10・7≪FUJI BOXING≫ ~横浜アリーナ~
【WBA世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦】
チャンピオン 挑戦者・同級4位
井上尚弥(大橋) 〇 KO ● ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)
1R 1分10秒
【WBC世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦】
チャンピオン 挑戦者・同級6位
拳四朗(BMB) 〇 TKO ● ミラン・メリンド(フィリピン)
7R 2分47秒
それにしても!!!
井上尚弥の底知れない”ド凄さ”は、
いったいどこまで行くのだろうか!
そんなことを感じさせてくれる、
衝撃の『横浜ナイト』でした。
この日の井上尚弥も、
試合前は緊張の面持ちが見られました。
リラックスした表情はなく、
傍で見ていると「大丈夫かな?」という感じにも映るでしょうが、
我々『井上ファン』にとっては、
この表情こそが井上尚弥が”本気”の証拠。
相手が強くなればなるほど、
不安を煽られれば煽られるほど燃えるこのスーパーファイターは、
”本気”になるともう、
世界中の誰もが手に負えなくなる「怪物」に変身します。
この日は相手が名前も実績もあり、
なおかつかなりの曲者でガチャガチャとしたダーティーワークも持さないいとおそれられているだけに、
ワタシもかえって「どんなファイトになるだろう」とワクワクしていました。
この日のWBSSの演出。
会場の雰囲気がとてもよくて、
本当に『大舞台だなあ』ということを感じさせてくれる中、
井上とパヤノが入場してきました。
井上は上でも触れたように、
緊張感が漂う表情。
一方のパヤノは、
何か自信に満ちた、
そう、「歴戦の勇士」ということを感じさせてくれるたたずまいでの入場でした。
一瞬ワタシも、
『このファイト、ガチャガチャに巻き込まれると、厄介かも』
なんて気持ちが頭をよぎりましたが、
ゴングが鳴るとその『答え』は、
すぐに出ました。
最初の40秒、50秒、
井上は距離を測り相手を見定めるように、
ほとんど手を出さずに立ち上がりました。
『今日は最初からはいかない気かな?』
と思っていたら、
60秒が経ったところで、
あっという間の左ジャブから右の”フィニッシュ”ストレート。
会場のすべてのファンは、
一瞬何が起こったかが理解できず、
ほんの1秒ほどでしたが、
ワタシには会場全体が凍り付いたかのように静かになった瞬間を感じることができました。
そして次の瞬間、
もんどりうって倒れたパヤノはピクリとも動けず。
あっという間
まさにあっという間の出来事。
井上が、
あのナルバエスを2Rで、
そしてあのマクドネルを1Rで葬り去った試合よりも短い、
わずか70秒でのまさに「秒殺劇」でした。
すごいとはまさにこのこと。
井上の進化はとどまるところを知りません。
というよりも、
まだまだ井上尚弥というボクサーは、
ボクサーとしての底を見せていないような気がします。
まだまだ、
この怪物にはたくさんの『すごさ』が潜んでいるような気がしますね。
そして強豪を倒したということの衝撃は、
世界30か国への生中継を通じて、
世界中のボクシングファンに生に伝わりました。
それが本当に大きいこと。
たくさんのボクシングファン、
ある年齢より上の人たちにとっては、
あのタイソンが登場してきたときに匹敵するぐらいの衝撃なんじゃないかと、
ワタシは勝手に思っています。
思えば80年代まで、
世界のボクシングで『すっげ~』と言えば、
ヘビー級のモハメッド・アリや、
ミドル戦線のレナード・ハグラー・ハーンズ・デュランを思い浮かべていましたが、
90年代に入る前、
ワタシ達は衝撃のボクサーの登場を目にするわけです。
それが”アイアン”マイク・タイソンでした。
彼がまさに1Rやら2Rやらで、
並みいる敵を全く問題にせずバッタバッタと倒す姿は、
ワタシの”ボクシング観”を根底から覆してくれました。
『ボクシングっていうのは、本当に強いやつはこうやって相手を倒していくんだなあ』
ということを強く思った覚えがあります。
まあ余談ですが、
それとともに衝撃を受けたのは、
軽量級戦線でのリカルド・ロペスですかね。
「100年にひとり」の強豪で、
あの具志堅さんともいい勝負ぐらい強いと思っていた大橋を、
いとも簡単に葬り去ったファイトは、
忘れようがありません。
ワタシは井上尚弥が登場した時、
そのリカルド・ロペスを彷彿とさせるなあなんて感想を抱きましたが、
もしかしたらその上を行くボクサーになってくれるかもしれませんね。
それにしても井上尚弥にとって、
このWBSSというのは【神の福音】そのもの。
あるいは【天からの授かりもの】とでも言いましょうか。
バンタム級に上げる前のスーパーフライ級では、
とにかくチャンピオンではあるものの、
強豪にはほとんど試合を受けてもらえずいわば「試合枯れ」の状態になっていました。
それゆえに、
『戦ってくれる』相手を世界タイトルマッチでの挑戦者に選ばざるを得ず、
2年ほどは本当に井上の表情がさえず、
強烈な勝ち方で防衛を続けてもどこか心が晴れないような表情を作っていました。
『スーパーフライ』なんていうアメリカの興行が企画されましたが、
出るファイターは結局しょぼい選手ばかりになって、
井上のオファーには誰も応えることをせず。
それゆえ強豪とのファイトを求め、退路を断って上の階級であるバンタム級に階級を上げると、
そこで待っていたのがこのWBSS。
現在空位のWBC以外の3団体の4人のチャンピオンがこぞって出場し、
井上尚弥がずっと待ち望んでいた『強い相手とのファイト』が否応なしに実現したんです。
この日戦ったパヤノも、
これまで井上が戦ったほとんどの相手とは比べるべくもない強豪。
価値あるファイトで、
最高の結果を出してくれました。
それにしても。。。。。。
本当に埼玉銘菓のCMをもじってではないのですが『強い、強すぎる!!!!』
なんて印象しかありません。
次は多分、
IBF王者のロドリゲスになるとのこと。
日本のファンにとって未知なる強豪が現れると、
途端に相手のことを過大評価する論評が現れるのが”お約束”なんですが、
さすがにこの日の衝撃のKOを見て、
『やっぱりロドリゲスが勝つ』なんていう人は、
ほぼ皆無でしょうね。
試合の焦点は、
『井上は強豪に対して、果たしてどうやって倒すのか』
ということに移ってくるのではないかな?
そんな気もします。
相手が強ければ強いほど燃える「怪物」井上尚弥。
次の戦いが、
本当に楽しみです。
いや~~~
それにしても。。。。。
今年井上のファイトは、
2試合でわずか2ラウンド、
3分余りしか見ていないってことなんですが、
「コスパ悪いな~」
なんてこれっぽっちも思わないですね。
すごいもの見せてくれて、ありがとう!!!!
これしかないです。
決勝はぜひ日本開催で!!
村田―ゴロフキンの『夢のスーパーマッチ』の夢がついえた今となっては、
『井上尚弥 パウンド フォー パウンドへの道』をぜひ見た~い。
頼みまっせ。
しかしこれほどの日本ボクシング界が生んだ、世界最強の怪物ファイターが凄い戦いを見せてくれているっていうのに、
視聴率が上がらないなんて、日本人ってある意味おろかだよなあ。。。。。。。
そしてすごい試合はこぞって海外開催へ。。。。
そんな流れが、
頭をかすめているワタシです。
ボクシングというものの概念をも根底から覆してくれるこの怪物のファイト、
見なきゃ損だと、思うけどなあ。。。。。。。
おっとそれから、
試合を重ねるごとにその強さに磨きがかかってきている「ベビーフェイスの好ボクサー」拳四朗選手が、
かつて八重樫からKOで世界タイトルを奪ったメリンドに対して、
ほぼ完封勝ちと言えるような試合でTKO勝ちを収めたのには、
びっくりしたり感心したり、でした。
強くなったなあ。
一時代を作るほどの勢いを、
拳四朗選手には感じることができます。
これからどんどん強く大きくなっていきそうな予感。
彼の防衛ロードにも、
大いに注目しています。
それにしても、
気分のいい夜でした。
おめでとう 井上尚弥選手 拳四朗選手
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前回も衝撃的でしたが、まさかそれ以上の結末になるとは…
鳥肌がたちました。
あれほどの半身の構えじゃ、遠いだろうなあと思った矢先の一閃!
西岡選手がジョニゴンをぶっ倒したシーンを思い起こさせる見事な文句なしのKO!
あんなパンチ見せられた日にゃ、他の出場選手はどんな思いでしょうか。
次はおそらくロドリゲスでしょうか。
相手よりも、IBFの当日計量が厄介な気もしますが、
八重樫選手のアドバイスもあることでしょうから問題ないでしょうね。
もうこのまま3団体統一し、その先にはWBCのベルトも吸収でしょ。
WBCはネリと誰かの決定戦という臭いがプンプンします。
ワクワクしますがちょっとコワイですね。
ぶっ倒してほしいものです。
それか終始圧倒し、ボッコボコにしてくれ。
そんな思いにさせてくれる素晴らしい夜でした。
会場の演出も最高でした。
まめちち様が羨ましかったですよ笑
あと、拳四郎選手。
本当に自信に満ちあふれ、楽しんで戦っているように見受けられました。
メリンドもなかなかのくせ者ですが、圧倒していましたね。
すごく丁寧で、きれいなボクシングだったと思います。
やはりジャブは大事ですね。
こうなると田口選手との試合が見てみたい。
お互いベビーフェイスで、見た目以上に負けん気が強いので
絶対面白い試合になること保証します。
この後には、村田選手の試合も控えていますね。
なんかすごく贅沢な気分です。
楽しみだなあ。
この良い流れに乗って、次に試合もクリアし、
なんとか目標までにたどり着いてほしいものです。
ああ。。わくわくします。
一言、すごかった!
それしか言いようのないKO劇でした。
会場の雰囲気も、これまでの世界戦とは違う、いわく言い難いいい雰囲気になっていました。
ぜひ勝ちあがって決勝は東京で。
それにしても、この視聴率の低さにはがっかりです。
世界最高峰の技術と破壊力。それを見ないでどうする・・・・・って叫びたい気分です。