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第97回全国高校野球選手権大会  予選展望Vol2 ≪関東1≫

2015年06月21日 | 高校野球

≪第96回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望2 関東(1) -





【茨城】(参加100校)  
新ライバル物語を紡ぐか、常総学院と明秀日立。初出場を狙う霞ヶ浦が、そうはさせじと牙を研ぐ。

◎ 常総学院  
〇 明秀日立
△ 霞ヶ浦  
▲ 石岡一 土浦湖北 藤代 つくば国際 

昨夏まで、茨城県大会のハイライトといえば2強であった常総学院と霞ヶ浦のつばぜり合い。両校一歩も譲らぬ中での戦いは毎年熾烈を極めたが、結局常総学院は一度も霞ヶ浦に道を譲ることなく、県大会を駆け抜けていった。そのライバル物語が、形を変えてくるような今年の大会になりそうだ。常総学院は今春の選抜8強。その戦い方は【ニュー常総】をアピールするような素晴らしいもので、佐々木監督の下、3度目の全国制覇への道を歩きはじめた感じだ。そしてそのライバルには、霞ケ浦を押しのけて明秀日立が名乗りを上げてきた。八戸学院光星(青森)を全国の強豪に育て上げた金沢監督がチームを率いて3年目。いよいよ今年は、勝負をかける最初の年になりそうな気配だ。秋・春ともに決勝で常総学院の軍門に下ったが、確実に力の差は縮まってきており、いつ『盟主交代』の瞬間が訪れても驚きはない。チームの戦い方は、継投と機動力。この戦い方の基本も常総学院と同じで、ようは『どちらのチームの質が高いのか』というところがカギ。迎え撃つ常総学院は、センバツでセンセーションを巻き起こした硬軟自在の攻めに、また一つ新しいピースが加わった。1年生で2番を任せられる新戦力、陶山だ。この加入によって、その機動力野球にはますます磨きがかかり、他を寄せ付けない攻撃力となった。エース鈴木に菅原の投手陣もレベルアップ。やはり今年に関して言うと、明秀日立との間にはまだ若干の差がある感じで、常総の春夏連続の甲子園出場の可能性は高い。『常総のライバル』の地位を脅かされている霞ヶ浦は、『今年こそは』と言っているうちに新しいライバルチームが出てきてしまった。昨年のチームと比較すると、投攻守それぞれで一つずつ何か物足りない戦力。悲願の初出場を手にするには、チームでの盛り上がりによるプラスアルファの力が必要か。そのほかでは、石岡一の投手陣の安定感が光る。3枚そろえる投手力は、上位の戦いとなった時に力を発揮するはずだ。つくば国際の福田、土浦湖北の大関らも大物食いを狙っており、昨年の代表・藤代は今年もノーマークだが『こういうときほど力を発揮する』チームだけに侮れない。



【栃木】(参加62校) 
スキなし強打・作新。5連覇を狙う戦力充実。

◎ 作新学院
〇 佐野日大 国学院栃木
△ 白鴎大足利 青藍泰斗
▲ 文星芸大付 矢板中央 宇都宮商 宇都宮南

昨年まで4連覇を達成した作新学院。それまで夏の大会を苦手にしていて、30年も夏の出場がなかったのが信じられないほど、夏の大会に力を発揮するチームに変身した。その要因は若き名将・小針監督の積極的なチーム作りにあるのは明白だが、今年のチームも昨年まで以上に積極的な攻撃を仕掛ける攻撃型のチームで、素晴らしい攻撃力を誇る。赤木、添田、森田の中軸に、春はほとんど出番のなかった元祖4番の朝山が加われば、【関東屈指】と言われる攻撃力がさらにアップする。投手陣は、こちらも元祖エースの朝山がほとんど出なかったにもかかわらず、倉井・宮下・有田らの継投にめどが付き、かなり失点を防げるようになった。『朝山は果たして帰ってくるのか?』というのがファンや関係者の注目点だが、朝山が万全の状態でチームに帰ってくれば、まさに鬼に金棒の状態で全国制覇すら視野に入ってくるほどの戦力と見る。追いかけるの勢力では、ここ数年作新とつばぜり合いを続けている佐野日大が一番手。昨年の田嶋のような大黒柱はいないものの、恵まれた環境ではぐくまれた高い野球力はさすがにレベルが高く、作新とがっぷり四つに組んで戦える県内唯一のチームであると考えられる。昨春の選抜4強のメンバーが6人チームに残っているのは心強い。五十幡の『超音速スピード』にも大注目だ。春準優勝の国学院栃木は、00年センバツ以来の甲子園をもくろむ。矢口・渡辺の中軸に枚数の揃った投手陣で勝負をかけたい。昨春の選抜出場経験のある白鴎大足利は、甲子園を狙うには全体にレベルアップが必要。青藍泰斗は、佐野日大を下した春の大会の戦いぶりは見事だった。秋優勝の宇都宮南は、故障中のエース宮川の復活待ちか。このところ甲子園に縁のない文星芸大付は、下級生中心の構成で波乱を演出できるか。




【群馬】(参加67校)  
今年のレベルも関東屈指。ハイレベルの戦いを制すのは、健大高崎か、前橋育英か、それとも桐生第一か。

◎ 健大高崎
〇 前橋育英 桐生第一 
△ 高崎商 伊勢崎清明
▲ 樹徳 前橋商 

3年前の健大高崎の選抜4強入りから、県勢の活躍はすさまじいものがある。翌年夏は前橋育英が全国制覇を達成。昨年春は桐生第一が8強入りしたと思えば、夏も健大高崎が8強入り。そして今年も、健大高崎が選抜で8強入りした。今や群馬代表は、甲子園での上位が当たり前の時代になってきた。そしてこの群馬は、強豪と言われるチームがいずれも特徴的なチームカラーを持っており、県大会は本当に面白い大会となっている。そんな中、今年も本命に挙げられるのは”機動破壊”の健大高崎。選抜では8強で東海大四にまさかの完封負けを喫したものの、その野球力の高さはまた全国のファンをうならせた。エース川井に柴引、柘植の強打。そして全員が次の塁を狙い続けるアグレッシブな走塁。対戦校を震え上がらせるチーム力は健在だ。その健大高崎に待ったをかけたいのが、一昨年の全国制覇校である前橋育英だ。秋準優勝、春優勝の安定した戦績の原動力はエースの久保田。前エース高橋よりも若干小粒だが、安定感は引けを取らない。『育英のマウンド』を死守する姿は、一昨年の高橋そっくりだ。打線もかなり一昨年のチームに近づいてきたようで、荒井監督は『今年は期待できる』と2年ぶりの聖地帰還に自信ありげだ。そして最も動向が気になるのは、昨春の選抜で、レギュラー9人中8人が2年生ながら見事な戦いぶりを見せ8強入りを飾った桐生第一。『桐生第一の時代』と言われつつ、その後全く音沙汰なしだったこのチームの動向が、なんとも気になる。速球の球速を巧みに変えて打ち取るエース山田は打っても中軸でチームを引っ張る存在。戦力的には十分に優勝に値するが、このところ健大高崎に全く勝てていない点が気にかかる。相性の悪さを、最後の夏にも引っ張らなければいいが。いずれにしても、この3強はどこが甲子園に行っても8強以上を十分に狙える戦力を持つ好チームだ。3強以外の出番は残念ながら考えるのは難しいが、強いて言えば『大物食い』の異名を持つ伊勢崎清明が面白い。今春も健大高崎とは互角の戦いをしており、健大高崎と最も相性がいいのがこの伊勢崎清明。臆せず戦うことができ、健大高崎にとっては最も嫌な相手だろう。県立の名門・高崎商と前橋商は、3年前に監督のスイッチで話題を呼んだ後は全く話題に上らなくなってきた。それ以降ものすごい勢いで3強が勢力を伸ばしてきたからに他ならないが、何とかしてこのあたりでこの流れにくさびを打ち込みたいところだ。かつてとは全く違うレベルでの戦いとなる群馬の夏。果たして今年は、3強の中からどこが飛び出してくるのか。全国的にも注目度の高い大会である。




【埼玉】(参加156校)  
圧倒的戦力の浦和学院の狙いは全国制覇。県大会で、躓いている場合ではない。

◎ 浦和学院
〇 川越東 聖望学園
△ 春日部共栄 埼玉栄 花咲徳栄
▲ 市川越 聖徳大深谷 

今年のチームの公式戦で、浦和学院が喫した敗戦は2度。昨秋明治神宮大会決勝の仙台育英戦と、選抜準決勝の東海大四戦だけだ。秋春の県大会、関東大会は軽々と連覇し、『簡単には負けない』力を見せているこのチーム、悔しさをもって夏に臨める分だけ、一昨年のチームよりも期待は大きいかもしれない。浦和学院の唯一のウィークポイントは、『自分のペースの試合にならなかった時の試合の中における修正力』であることに他ならない。言い換えれば、『まさかの負け』さえなければ、浦和学院は大阪桐蔭などと並んで『常時甲子園の優勝候補』に名前を連ねるチームに他ならないのだ。今春の選抜でも、初戦の龍谷大平安戦、そして準々決勝の県岐阜商戦で見せた『強豪との試合ぶり』では、浦学野球の真骨頂を見せた。選抜後の春の関東大会でも、『ガチンコNO1決戦』と言われた東海大相模戦で、凄味のある攻守を見せた完勝。今や浦学は、『強者とのガチンコ対決』には自信を持っている。それゆえ、この浦和学院が県大会で苦戦する可能性があるのは、対抗馬など力のあるチームとの対戦ではなく、ダークホースなどを相手に、ふっと気を抜いてしまった時じゃないのか・・・・などと考えられるが、いずれにしても『その瞬間』は容易にはやってこないだろう。攻守に盤石な浦学から大きく遅れる2番手組のトップを走るのは、秋春ともに県大会準優勝の川越東か。エース高橋の左腕は安定感抜群で、何とか浦学に一泡吹かせたいところであろう。聖望学園も、戦力的には十分に甲子園を狙える戦力だが、浦学という立ちはだかる大きな壁に阻まれる年が続く。『勝負の夏』にするためには、もう少し打線の奮起が必要か。常連の花咲徳栄は、もちろんV候補の一角に名前があがる。昨夏準Vの市川越は、昨夏同様大会の波に乗りたいところだ。そして若生監督就任で勢いに乗る埼玉栄が、どこまで差を詰めて夏に臨むのか。注目だ。


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