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第99回全国高校野球選手権大会 予選展望 第8回【南関東】

2017年07月01日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望8 関東(1) -


【千葉】(参加168校) 
昨年同様3強は木更津総合、東海大市原望洋、専大松戸だが、好投手が多く、有力な10数校が入り乱れる大激戦区だ。

◎ 専大松戸 木更津総合 東海大市原望洋
〇 習志野 千葉敬愛 市船橋
△ 検見川 中央学院 千葉経大付 成田
▲ 東京学館浦安 松戸国際 銚子商 千葉黎明

好投手が多く、各校が入り乱れて大激戦を繰り広げそうな気配だ。中心となるのは、ここ数シーズンで甲子園の土を踏む3校。木更津総合、専大松戸、東海大市原望洋だ。ここ数年ずっとこの3校は好投手を擁した守りの野球で県内トップレベルを維持しており、経験値からも今大会の”3強”と言って差し支えないだろう。春優勝の専大松戸は、エース川上が夏に向けて仕上がってきたのが心強い。関東大会では日大三と互角に打ち合い、打線は自信を深めた。2年連続を狙う木更津総合は、左腕エースの山下が昨年の早川並みの安定感を出してきて、勝負できる布陣になった。あとは昨年同様、ここという時に一本が出ない展開の時にどうしのいでいくかだ。キャプテンの峯村が最後の夏に爆発して、チームを引っ張り上げたい。選抜出場の東海大市原望洋は、エース金久保の状態がどうなのか。選抜で14イニングを投げた後、春のシーズンはずっとおやすみで、この夏どこまで投げることができるかがチームの浮沈を握る。もともとドラフト有力候補で、選抜でもその力を見せつけた大エースだけに、関係者は気が気ではないだろう。追っていく一番手には、甲子園に届きそうでなかなか届かない習志野を上げる。戦い方は熟知した野球脳の高いチームで、継投で失点を最小限に抑えることができれば、一気に浮上してくることも。春準優勝の千葉敬愛は、関東大会で東海大相模に木っ端みじんに叩き潰されたショックを払しょくできているか。市船橋は、昨夏準優勝メンバーがバッテリーを組み、今年は一歩上を狙う。春4強入りと気を吐いた検見川、秋準Vの中央学院ら『上位を知るチーム』の動向も気になるところ。千葉経大付、成田、銚子商らのかつての常連組も、今年はチャンスと狙いを頂点に定める。


【神奈川】(参加189校)   
再び全国一のマンモス大会に返り咲いた今年。大会の構図は、東海大相模vs横浜の2強対決で変わらず。

◎ 横浜
〇 東海大相模 
△ 慶応義塾 星槎国際樟南 桐光学園
▲ 平塚学園 桐蔭学園 横浜隼人 横浜創学館 

昨年愛知に『全国最大の大会』という座を奪われた神奈川大会。今年はわずか1校差ながらその座に返り咲き、今年も熱い激戦が繰り広げられる。しかしながら近年の傾向通り、今年も東海大相模と横浜の両雄の力が他校を圧しており、決勝での『宿命の対決』で雌雄を決する公算が、極めて高い。昨年は秋、春、そして夏と『県内三冠』を達成して無敗で甲子園をつかみ取った横浜だが、今年は秋も春も準優勝。そして続く関東大会ではいいところなくいずれも1勝した後に敗れているところから、そのチーム力を疑問視する向きもある。確かに昨年に比べるとチームが練れていない印象はあるが、それでも各選手の恐ろしいばかりの能力の高さには、驚かされる。今年は下級生中心の布陣だが、中心に座る3年生のスラッガー・増田、福永らを中心に、下級生の万波、長南らが並ぶ打線は全国屈指のレベルと言って差し支えないだろう。投手陣では柱に技巧派左腕の板川を配し、リリーフ陣も枚数豊富。スケールの大きさではどこにも引けを取らないチームだ。その横浜に挑戦状をたたきつけるのは、今年も東海大相模。東海大相模の場合、県内の大会よりも県外でのより大きな大会の方が力を発揮できる傾向があるため、期待は大きいチームだ。今年は春の県予選を制し、関東大会でも健大高崎、作新学院という選抜校を破り決勝進出。森下・門馬らが並ぶ打線は、横浜と比較するとスケールでは劣るものの、足も絡めることができ得点能力は高い。投手陣はエース安里が春にようやく復帰。春がんばった秋田、大和田らが台頭してきて、すっかり層が厚くなったのが心強いが、まだ完全に強豪を抑え切るだけのポテンシャルは感じられない。継投で目先を変えながら、横浜に挑む。この2強が圧倒しそうな感じではあるが、面白いチームは他にもある。その筆頭はエース本田を擁し県大会に殴り込みをかける星槎国際樟南。元桐蔭の土屋監督が指揮して3年。本田が本調子であれば、2強を脅かす存在になれそうだが、試合数の多い神奈川大会で、どうやって終盤まで調子を維持するのか。秋優勝の慶應義塾は、昨夏準Vのメンバーを中心に、投打に優勝できる力を持つ。エース森田と主砲・正木は、甲子園で見てみたいチームの”両輪”だ。秋春ともに4強入りしている桐光学園は、相変わらず神奈川のトーナメントを知り尽くしている、安定感のある戦いぶり。しかし常に2強の後塵を拝して、その厚い壁を突破できずにいる。今年も夏の本番での逆転は難しそうなメンバーだが、可能性があるとすれば『松井二世』との異名を持つ1年生左腕・富田がブレークした時か。毎年上位に顔を出す平塚学園、横浜隼人は、今年も虎視眈々と『2度目の聖地』を狙っている。しかし神奈川で夏の『2度目』をつかむのは、恐ろしいばかりに難しい。桐蔭学園も、上位の厚い壁に跳ね返され続けている。昨年のような無欲の戦い方ができれば浮上もあり得る。来年は100回大会を迎え、神奈川は『10年に1度』の2代表を甲子園に送り込める年。その来年に向かって、今年は下級生の出番も増えそうな気がする。



【山梨】(参加36校)  

東海大甲府1強の時代が終焉を迎え、2強時代が到来も山梨学院がリード。

◎ 山梨学院
〇 東海大甲府
△ 日本航空 駿台甲府
▲ 帝京三 甲府工 市川 日川 甲府商 

わずか36校の出場校と、関東では断トツに小規模な大会で、優勝争いはいつも4,5校に絞られる展開が多い。そんな中で、やはり『全国に目が向いている』東海大甲府と山梨学院の力が突出している。近年は東海大甲府がずっと優位だったものの、昨年夏に山梨学院がその”絶対王者”を破り甲子園をつかんで、図式は変化しつつある。山梨学院が今年は圧倒的に強く、秋春の県大会を連覇。しかし関東大会では結果を残すことができず、東海大甲府としても付け入るスキは十分にある感じだ。チームの自慢は昨年は打力だったが、今年は厚みのある投手力。昨年の甲子園経験もある栗尾、吉松らに加えて新戦力も台頭してきて、吉田監督をニンマリさせている。打線の破壊力も相変わらずで、県内の公式戦負け知らずで今年1年を駆け抜けるつもりだ。東海大甲府は『絶対』と言われた戦力を持ちながら昨夏敗れた後遺症が尾を引き、今年は県内で『負けっ放し』の悔しい1年を過ごしてきた。しかし昨年”1年生トリオ”と華々しく紹介されたポテンシャルの高い選手たちが冬、春を超えてたくましくなってきて、山梨学院を追撃する態勢は整った。3番手に上がるのは秋春4強を外さない日本航空か。新たなグラウンドを得て過ごしたこの1年。十分に練習量で臨む夏に、9年ぶりの聖地をつかみ取りたい。駿台甲府は春準優勝。初の甲子園へ、春見せたようなしぶとい戦い方で勝負。このほか強豪の帝京三は強打のチーム。伝統校の甲府工はもう10年以上甲子園の土を踏めていない。そろそろOBが黙っていない。日川、甲府商なども狙える戦力は持っている。




【東東京】(参加135校) 

レベル落ちて混沌の夏。帝京は、今年を逃すと後はないぐらいの気持ちで臨めるか。本命はやはり夏の戦い方を知る関東一。

◎ 関東一 
〇 帝京 二松学舎大付
△ 東亜学園 東京実 共栄学園 修徳 
▲ 日大豊山 朋優友学園 成立学園 日体大荏原 日本ウェルネス 小山台 高島 岩倉

昨年は秋、春の東京大会決勝を関東一vs二松学舎という同一カードで戦い、そのレベルの高さを見せつけた東東京地区。しかし今年は『お休みの年』という感じで、力を持った本命候補のいない大会となりそうだ。昨年は都内の大会で1年間無敗を誇った関東一だが、春夏とも出場した甲子園では全くその”強打”は機能せずに敗れ去ってしまった。『東京の強打』が必ずしも全国で通用することがないということを、強く印象付けられた年であった。今年はその昨年よりもさらに小粒になった打線に、ポテンシャルは高いがまだ孵化していないエース高橋という、本来なら厳しい戦いを余儀なくされそうな関東一。しかし今年の東東京。そんな関東一を追いかけるチームもまばらで、大激戦と言えば聞こえはいいが、まさに”どんぐりの背比べ”の大会という様相だ。一応第1シードに座るのは帝京。しかしかつて第1シードに座っていたころと比べるとその力の違いは歴然。打線は相変わらず強力なだけに、松沢・仁田らの投手陣が何とか夏を乗り切りたい。昨年の”プラチナメンバー”が卒業して、今年は一気に戦力ダウンとなった二松学舎だが、今年のレベルならばまだまだチャンスは十分に転がっている。3年前に悔しい歴史を打ち破り初の夏の甲子園をつかんだような勢いに乗れば、今年”2度目”があっても何ら不思議ではない。今年は正直、例年ならば『甲子園には届かないだろう』と思われる10数校にも、十分にチャンスが転がっている。昨夏準優勝の東亜学園に、東京実、共栄学園、朋優学園などは『チャンス』と張り切っているはず。修徳、日大豊山、成立学園などの今季実績のない実力校にもチャンスは転がり、都立勢も久しぶりの甲子園を狙える可能性がある。そういった意味では、とても面白い大会になる可能性はある。



【西東京】(参加128校) 

清宮フィーバーが大会の流れを決める。日大三との宿命の対決はあるのか。しかし言われているほどのハイレベルな大会ではない。

◎ 早稲田実 日大三
〇 東海大菅生   
△ 国士館 八王子 佼成学園 
▲ 日野 創価 駒大 国学院久我山  

何しろ昨年秋から、清宮フィーバーはとどまるところを知らない。行く先々で練習試合の結果は速報で配信されるほどの注目度は、正直恐ろしいほど。そして甲子園には関係のない≪春季高校野球東京都大会≫決勝で繰り広げられた日大三とのすさまじい打撃戦。何もかもがドラマチックなここまでの西東京高校野球界。各高校野球雑誌を見ても、この西東京大会での早実vs日大三の『宿命の対決』を真っ先に取り上げるものが多く、注目度は全国的にめちゃめちゃ高い。しかしながら、この両校の戦いぶりを見ていると、必ずしも『レベルの高い戦い』にはならないのではないか、そんな気もしている。秋の段階では『これはもう、全国レベルでも本当に上位の対戦のような感じだな』と感じていた両校、しかしセンバツ、その後の春の陣を見ていると、『そのチーム力を上げた』とはみられない。むしろ課題がそのまま残り、いや、むき出しになっているとさえ感じられる。早実は清宮・野村を中心とした打力、特に一度火が付くと止まらない連打は他校を圧倒する。しかしながら投手陣は時を経るごとに崩壊してきている感じで、春の都大会、関東大会や招待試合など相手が強豪になると、毎試合7,8点は覚悟しなければいけない状況に陥り、その打開策は打たれていない。もちろん一昨年の西東京大会やセンバツ、今年の秋春の都大会など、『投手陣が打たれまくっても、最後は早実が勝っている』ところに持ち込むのはさすがだが、『前半で相手に大量リードを許す』という展開さえ考えられるこの夏、果たして毎試合しのいでいけるのか。一方の日大三にも同じことがいえる。エース桜井はキレキレのスライダーなどを操る好投手に見えるも、やはり強豪との大事な試合ではことごとく崩れていってしまっている。正直秋季大会を見た時と比較して、コンディションは上がっているようには見えない。そして春季大会で2番手の岡部も故障で離脱させてしまい、はたで見ている以上に日大三は危機感いっぱいで夏を迎えるのではないか。それでも打線の力は並ではなく、『全国制覇を狙えるレベル』であることは間違いない。要するに、春の決勝と同じく、早実も日大三も、『ライバルには打ち勝たざるを得ない』状況だということだ。またあの派手な打ち合いが夏も再現されるのか。それとも、他校の軍門に下るというシーンを目撃するのか。『2強絶対』の図式を崩すの一番手には、『過去3年連続決勝敗退』という、トラウマになりそうな悔しさを味わってきた東海大菅生か。過去3年ともにエースを盛り立てて、ロースコアのゲームを取る戦いぶりが徹底されていたが、今年も投打のバランスでは2強を上回るものを見せる。小玉を軸に今年は継投で失点を防ぐが、信頼できる投手は5枚が揃い、自在の継投を見せる。昨夏悲願の初Vを達成した八王子は、昨年からの投の両輪、早乙女・米原ががっちりとマウンドを守る。打線も桜井を中心にまとまっており、昨夏の再現も可能か。国士館は秋、春ともに4強進出。永田監督が復帰して、戦い方に安定感が出てきた。移転する前の東大会に今年参戦していれば、間違いなく候補筆頭に上がる力を持ったチーム。佼成学園、日野、国学院久我山の『あと一歩組』は、打線に決め手を持っている。駒大のエース・吉田は左腕から切れの良い球を投げる。いずれにしても、早実は『大会の流れ』を観客も一体となって持っていく力を備えているところが、最大のアドバンテージ。日大三は、過去何度もその流れに翻弄して、一敗地にまみれてきた。今年もまた、『2強対決』になった場合は、実力が・・・ということではなく、その”流れを作り、持っていく力”がゲームを決める原動力になるような気もしている。


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