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第99回全国高校野球選手権大会 予選展望 第9回【北関東】

2017年07月02日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望9 北関東 -



【茨城】(参加98校)  
”1強”常総学院に異変。明秀日立と霞ケ浦が今年は2強を形成。経験値高い常磐大も優勝争いへ。

◎ 霞ヶ浦 明秀日立  
〇 常総学院 常磐大
△ 土浦日大 石岡一 土浦湖北 つくば秀英 
▲ 水戸商 水城 藤代

昨年の100校より2校減って98校で争う夏。常勝軍団として名をはせた常総学院が、今年は秋春とも実績を残せず、優勝争いのトップからは一歩引いた位置にいる。とは言っても必ず夏にはチーム力を上げてくるはず。だが、決め手を持つチームではないため、簡単に勝ち切れる大会とはならないはずで、対抗馬とした。陶山・宮里ら昨年履正社を破り8強入りした甲子園で中心的な役割を果たした選手も残るが、まだまだチームとして機能していない印象が強い。しかしルーキー右腕・岡本なども加わり投手陣が厚みを増したのは好材料。さて、その常総学院よりも一歩前に出る形で夏を迎えるのが、霞ケ浦と明秀日立。霞ヶ浦は相変わらず安定した戦いぶりが光る。秋春ともに準Vを飾り、関東大会でも8強入りして日大三と互角に打ち合った。チームは例年通り、投手を中心に総合力で勝負。2年ぶり2度目の夏は、手を伸ばせば届くところにある。一方青森・光星学院の名将、金沢監督を迎えて勝負をかけている明秀日立。今年は秋も春も県大会を制し、夏初制覇へ視界は良好。しかし、県大会は無難に制しているものの、関東大会での戦いぶりに不満が残る。県大会の力を全く出せず、秋は健大高崎に、春は作新学院に、まったく試合をさせてもらえずに初戦で完敗。そのあたりが、『夏大本命』と自信をもって推せないところ。投打に昨年ほどのスーパースターはいないが、力のある選手は揃っている。果たして初の夏をつかめるか。そしてかなり面白いと思わせてくれるのが、3年計画でチームを育ててきた常磐大。投打に切り札を持ち、選手の質は上位校に負けていない。しかもレギュラーが下級生時代から豊富な試合経験を持っているのも強み。果たして上位の厚い壁を破れるか。土浦日大は昨年小菅監督が就任し、名門に”木内メソッド”を叩き込んで復活を狙う。一昨年、昨年、そして今年と3年連続で春の大会4強以上と実績を残す名門進学校・石岡一は、今年も戦える態勢を整えて夏を迎えそう。全員野球が持ち味で、迫力がある。同じく春4強の土浦湖北は、常磐大に競り勝ったチーム力は魅力。つくば秀英に水戸商、藤代の常連組は上位を狙うに十分な戦力。



【栃木】(参加61校) 
ディフェンディングチャンピオン・作新学院は全国2連覇を狙う。

◎ 作新学院
〇 白鴎大足利 青藍泰斗  
△ 佐野日大 石橋 文星芸大付
▲ 国学院栃木 宇都宮工 小山 矢板中央

昨年の夏は、春まで音沙汰のなかった作新学院が、見事にチーム力をアップして6連覇。その勢いで全国制覇まで成し遂げる『思い出の夏』となった。すっかり自信をつけた作新学院は、昨年のメンバーがほとんど抜けて一新されてチームながら秋の関東大会を制覇。そして選抜でも1勝を上げ、あの秀岳館とも互角以上の勝負を繰り広げた。今年も春は県決勝で敗れたとはいえ、大本命の座は全く揺るがない。秋・選抜とエースの働きをした左腕・大関に加え、春は右腕の篠原が台頭。投の2本柱が出来上がり心強い。打線は相変わらずの振りの鋭さ。春の段階ではまだまだ粗さも目立ったが、夏は必ずきっちりと仕上げてくるはずで、7連覇は堅いのではないかとみている。一方追っていく一番手で面白いのは青藍泰斗。プロ注目のエース・石川に賭ける。ノーシードながら、まずまずの位置を引き当て、上位を狙う。作新との対決は準決勝の予定。一方春の県大会を制した白鴎大足利は、打線の力がかなりのもので、投手陣の安定感も光る。夏に向けて、作新を破るための”何か”がほしい。長く作新と県内2強を形成してきた佐野日大だが、思えば夏の甲子園からは7年も遠ざかっている。ずっと長く采配を振るった松本監督から、今年はOBで元阪神の麦倉監督が采配を振るう。思い切った采配を振るってくると、チームは活性化しそうだ。選抜で21世紀枠の候補になった石橋は、秋には初めての関東大会を経験。その勢いは春も衰えず4強進出。上位校にとって、厄介な存在となってきた。グラウンド・スタンド一体となった”全員野球”で、大金星を狙う。名門の文星芸大付と国学院栃木、宇都宮工は復活ののろしを上げられるのか。特に宇都宮工は、初戦の相手が作新学院。一発を狙って、”しかける”野球ができるか。



【群馬】(参加65校)  
前橋育英・健大高崎のライバル対決濃厚。全国制覇をも視野に入れる両校の激突は、熱く燃える。

◎ 前橋育英 健大高崎
〇 東農大二 桐生第一 高崎
△ 伊勢崎清明 樹徳 前橋工 常盤
▲ 前橋商 前橋工 前橋東 前橋

レベルの高い群馬大会。今年は選抜に2校出場し、いずれも全国で存在感を示した。そんな前橋育英と健大高崎の両校は、目標を全国制覇において日々レベルアップしているが、県大会でそのライバルを倒さない限り、目標への第一歩を記すことはできない。両校ともに『ライバルに負けてなるものか』の気迫がみなぎっている。前橋育英は、選抜で試合を壊す結果を残してしまった右腕・根岸がすっかり成長。背番号1を奪い取った。192センチの長身から投げ下ろす速球は一級品だ。そして根岸の成長によって、選抜で『大会屈指の左腕』との称号を得たエース丸山を抑えに回すことができ、投手陣のレベルは一段アップした。皆川・吉沢という昨夏も活躍した両輪も控え、他校のうらやむ豪華な投手陣だ。問題は打線の方か。4番飯島が骨折で戦線離脱したこともあり、好投手を攻略するには今一つという気もする。もともと正攻法で攻めるタイプだけに、『力負け』のリスクが常に付きまとう。一方健大高崎は、選抜でも見せた”機動破壊”ぶりに夏は磨きがかかった。こちらは攻撃に関しては特にいうことはなく、どんな相手からも足を絡めて4,5点は取れる計算が立つのが強み。一方若干弱点とされる投手陣は、サイドの伊藤を中心に細かくつないでいくが、どうしても前橋育英と比べると若干見劣りしてしまう。こう見ていくと、『投の前橋育英か、攻の健大高崎か』といういつもの図式となりそうだ。しかし健大高崎。この春も福岡県の招待大会で、強豪ぞろいの福岡県上位4校に圧巻の4連勝を飾り、全国レベルの大会での圧倒的な強さをまたも見せつけてくれた。前橋育英は13年の全国制覇以外ではなかなか全国レベルの大会で勝ち上がれないが、健大高崎の圧倒的な”外弁慶”ぶりは、県内野球ファンにとっては頼もしい限りだ。果たして今年の2強対決は、どうなるのか。その2強を追うのは、東農大二や桐生第一、樹徳などの強豪私学か、今季実績を残す名門”タカタカ”高崎や前橋勢、伊勢崎清明などの公立勢か。組み合わせの一番上と一番下にいつものように陣取る二強。決戦は、決勝の舞台だ。



【埼玉】(参加156校)  
埼玉の夏も、例年通りの2強対決。例年以上に力が突出した浦和学院と花咲徳栄。果たしてどちらに栄冠が輝くか?

◎ 浦和学院 花咲徳栄
〇 聖望学園 市川越
△ 春日部共栄 本庄一 埼玉栄 
▲ 浦和実 川越東 山村学園 武南 

毎年”お約束”だった『浦学の夏』。しかしここ3年は、いずれの大会でも本命に上げられながら、長い道のりの埼玉大会の途中でつまずき、一敗地にまみれてきた。その間隙をぬって這い上がり2年連続の聖地をつかんでいるのがライバルの花咲徳栄。今年もその2強が大会を引っ張るが、参加校が多い大会だけに、どこで波乱が演出されるかはわからず、若干波乱含みでもある。浦和学院は、3年連続で秋春の県大会を制している。まごうことなき≪埼玉の盟主≫だが、今年も戦力は整っている。メンバーには2年生、1年生が多く、『勝負は新チーム』とも言われているが、今年もこのメンバーで関東大会を制し、勢いに乗る。2年生エース佐野は、『浦学左腕エースの系譜』を継ぐ一級品の左腕。スケールの大きさはかつての須永や小島らをしのぎ、来年のドラフト指名は確実。思えば須永も小島も、高校時代一番輝いたのは2年生の時。そういう点を踏まえると、浦学も本当は『今年こそがチャンスの年』なのかもしれない。打線は例年ほど活発ではないが、戦い方をよく知っており、ポイントになるところでの集中力は高い。昨年は”高校四天王”のエース高橋で全国的に注目を集めた花咲徳栄だが、今年はやや小粒になった。しかしながらそこはさすがの強豪で、今年も秋春ともに県決勝に進出、関東大会にもコマを進めている。浦和学院との決勝の直接対決ではいずれもあと一歩での惜敗。そこを払しょくして”3年連続の夏”に歩を進められるか。昨年からマウンドに登るエース綱脇を、スケールの大きい清水が凌駕するほど成長し、投手力では浦和学院に引けは取らない。打線も昨年からの4番・清水がデンと控え、投打に太い軸があるのが特徴のチームだ。2強は力を出せば十分に取りこぼさないで決勝の舞台まで駆け上がる力を持つが、どこかで波乱が演出されるというのも埼玉大会の特徴。その波乱を狙う一番手は、なんといっても聖望学園。組み合わせからは準々決勝で浦和学院と対戦の予定。春の大会の直接対決では、9回2死までリードを奪い、最後もフライを打ち上げさせたがそれを野手が落球。同点に追いつかれて、逆転負けを食らった。しかし選手は逆に自信を持ち、やればできるという気持ちになっているのは大きい。2強を脅かす1番手という以上に、戦力的にも負けていないものを持ち逆転を狙っている。昨夏の大会で浦和学院を破ったエースメンデスを持つ市川越も有力校。春も対戦して好投を見せており、”浦学キラー”として名をはせる。もう少し分厚い打の援護があれば、十分に聖地まで届く左腕だ。春日部共栄は3年ぶりの夏を狙う。投打ともにこじんまりとした戦力だが、波に乗ると甲子園まで駆け上がる力はある。本庄一、埼玉栄は夏の戦いを知る強豪だけに目が離せない。浦和実、川越東、山村学園などは近年実績を残す学校だ。武南のエース布川には、プロのスカウトも注目している。



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