さあ、今年も始まります。第99回全国高校野球選手権大会各地方大会が、いよいよ開始です。
99という数字、なんだか特別な響きがありますね。
100という数字への、まさにカウントダウンの数字、いいですねえ。
キラキラ感がありますね。
そして今年は、3年間高校野球の世界に話題をふりまき続けてくれた、
早実・清宮選手が最後の夏を迎えるという特別な夏です。
今年の大会のキャッチフレーズは『じぶん史上最高の夏』です。
さあ、”暑い夏”を”熱い夏”に代えて、
自分の野球の歴史の中に、
サイコーの1ページを刻んでください。
さあ、
49代表校を目指し、
熱き戦いが始まります。
今年も昨年に続き南から展望します。
全国のトップを切って予選が開始された、沖縄を含む南九州です。
≪第99回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望1 南九州 -
【大分】(参加44校)
明豊・大分商が2強を形成も、定岡監督率いる柳ヶ浦には、剛腕がいる。
◎ 明豊
〇 大分商 柳ヶ浦
△ 杵築 大分
▲ 大分舞鶴 国際情報 佐伯豊南 日本文理大付
今年のこれまでの戦いぶりを見ると、本命・明豊、対抗・大分商で間違いなさそうだが、そこに元南海・定岡監督率いる名門・柳ヶ浦がどこまで割り込んでいけるかが焦点になりそうだ。明豊は投打ともに安定感抜群なのだが、どうも県外の試合に出るともろさを出してしまう。エース橋詰は好投手。サイドからの速球を武器に、県内では絶対の自信を持っている。第1シードで臨む夏で、2年ぶりの覇権を狙っている。一方の大分商。県選手権を含めて常に明豊と”決戦”を戦ってきた大分商は、最後の夏での逆転に虎視眈々。秋の九州大会で興南(沖縄)に大勝した打線の破壊力は県内随一。投手を含めた守りに不安を抱えるが、実力的にはむしろ明豊を上回るとの見方も。その2強が軸になりそうだが、割って入りそうなのが柳ヶ浦。エース田中は140キロ台後半の速球が武器で、2強に十分対抗できる力を持っている。やや打線が2強に比べるとひ弱という気もするが、夏は守りを軸に名門復活を狙っている。3チームに続くのは、
安定した戦いぶりで上位進出の常連である杵築と、昨年代表の大分か。杵築は継投を軸にロースコアのゲームで勝負したい。大分は春4強入りを果たし、今年も昨年同様、夏には仕上げてきそう。そのほかでは大分舞鶴や国際情報、そしてあの八重山商工を率いた名物男・伊志嶺監督に率いられた日本文理大付属などの戦い方にも注目が集まる。
【宮崎】(参加49校)
”あの夏”以来の熱い夏へ。延岡学園が戦力充実。春制覇の日南学園も、連覇狙いコンディションあげる。
◎ 延岡学園 日南学園
〇 宮崎南 鵬翔
△ 都城商 宮崎日大
▲ 聖心ウルスラ 日向学院 日章学園 高千穂
例年以上の大混戦の予想。『終わってみたら・・』という、夏の大会で波に乗ったチームが勝ちあがる可能性が大で、波乱も十分に予想できるが、そんな中本命に上がるのが延岡学園と日南学園の両雄。延岡学園は13年夏に甲子園準優勝という輝かしい実績を残しながら、その後は甲子園の土を踏めていないという苦難の連続。しかし重本監督は、今年のチームには自信をうかがわせている。最後の夏に向けてエース藤谷が力を伸ばしてきたというのが、監督の自信の源だ。”あの夏”はエースを欠きながら3人の継投で見事に勝ち上がっていった。その経験もあり、延岡学園が勝ち上がるには、2番手・3番手のピッチャーが力をあげる必要があるが、そのメドもどうやら立ってきた様子で、本命の座をゆるぎないものにしている。連覇を狙う日南学園は、春の県大会で優勝。例年通り、3枚そろえている投手陣に厚みを感じさせ、つながりのある打線は得点能力が高い。連戦になった時の戦い方を知っているチームで、延岡学園に引けを取るところはない、と自信をもって言い切っている。春決勝まで進出の宮崎南は、突出した能力の高さはないが、試合に強いしぶといチーム。劣勢になった時に救世主が現れれば、久しぶりの夏を狙えるところまできた。鵬翔は秋の覇者。逆転、また逆転で勝ち上がった秋の大会の再現がなれば、上位進出も。安定した力を発揮する都城商はエース森を擁し、秋春ともに敗れた4強の壁を破り優勝まで駆け上がるつもりだ。その力はある。宮崎日大は複数枚揃う投手陣がチームの看板。聖心ウルスラ、日向学院、日章学園に秋準優勝の高千穂あたりまでが覇権争いに絡む展開となるか。
【鹿児島】(参加78校)
神村学園・鹿児島実が宿命の対決。全国でも実力上位の2強の対決の行方はいかに?!
◎ 神村学園 鹿児島実
〇 樟南 鹿児島城西
△ れいめい 鹿屋中央 尚志館 大島
▲ 玉龍 鹿児島情報 鹿児島工
ここ数年続いていた『3強』の図式が崩れ、今年は完全に『2強』のライバル対決で雌雄を決する大会となりそうだ。その両雄とは神村学園と鹿児島実。選抜には代表を送り込めなかった鹿児島県だが、その後の春の九州大会では、選抜8強組3校を蹴散らし、鹿児島勢同士で決勝を戦った。優勝したのは強打の神村学園。神村学園は投手陣の層が厚い。九州大会では3本柱を交互に使い相手の失点を最小限に抑えた。打線も活発で、攻守にかなりレベルの高さが感じられるチームだ。一方の鹿実は、興南、日南学園の実力校に続き選抜帰りの福岡大大濠、秀岳館を連破。いずれの試合も失点を最小限にとどめる安定した戦いぶりが印象に残った。エース渡辺を中心に、投手陣は質・量ともに神村学園に全く引けを取らない。両雄の対決は、今年の地方大会のハイライトの一つと言っていいだろう。その両校が崩れるということは正直考えづらいが、追っていく学校にもチャンスがあるのが夏の大会。まずは『3強』から今年はずり落ちる形となっているのが連覇を狙う樟南。しかしここは例年夏には必ずチームを仕上げてくる伝統があり、まったく侮ることはできない。今年も打線の破壊力は一級品と言われ、投手陣の整備さえできれば優勝争いに顔を出してくるはずだ。鹿児島城西はNHK旗の大会で鹿実を破った実績があり、どこまで夏の覇権争いに加わってくるのか。秋優勝したのはれいめい。ここも長らく県内では強豪の位置にあるが、なかなか夏実績を残せていない。甲子園に手が届く位置にあるだけに、殻を破る何かがほしい。そのほかでは、近年甲子園の土を踏んだ鹿屋中央、尚志館、大島あたりが【夢よもう一度】と腕を鳴らしている。個人的には、玉龍の名前を、上位の戦いの中で聞いてみたい。
【沖縄】(参加63 校)
実力校が『4強』形成も、波乱の要素も十分にある。
◎ 沖縄尚学 興南
〇 美里工 美来工科
△ 八重山 嘉手納
▲ 浦添商 糸満
有力校がひしめき合い、今年もレベルの高い県大会になりそうな予感だ。今年はずばり『4強』が県内の高校野球を引っ張っている。春優勝の沖縄尚学に秋優勝の美来工科、秋準優勝の興南に春準優勝の美里工、この4チームが優勝に近い位置に座り、『代表一番乗り』を狙っている。すでに沖縄大会は火ぶたが切られており、注目の好投手・平良を擁する八重山商工は既に敗れ去り、名門・沖縄水産は今年も『早い夏の終わり』を迎えてしまった。これらの学校については、残念ながら除外して展望を行う。4強の中では、やや沖縄尚学がリードか。河野・岡留らの投手陣はいずれも速球に力があり、力で勝負できるタイプ。春の九州大会では秀岳館に終盤逆転で敗れたものの、強豪に対しても十分に対峙していけるという自信を得た。打線は相変わらず力と技を組み合わせた得点力の高さを誇り、県内屈指と言ってもいい。対する名門の興南は、2枚看板の投手陣に1年生の宮城が加わり、勝ち抜ける体制は整った。あとは興南らしいつながる攻撃力が機能するか。美里工は神谷監督就任で一気に実力が加速して数年。県内の名門に座るには、この夏どうしても甲子園の土を踏みたい。足を絡めた自在の攻撃力は、健大高崎をほうふつとさせる鋭さだ。美来工科は4強の中では最も甲子園から遠ざかっているチームだが、今年は安定した実力を発揮して、常にV争いに顔を出している。質の高い野球を目指しており、穴といった穴がない野球で、九州大会でも2勝を挙げた。さて、この4強の中から今年の優勝チームが出る可能性は極めて高いが、八重山、嘉手納と話題を集めるチームも多い。八重山はすでに初戦で沖縄水産を完膚なきまでに叩きのめして2回戦に進出している。黄金メンバーの最後の夏。狙いはもちろん、一つしかない。昨年に続き連続を狙う嘉手納は甲子園で見せた驚きの集中打が魅力。浦添商、糸満ら甲子園経験のある学校の巻き返しにも注目だ。