

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すっかり遅れましたが。。 (まめちち)
2016-08-25 07:37:39
mihasu様、コメントありがとうございます。
すっかり返信が遅れました。
今年の甲子園も、盛り上がりましたね。
やっぱり甲子園は高校野球の聖地だなあと、毎年足を踏み入れるたびに思っています。
ちなみに私、甲子園で高校野球観戦はたくさんしていますが、タイガースの試合はまだ一度も見たことがありません。私がいつも感じているのとは違う感覚が感じられるかもしれないので、タイガースの観戦にも一度行ってみたいのですがね。。。。
夏の大会が終わるといつも、しばらく腑抜けのような状態です。
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予想が外れました (mihasu)
2016-08-20 16:43:48
 名解説読みました。 子供はチケットが手に入り甲子園にいきました。
 今日はTV観戦、北海には驚きました。
 準決勝は何時も超満員になる甲子園も外野に空席が見受けられました。
 
やはり西の高校が残らないといけません。
スポーツ各紙の戦前予報が全て外れ。
 もう、秋季大会の組み合わせが決まりました。
 地方予選~良く見た高校野球の夏大会が終わると一抹の寂しさを感じます。
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