セ・パ両リーグともにCS進出チームが決まり、
あとは短期決戦を残すのみ。
そんな中、
各チームともに、
今年でユニフォームを脱ぐ選手が相次いで発表されています。
まずは引退組。
幸せな選手生活を過ごし、
実績を残してファンに愛され、
去っていくスター選手達です。
ヤクルトの宮本は、
小さい体ながら天下一品の守備を誇り、
打っても2,000本安打を達成。
おまけに日本代表のキャプテンを務めるという、
常に陽のあたる場所を歩んできた選手。
その本拠地での引退試合には、
たくさんの日本代表での仲間や、
PL学園の先輩・後輩など、
錚々たるメンバーが駆けつけました。
いかに彼が素晴らしい選手であり、
たくさんの選手に影響力を与えたかということに他ならない、
素晴らしい引退試合でした。
【2番ショート】という、
一番本人にも、ファンにも耳触りのいい、
しっくりと来るラインアップで試合に臨んだ彼。
延長の最後の打席では、
『あわやサヨナラアーチ!』
という打球を放ちましたが、
惜しくもレフトフェンス際で失速して花道を”ド派手に”飾ることは出来ませんでした。
宮本選手について言えば、
ワタシはここからが彼の、
【本当の意味での野球人生】
になるのではないかと思っています。
いい指導者になりますよ、彼は。
2,3年外から野球を見て、
新しい風を自分の中に取り込みながら、
【名将】への道を歩んでほしいと思っています。
もちろん、
ヤクルトの監督として。
その宮本に勝るとも劣らない素晴らしい引退試合を行ったのが、
広島の前田智徳選手。
彼も2,000本安打を放った名球会選手ですが、
イチローや落合をして『打撃の天才』と言わしめた男は、
ケガさえなければ3,000本も軽くクリアしていたと思います。
しかしケガを抱えながら、
最後は『代打男』としてまっとうした彼の野球人生。
かっこよかったなあ。
彼を見ていると、
『ラストサムライ』
という言葉が本当によく似合いと思ってしまいます。
『背中で語れる』
数少ない男だったと思います。
『代打の神様』と言えば阪神・桧山。
何度も何度も、
いい場面に出てきては『歓喜の一撃』を放ちました。
阪神ファンにとっては、
昨年の金本に続いて、
忘れられない男の引退ですね。
西武では石井一久が引退しました。
日米をまたにかけた活躍。
ヤクルトがVを飾った97年、
そして翌年の98年あたりが、
彼の全盛期だった気がしますね。
確か96年にはノーヒットノーランを達成しましたが、
そのあたりのピッチングはすごかった。
特にスライダーのキレは抜群でした。
海を渡ってドジャーズに入団してからは、
なんとなく影の薄い存在になって、
活躍したという記憶はあまりありません。
唯一思い出すのは、
ピッチャーライナーが顔面を直撃したシーン。
背筋が凍りました。
晩年は西武で、
『余生を過ごす』ような往年の面影は感じられないピッチングを披露してくれましたが、
その高い経験値を若手に『コソッと』アドバイスしてくれていたのは嬉しい事でしたね。
中日では、
長く現役を続けた山崎がついに引退。
ホームランバッターとして活躍し、
沈んだ時期を経て楽天に移籍。
そこで『野村再生工場』で学んで見事に復活した姿が印象的でした。
最後は古巣の中日で過ごし、
まさに『現役生活を全うした』
といったところでしょう。
心からの【お疲れ様】を送りたい選手ですね。
ロッテの小野、薮田も、
ロッテファンにとっては忘れられない選手でしょう。
横浜DeNAでは”キャラの立つ”森本稀哲が、
日本ハムでは二岡が、
戦力外の通告を受けました。
巨人のいぶし銀、古城もきちんと引退試合をしての最後。
良かったと思います。
巨人では、
有り余る才能をついに生かし切れなかったかつての甲子園のヒーローにしてドラ1の辻内が引退。
『気持ちの優しさが不安材料』とプロ入りに際して言われていましたが、
甲子園で見た155キロの剛球は、
忘れることが出来ません。
今年もたくさんの『去る人』が出たプロ野球界。
実力の世界であるので仕方がないことですが、
何とも言えない寂寥感を感じてしまう季節です。
とはいっても、
10月24日には今年のドラフト会議も開かれます。
『去る人』がいれば、
その数だけ『来る人』もいるわけで、
それが毎年行われるプロ野球の『新陳代謝』ってことですね。
トライアウトを受ける選手は、
最後のチャンスだと思って頑張ってください。
『引退』をファンや球団に惜しまれるような、
そんな自分自身で納得できる野球人生を、
送ってもらいたいと思います。
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