プロ野球は交流戦が終了。
週末からペナントレースに戻りました。
セ・リーグは巨人とDeNAの好調だった両チームの負けが込んで、
混戦に拍車がかかっていますね。
それにしてもDeNAは、
昨日連敗が12で止まって、良かったですね。
憔悴しきっている感じだった中畑監督も、
なんだかホッとした様子でした。
一方パ・リーグ。
SBが交流戦明けの首位決戦で、
日ハムを3タテ。
昨日も西武を破り、
一気に独走態勢を築きそうな気配が漂ってきました。
やはり上位下位ともに迫力満点の打線に、
リリーフ投手陣の充実は他の追随を許さない感じですね。
そんな中、
今年は打線の踏ん張りでここまでいい戦いを見せている埼玉西武。
昨日その戦いを見て、
ふと思ったことがあります。
というよりも、
ずっと感じていたという方が的確かな。
それは西武の牧田投手のこと。
今年エース岸が開幕前に戦線を離脱したことで、
牧田は開幕投手に繰り上がり。
そしてここで好投を見せると、
勢いに乗って4月と5月前半は好投を見せてくれました。
しかしながら、
6月を前にすると全く勝てなくなり、
ここのところ荒れたピッチングになってきている感じです。
牧田のピッチングを普段あまり見ない人にとっては、
『防御率もいいし、好投しても打線の援護に恵まれない投手』
に見えるようですが、
ワタシの見方は違います。
そして解説をしている”ライオンズ番”の解説者たちも、
そう思っているような人が多いと感じます。
それは、
『牧田は試合のポイントを外してしまう、勝てない投手』
というもの。
『2点に抑えているのに、味方が1点しかとってくれない』
ではなく、
『1点勝負の投手戦で味方が点を取ったすぐ後に、相手に点を与えてしまう』
という様な事が多く、
『5点取ったら6点やってしまう』
という様な投手だということ。
そして、
試合展開の中で、
『ここは抑えてほしい』
という様な所でことごとく”はずして”しまい、
味方を萎えさせるようなピッチングを行ってしまう・・・・・・・・・
そんなことを感じざるを得ないんです。
そしてそれは、
なにも今年に始まったことではなく、
昨年、いや、一昨年ぐらいからそうだったような感じですかね。
防御率は2点台、あるいは3点そこそこなのに、
2013年、2014年共に8勝9敗、
そして今年が4勝5敗と、
ローテを守り続けているのに二ケタには届かず、
そして負け越しが続いているのです。
最近は、
彼を見ているとつくづく、
『アンダースローの技巧派がプロで成功するのって、本当に難しい』
と思ったりもしています。
我々が子供の頃は、
各チームにアンダースロー(あるいはサイドスロー)のピッチャーが一人や二人、
必ず在籍していたものです。
そしてそんな投手がいると、
投手陣が何だかバラエティーに富んだ布陣になるなあ・・・・・・
というように見えていました。
代表的なところでは、
阪急の山田投手、足立投手、
ヤクルトの会田投手とか、
巨人の渡辺投手、
広島の金城投手なんていうのも、
懐かしいアンダースローピッチャーですね。
西武でも”兄やん”で親しまれた松沼博久投手がいました。
しかし平成に入った頃からは、
アンダースロー投手はどんどん減っていって、
今や絶滅寸前にまでなっている感じがします。
ピッチャーとしての動きでも、
『不自然な動き』
にならざるを得ないアンダースロー。
高校野球の指導者の中にも、
アンダースローを作る人が少なくなっているというのも、
一因かもしれません。
オーバースローに比べて、
足腰の強さがよりなければいけないというのも、
原因の一つかもしれませんね。
そしてもちろん、
相対的に昔に比べて、
アンダースローには有利と言われる左バッターが増えたというのも、
一因でしょう。
今や牧田が投げる試合は、
相手打線には少なくとも4,5人の左打者が並びますもんね。
下手したら7,8人並ぶことすらあります。
左打者にしたら、
見やすい下手からボールが来るアンダースローピッチャーは、
やはり得意でしょうからね。
特に技巧派の場合、
ボールの高低と左右を上手く使い分け、
打者を打ち取っていくので、
不利は否めませんね。
それでも牧田の場合、
ルーキーの年は途中から抑えに回り5勝22Sをあげ、
チームの上位進出に大いに貢献しました。
そしてその勢いをかって、
先発に再転向した2012年には13勝。
だが、
そこからは前述したとおりの、
『なんとも言えないが、苦難の道』
を歩いている感じです。
球界にアンダースローがほとんどいないので、
殊更交流戦などでは、
牧田が出てくると『難攻不落のアンダースロー』みたいな言い方をされて、
実像以上に『大きく』見せられてしまっているのですが、
今現在は『なかなか勝てない投手』というのが彼の『実像』なんだと思います。
思えば元ロッテの渡辺俊介も、
そんな感じでしたね。
2003年のブレークからしばらくは好投を続け、
2005年の日本一に大きく貢献。
アンダースローからの『遅い球を早く見せる術』は見事と称され、
WBCの日本代表としても活躍を果たしました。
彼の投球もまた『難攻不落』というイメージがありましたが、
やはり活躍した年は限られていて、
長きにわたり安定した・・・・・・・という成績ではない感じがします。
やっぱりアンダースローの技巧派というのは、
今の野球では成功しにくいんだなあ・・・・・ということを、
感じてしまいます。
渡辺にしても牧田にしても、
致命的に左打者に弱いという特徴とともに、
・下半身に疲れがたまると、どうしても棒球が多くなり抑えきれない。
・最初は珍しいので打者も面食らう部分があり好投できるが、数年たつとビッチリと対策を立てられてしまう。
などの要因で、
長く活躍できないのかなあと、
感じざるを得ません。
現在『選手会長』というチームのある意味重責を担い、
チームの柱の一人としての活躍を期待されている牧田投手ですが、
現状というよりも、
これから選手として、
どうやってプロで長く活躍するかという岐路に立っている、
そんな気がしてなりません。
やっぱり、
”アンダースロー技巧派の限界”
感じざるを得ない、
昨日の観戦でした。