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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

技巧派下手投げ投手の限界?!

2015年06月24日 | プロ野球

プロ野球は交流戦が終了。
週末からペナントレースに戻りました。


セ・リーグは巨人とDeNAの好調だった両チームの負けが込んで、
混戦に拍車がかかっていますね。
それにしてもDeNAは、
昨日連敗が12で止まって、良かったですね。

憔悴しきっている感じだった中畑監督も、
なんだかホッとした様子でした。

一方パ・リーグ。

SBが交流戦明けの首位決戦で、
日ハムを3タテ。
昨日も西武を破り、
一気に独走態勢を築きそうな気配が漂ってきました。

やはり上位下位ともに迫力満点の打線に、
リリーフ投手陣の充実は他の追随を許さない感じですね。


そんな中、
今年は打線の踏ん張りでここまでいい戦いを見せている埼玉西武。

昨日その戦いを見て、
ふと思ったことがあります。

というよりも、
ずっと感じていたという方が的確かな。

それは西武の牧田投手のこと。

今年エース岸が開幕前に戦線を離脱したことで、
牧田は開幕投手に繰り上がり。
そしてここで好投を見せると、
勢いに乗って4月と5月前半は好投を見せてくれました。

しかしながら、
6月を前にすると全く勝てなくなり、
ここのところ荒れたピッチングになってきている感じです。


牧田のピッチングを普段あまり見ない人にとっては、
『防御率もいいし、好投しても打線の援護に恵まれない投手』
に見えるようですが、
ワタシの見方は違います。

そして解説をしている”ライオンズ番”の解説者たちも、
そう思っているような人が多いと感じます。

それは、
『牧田は試合のポイントを外してしまう、勝てない投手』
というもの。

『2点に抑えているのに、味方が1点しかとってくれない』
ではなく、
『1点勝負の投手戦で味方が点を取ったすぐ後に、相手に点を与えてしまう』
という様な事が多く、
『5点取ったら6点やってしまう』
という様な投手だということ。

そして、
試合展開の中で、
『ここは抑えてほしい』
という様な所でことごとく”はずして”しまい、
味方を萎えさせるようなピッチングを行ってしまう・・・・・・・・・
そんなことを感じざるを得ないんです。

そしてそれは、
なにも今年に始まったことではなく、
昨年、いや、一昨年ぐらいからそうだったような感じですかね。


防御率は2点台、あるいは3点そこそこなのに、
2013年、2014年共に8勝9敗、
そして今年が4勝5敗と、
ローテを守り続けているのに二ケタには届かず、
そして負け越しが続いているのです。


最近は、
彼を見ているとつくづく、
『アンダースローの技巧派がプロで成功するのって、本当に難しい』
と思ったりもしています。

我々が子供の頃は、
各チームにアンダースロー(あるいはサイドスロー)のピッチャーが一人や二人、
必ず在籍していたものです。

そしてそんな投手がいると、
投手陣が何だかバラエティーに富んだ布陣になるなあ・・・・・・
というように見えていました。

代表的なところでは、
阪急の山田投手、足立投手、
ヤクルトの会田投手とか、
巨人の渡辺投手、
広島の金城投手なんていうのも、
懐かしいアンダースローピッチャーですね。

西武でも”兄やん”で親しまれた松沼博久投手がいました。

しかし平成に入った頃からは、
アンダースロー投手はどんどん減っていって、
今や絶滅寸前にまでなっている感じがします。

ピッチャーとしての動きでも、
『不自然な動き』
にならざるを得ないアンダースロー。

高校野球の指導者の中にも、
アンダースローを作る人が少なくなっているというのも、
一因かもしれません。

オーバースローに比べて、
足腰の強さがよりなければいけないというのも、
原因の一つかもしれませんね。

そしてもちろん、
相対的に昔に比べて、
アンダースローには有利と言われる左バッターが増えたというのも、
一因でしょう。

今や牧田が投げる試合は、
相手打線には少なくとも4,5人の左打者が並びますもんね。
下手したら7,8人並ぶことすらあります。

左打者にしたら、
見やすい下手からボールが来るアンダースローピッチャーは、
やはり得意でしょうからね。


特に技巧派の場合、
ボールの高低と左右を上手く使い分け、
打者を打ち取っていくので、
不利は否めませんね。


それでも牧田の場合、
ルーキーの年は途中から抑えに回り5勝22Sをあげ、
チームの上位進出に大いに貢献しました。

そしてその勢いをかって、
先発に再転向した2012年には13勝。

だが、
そこからは前述したとおりの、
『なんとも言えないが、苦難の道』
を歩いている感じです。


球界にアンダースローがほとんどいないので、
殊更交流戦などでは、
牧田が出てくると『難攻不落のアンダースロー』みたいな言い方をされて、
実像以上に『大きく』見せられてしまっているのですが、
今現在は『なかなか勝てない投手』というのが彼の『実像』なんだと思います。


思えば元ロッテの渡辺俊介も、
そんな感じでしたね。

2003年のブレークからしばらくは好投を続け、
2005年の日本一に大きく貢献。

アンダースローからの『遅い球を早く見せる術』は見事と称され、
WBCの日本代表としても活躍を果たしました。

彼の投球もまた『難攻不落』というイメージがありましたが、
やはり活躍した年は限られていて、
長きにわたり安定した・・・・・・・という成績ではない感じがします。


やっぱりアンダースローの技巧派というのは、
今の野球では成功しにくいんだなあ・・・・・ということを、
感じてしまいます。

渡辺にしても牧田にしても、
致命的に左打者に弱いという特徴とともに、

・下半身に疲れがたまると、どうしても棒球が多くなり抑えきれない。
・最初は珍しいので打者も面食らう部分があり好投できるが、数年たつとビッチリと対策を立てられてしまう。

などの要因で、
長く活躍できないのかなあと、
感じざるを得ません。

現在『選手会長』というチームのある意味重責を担い、
チームの柱の一人としての活躍を期待されている牧田投手ですが、
現状というよりも、
これから選手として、
どうやってプロで長く活躍するかという岐路に立っている、
そんな気がしてなりません。


やっぱり、
”アンダースロー技巧派の限界”
感じざるを得ない、
昨日の観戦でした。



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