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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

選抜出場校 こんなこと思い出してしまいました2020 その6

2020年02月15日 | 高校野球

第6回は、
どのチームも本当に野球力の高い近畿地区です。
例年選抜の優勝争いは近畿地区のチームを中心に繰り広げられる近年ですが、


≪選抜出場校の思い出5≫

近畿代表   天理(奈良)   24度目(5年ぶり)   優勝1回
             夏28度出場  優勝2回  甲子園通算 75勝48敗   

天理が5年ぶりに選抜に帰ってきます。バイオレットのユニフォームに身を包み、『♪見よ空高く輝く光~』と歌い上げる校歌が天高くとどろき、幾多の名勝負を演出してきた学校です。奈良県ではライバルの智弁学園と長らく覇を競い合ってきましたが、ずっと「天理がNo1で智弁がNo2」という序列は変わることがありませんでした。しかし近年は天理が出場の自粛などを余儀なくされている間にライバルの智弁学園がグイッと力を伸ばし、その序列は逆転したかとみられることも多くなってきました。ライバルの智弁学園も数年前には全国制覇を達成。奈良では天理だけが持っていた勲章は、ライバルにもあるぞ・・・・そんな情勢で、しかも近年は2強で独占していた夏の出場も追いかけてくる新興勢力の急伸で揺らぎ始めています。ある意味そんな「追われるものの苦しさ」を十分に味わいながらの戦いとなり甲子園の出場もまばらになってきていましたが、昨秋の大会で県大会3位からの見事なまくりで近畿大会を制覇。履正社、大阪桐蔭という大阪、いや全国の2強を破っての栄冠だけに、久しぶりに天理の甲子園での大ブレークが期待されています。
天理の黄金時代と言えばいつなのか。思い出すのは2度の全国制覇を成し遂げた80年代後半~90年代にかけてがまず思い出されます。86年の制覇の時は主砲が現監督の中村、エースがひじの痛みを推して投げ続け栄冠に導いた本橋でした。本橋は準決勝ぐらいからは本当に辛そうで、現在の基準ではマウンドに上がることはできなかったと思いますが、その当時はこれが「本当のエースだ」と持ち上げられる時代。そのため投手生命を半ば絶たれる形になってしまいましたが、その時は「なんてすごい投手なんだろうか」とワタシも感動して見ていました。90年の2度目の優勝の時のエースは日ハムに入団したジャンボ南投手。この時はそれまでの天理によく見られた、大型チームにありがちな”強さに同居する脆さ”というものをほとんど見せずに優勝まで完璧に駆け上がったというイメージがありますね。決勝は沖縄水産との戦いで、自慢の打線が相手エースにほぼ完ぺきに抑え込まれる中、南が熱闘を続けそれをバックが堅い守備で守り切っての1-0での勝利。「天理らしからぬ」スモールベースボールでの勝利でした。この2度の栄冠+97年センバツの優勝という3度の輝かしい全国制覇がありますが、ワタシが一番印象に残っているのは、鈴木康、鈴木喜らの強力打線と”ジャンボマックス”佐藤や福家投手などの超大型投手を揃えて「力で押し切る野球」を推進していた時の天理ですね。とにかく選手が大型で、何か対戦相手よりも一回り大きな選手ばかりがそろっていて、おおざっぱではあったけど魅力あふれる野球を展開していたチームという印象が、どうしても抜けません。もちろん上でちょっと触れたような「脆さ」も同居していたのですが、子供心に野球の楽しさを教えてもらったような気のするチームでした。80年代~90年代の洗練された『黄金期の野球』からまた、近年は「大型チームの天理」に戻った野球をやっているような気がして、それはそれでワタシは楽しいのですけどね。それから忘れてはいけないのが、天理が元祖と言ってもいい、「ブラバンで魅せるアルプス」のチームだということ。「ワッショイ」や「ファンファーレ」は、今に続く高校野球の定番ですのでそれもお忘れなく。


近畿代表  大阪桐蔭(大阪)    11度目(2年ぶり) 優勝 3回
                    夏10度出場  優勝 5回  甲子園通算63勝12敗 

2年ぶりの大阪桐蔭の登場です。前回この記事を書いた時から、2度の優勝、11勝を積み重ねて重ねた優勝回数が春夏8度。通算勝利も63勝となって、まさにこの世の春を謳歌する『高校野球の盟主』そのものの学校です。高度情報化社会の今、インサイド情報をも手にした有力な中学生たちは、まさに我も我もと大阪桐蔭にはせ参じ、草木もなびくという状態になっていると聞き及びますので、この流れはしばらく続いていくと思います。萩原を皮切りに、中村剛、西岡、平田、辻内から中田、浅村、藤浪、森、そして根尾に藤原。。。。どれだけのプロ野球に名を残すスーパープレーヤーたちがここから旅立っていったことでしょうか。まさにチーム作り、人づくりに長けた名将・西谷監督はどこまでこのチームを高みにまで引き上げることでしょうか。今年もどんなチームが出来上がってくるのか。高校サッカーに青森山田ありだったら、高校野球には大阪桐蔭あり。そんな存在のチームですね。


前回の記事 ⇒

さあ、連覇を狙う大阪桐蔭の登場です。
昨年も一昨年も記事を書きましたので、思い出はそちらをご参照ください。
今年のチームは、昨年全国制覇を成し遂げたチームやこれまでの全国制覇のチーム以上の戦力と言われ、秋のドラフト指名候補が1位候補3,4人を含み5,6人もいて、【高校野球史上最高】とまで言われる陣容を誇ります。さて、どんな戦いぶりを見せるのか。とても楽しみですね。

昨年の記事⇒https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/025ae8447f2f17fe17754ff36d2552aa

 

 

近畿代表   履正社(大阪)     9度目(2年連続)  準優勝1回
                   夏3度出場  優勝1回  甲子園通算 22勝11敗    

大阪桐蔭と長らく「大阪2強」と言われていたものの、甲子園での戦績で大きく水をあけられていた履正社。選抜では17年に決勝で「大阪対決」となったもののライバルに敗れて涙をのみ、夏の大会の大阪府予選では連敗中。しかしそんなすべての『負の記憶』は、昨年の夏の全国制覇でかなり払拭できたのではないかと思っています。打線を中心にしながらポイントでは投手陣が踏ん張りを見せて掴んだ栄冠は、履正社のナイン、そして何より岡田監督に大きな自信を与えたのではないでしょうか。そしてここからが履正社の「新たな第2章」の始まりだと思います。今年も大阪桐蔭と呉越同舟での選抜出場。さて、このあたりでライバルに一つ土をつけるべく、腕を撫しているのではないでしょうか。昨夏の優勝メンバーもかなり残っている今年のチーム、期待値は高いのではないでしょうか。大阪桐蔭も甲子園で勝てない時期は長く、横浜や東海大相模、浦和学院などのチームも長いトンネルから抜けてすっかり戦い方が変わって甲子園でバンバン勝てるようになりました。一皮むけた履正社の戦い、大いに期待しています。


昨年の記事 ⇒

前回の選抜出場で見事に二度目の準優勝を飾った履正社。もうすっかり「全国高校野球の顔」として認識されていますが、その前に大きく立ちはだかっているのがご存知の大阪桐蔭。履正社としては、前回の準優勝はうれしかった反面決勝で敗れた相手が大阪桐蔭だったというところに、何か引っかかりもあるのではないでしょうか。大阪桐蔭はそこから昨年は春の選抜を連覇し、そして夏も勝って春夏連覇を達成。「最強伝説」にまた新たな1ページを付け加えました。しかし履正社も、黙ってみていたわけではありません。昨夏の大阪大会準決勝の大阪桐蔭との激闘は、「全国屈指の好カードとは、こんな激闘を生むんだな」という事を改めて認識させられ、この2強のレベルの高さにため息をついたものでした。ほぼ同じ時期に全国の舞台で活躍し始めたこのライバルがすでに甲子園63勝、なんと8回の全国制覇を成し遂げているのに対し、「実力的には決して劣っていない」と言われる履正社がまだ全国制覇を成し遂げておらず甲子園勝利数も16勝にとどまっているのは、関係者としては悔しい思いでしょう。今年はなんとしても初の全国制覇を成し遂げて、大阪桐蔭に肩を並べる第一歩としたいこの履正社の戦いに、注目してみたいと思っています。

前回の記事 ⇒

昨秋の明治神宮大会を制していち早く『全国制覇』を成し遂げた履正社。この選抜では、堂々『西の横綱』として、優勝候補筆頭の評価で大会に臨みます。今や山田哲人(ヤクルト)をはじめとしてプロ野球にもたくさんの人材を送り込む大阪の強豪。ライバルでもある大阪桐蔭が『高校野球の盟主』の座をがっちりとつかんでいるのと比較すると、同等の実力を持つとされるこの履正社の甲子園の実績は、まだまだ比較できるものではありません。しかし振り返ってみると、大阪桐蔭も西谷監督の時代は、実力はありながらなかなか甲子園で実績を積み重ねるところまで行くのには時間がかかりました。中村(西武)・岩田(阪神)のいたチームでは甲子園出場を逃し、西岡(阪神)擁するチームでは甲子園で初戦敗退。辻内(元巨人)平田(中日)中田(日ハム)らを擁した超絶なチームでも、頂点には届きませんでした。しかし浅村(西武)らがいたものの前評判はさほど高くなかった08年のチームで優勝を果たすと、あとは何かつかえていた栓が抜けたかのように、短い間で3度もの全国制覇を飾って、今や押しも押されぬNO1チームとなっています。
これを履正社に当てはめると、履正社はちょうど05年の大阪桐蔭のような段階なのかもしれません。一度全国制覇を経験したら、あとは常勝の名をほしいままにするチームに生まれ変わる可能性は、大きいのではないかと思っています。黙っていても『いつかはそうなる』とは思いますが、今年はその大チャンスの年なのかもしれませんね。ちょうど大阪桐蔭が、スーパースター中田で全国制覇を逃した翌年に、地味と言われたチームで西谷監督初の全国制覇に輝いたように、履正社も昨年のスーパースター、寺島投手で成し得なかった全国制覇に、そのポスト年である今年、挑んでいきます。
さて、履正社の甲子園での歴史は、1997年夏に始まります。その当時、まだ大阪はPL学園の天下。最強と言われた80年代からは力を落としていたとはいえ、まだまだ中村監督も健在で、90年代も大阪の中心はPLで間違いありませんでした。事実95年には福留(阪神)を擁して甲子園の話題を独り占め、翌96年にはエース前川(元近鉄)で甲子園をつかんでいます。98年にはあの松坂擁する横浜と甲子園で激闘を繰り広げたチームです。履正社はそのPLの間隙をぬって、97年に初出場を決めましたが、ワタシも『履正社?どこ、そのチーム』という感じで、全然知らないチームでした。ちなみにこのときの府大会決勝は履正社vs関大一。まったく知らないチーム同士の対戦で、本当に驚いたものでした。その初出場のチームは、今とは全く別の守りを中心としたチームでしたが、甲子園では初戦で岩手の専大北上に惜敗。大阪のチームが岩手のチームに負けるなんてことは想像だに出来なかったので、本当に驚きました。次に甲子園に登場したのは10年後の06年春。そして甲子園初勝利を飾ったのが08年春ですね。10年夏には、あの山田を擁して夏の選手権へ。甲子園に出てくるたび、大阪の代表ということで一定の注目を集めていましたが、甲子園では自分たちの野球ができずに早い段階で敗れるということが続き、甲子園で実績を残し続ける大阪桐蔭と、どうしても比較されて『勝負弱い』と形容されることが多かったように記憶しています。しかし11年の選抜で飯塚投手を擁して4強に進出。このあたりからようやくその存在感を発揮しだして、14年春には見事に準優勝に輝きました。06年の選抜出場から、9年間で6回の出場を果たし、さらに徐々に戦績がアップしてくるにつれて、『春の履正社は怖いぞ』というのが浸透してきているようにも感じます。逆に夏はどうしても大阪桐蔭の厚い壁を破れずに甲子園までたどり着くことができませんでしたが、昨年寺島投手を擁したチームがその壁を破り、ようやく『履正社新時代』というか、『黄金の10年を迎えた』という感じが、ビンビンと伝わってくるように感じています。
ここからの履正社、本当に大注目です。大阪桐蔭とのライバル関係は、今後一層、ものすごいものになっていくことでしょう。もうすでに、『甲子園で勝つよりも、大阪で勝つ方がずっと難しい』状況になりつつあるこの両者の対決。目が離せないどころか、一試合でも見逃せない・・・・って感じです。今年の選抜も、流れが向けば両校の『決勝対決』が見られる可能性もありますね。 

 

近畿代表   智弁学園(奈良)     13度目(2年ぶり)  優勝1回
                  夏19度出場 甲子園通算 35勝30敗    

智弁学園についても、思い出は前回までで書き尽くしているので、もう語ることも残っていません。小坂監督が就任して脂がのってきたころから、智弁の野球は確かに変わったという気がしています。なにかこう、バタバタしなくなったというか、どっしり構えて相手をよく見て戦っている感じを受けます。昨夏は残念ながら初戦で姿を消しましたが、その前まで小坂監督指揮の下では、10回の出場で9回初戦突破を達成するほど、見事な戦いぶりを見せています。かつての甲子園初戦6連敗のころも知っているだけに、「強くなったなあ」というのが正直な感想です。今年もまた、波に乗れば頂点まで駆け上がる力を持つといわれている好チーム。近畿のほかのチーム・・・・いや、ライバルの天理より早く甲子園を去るわけにはいかないと、気合も入っていることでしょう。


前回の記事 ⇒

一昨年念願の初優勝を飾った智弁学園が、今年も3年連続で甲子園後に帰ってきます。このところライバル・天理を実績でも力でも上回っていると見られていた智弁学園ですが、昨夏は天理が意地の巻き返し。甲子園でも見事な戦いぶりで4強まで駆け上がり、復活を全国に強烈にアピールしました。智弁学園は、一昨年の選抜優勝の後、力はありながら悔しい試合が甲子園でも奈良県大会でも続いています。今年のチームは、過去数年と比較すると力的には上回るとは言えないという評価ですが、そういう評価の時に帰って力を出すのがライバル・天理の野球。智弁学園にとって、後れを取っているわけにはいきません。そういう意味で、智弁にとっては非常に大事な選抜になりそうです。勢いに乗れば上位進出の可能性は十分。思い出については、昨年の記事をどうぞ。

https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/33a300aef5cdc428c720367957128a34



近畿代表  明石商(兵庫)
      3度目(2年連続)
                  夏2度出場 甲子園通算8勝4敗

昨年の明石商の大活躍には、本当にしびれました。なかなか甲子園で勝てないといわれたのはもう過去のこと。何しろ春夏ともに4強に進出して、合計6勝を積み上げたのですから、高校野球ファンにはすっかり「強豪校」として名前もその野球スタイルも、そして熱血の狭間監督のことも知れ渡ったことでしょう。そして今年。ドラ1がうわさされるエース中森も、選抜でサヨナラホームランを叩き込んだスーパー球児の来田も、井上も、ごっそりと経験を積んだメンバーが今年のスタメンに顔を揃えています。これで弱いわけがない!今年は1年、ひょっとすると高校野球界が、明石商を中心に回っていくことがあるかもしれません。いやっ、その可能性は大です。ストライプの「明徳チックな」ユニフォームもすっかり聖地になじんで、今年も甲子園はその活躍を待っている気がします。果たしてあの狭間監督が感涙にむせぶ瞬間は来るのか?楽しいなあ、このチームを見ていると。


昨年の記事 ⇒

西武に今年入団した松本投手の出身校でもある明石商。そんなこともあってワタシもより一層注目する学校なのですが、前回選抜に初出場した時の活躍はセンセーショナルでした。吉高投手の好投に引っ張られて8強まで進出して、龍谷大平安戦もギリギリの延長12回の戦いでした。全国の公立校が「目指すべきチーム」にしているのではないかと思われる素晴らしい安定感のある攻守が明石商のチームカラーですね。その選抜で敗れた平安に、昨秋の近畿大会決勝でも同じように延長12回サヨナラ負けを喫しましたが、戦力的には近畿でも屈指の好チームだと思います。ひそかに初優勝を狙っていることでしょう。

前回の記事 ⇒

今も昔も、変わらぬ高校野球の大激戦地である兵庫。報徳学園と東洋大姫路が東西の横綱の位置にドーンと座り、周りを名門の育英、滝川、神港学園や新顔の神戸国際大付などの強豪が固める図式は、長い間変わりがありません。そんな中、ちょこちょこと”新顔”が甲子園に登場してくるのも兵庫の特徴。関学、洲本の復活とか、加古川西、社、市川、西脇工などの初出場など、話題には事欠きません。そんな中、春夏通じて初出場を決めたのが明石商。明石市からの公立校の出場ということで言えば、あの中京商との延長25回を戦った伝説の明石高校(当時明石中)や、ただ一度だけ甲子園で戦った明石南などが思い浮かびます。この明石商は、05年に明石市がスポーツの活性化のため公募した枠でやってきた、元中学野球の名将・狭間監督が率いているということで、当時話題を集めたものでした。ワタシもこの学校には注目していたので、何度か練習試合に足を運んだことがあります。その時の印象は、『なかなか良く鍛えられた、いいチームだ』というもの。それゆえ、いつこの学校を甲子園で見ることができるのか、ひそかに楽しみにしていました。昨夏は兵庫県大会で強豪を連破してスルスルと勝ち上がっていたので、『もしかしたら』と期待していましたが残念ながら決勝で敗退。しかしそのすぐ後の昨秋の県大会で、報徳学園らを破り優勝。近畿大会も予想通り4強まで勝ち上がり、ようやく甲子園切符を手にしました。明石市民も、盛り上がっていることでしょうね。できれば報徳とアベック出場してほしかったという思いはありますが、報徳以上の活躍を期待しています。名門・明徳義塾で高校、中学の指導者として何度も大舞台を踏む経験を持つ狭間監督が、チーム初めての大舞台でどのように選手を導くのか。そのあたりに注目して、選抜での試合を見ていこうと思っています。


近畿代表   智辯和歌山(和歌山)    14度目(3年連続)  優勝1回 準優勝3回
                    夏24度出場  優勝2回 準優勝1回 甲子園通算 65勝34敗 

昨年、『甲子園最多勝監督』である稀代の名将・高嶋監督からバトンを受けた中谷監督。ものすごいプレッシャーとの戦いだろうと思って彼の野球を見ていましたが、新たな野球で新生のチームが第一歩を踏み出したということを強く意識させてくれる戦いぶりを見せてくれました。高嶋監督の、見事なまでの攻撃力を中心としたチームから、バッテリーを中心とした総合力で勝負するチームへ。智辯和歌山の『第2章』が幕を開けましたね。中谷監督は自身が捕手出身で、しかもプロ野球を経験。選手としても裏方としても様々な場面で捕手としての経験を積み、そして様々な投手の球を受け続けてきたということを、見事に高校野球の世界に還元してくれそうな気がします。今後が本当に楽しみな監督さんです。さらに彼には落ち着きがあって、采配の肝が据わっているというのも見て取れましたし、案外大阪桐蔭の牙城を脅かすのは、この新生・智辯和歌山ではないかという気もしてくるのです。近畿という高校野球激戦区において、また「王朝」ともいうべき力を備えることができるのは、智辯和歌山以外にはないのではないだろうか?そんな予感めいたものもしているワタシです。


昨年の記事 ⇒

歴代最多勝監督の高嶋監督が引退をして初めて臨む甲子園。智辯和歌山が夏に初めて全国制覇した時の主将にしてドラ2で阪神に入団し、プロ野球の経験もある中谷監督が率いるこのチーム、全国的にもすごく注目されているといって良いでしょう。「智辯和歌山」と言えばあの高嶋監督の”仁王立ち”。もう30年以上も見慣れたこの光景が見られないのは本当に残念ですが、新たな風が吹くことには期待感が大きいですね。池田、PL、横浜、そして智辯和歌山。「名物監督」と言われた名前も実績もある指揮官が去った後、チームはかつてのようにはいかないというのが定番なのですが、智辯和歌山は今後どんな道をたどっていくのでしょうね。しかしながら、高嶋監督最後のチームというのが半ば公然とささやかれていた去年のチームは、往年の智辯和歌山のすごさを見るような凄まじい根性の座った攻撃を見せてくれましたね。鳥肌ものだった準々決勝の創成館、そして準決勝の東海大相模戦。両優勝候補に対して、いずれも二ケタ失点をしながら終盤にうっちゃって勝った試合は、まさに智辯和歌山の『背中から湧き出る闘志』を存分に見せてもらい、高嶋野球というものの真骨頂を見せてもらった思いでした。しかし残念だったのは、選抜決勝の大阪桐蔭戦や選手権1回戦の近江戦。やはり同じ近畿勢同士の対戦になると、いつも対戦しているせいかしっかりと対策を立てられて、自慢の打線が機能するまでには至らず悔しい敗戦となってしまいました。昨夏はもう少し勝ち進んで、高嶋監督の雄姿を拝みたかったなあ。。。。。。そんな智辯和歌山の新たな時代に、期待しています。

前回の記事 ⇒

かつて智弁学園を甲子園常連校に育て上げた高嶋監督が、和歌山の兄弟校であるこの智辯和歌山の開校とともに移ってきたのが1980年。それから38年の歳月が流れ、その間智辯和歌山は90年代~00年代にかけてその驚愕の強打とともに、高校野球界に一時代を築きました。現在まで34度の甲子園出場、優勝、準優勝共に3回を成し遂げ、何と一人の監督で57勝という甲子園通算勝利を挙げています。もちろんこの数字、歴代監督の最多勝利となっています。校歌にも歌われる、あの茜色が甲子園の緑のグラウンドに映え、出てくるたびに甲子園に驚きとドラマを残してくれるチーム、それが智辯和歌山です。10年代に入り、さすがの高嶋監督も齢70という古希を迎えて力を落としたかと思われる「初出場時以来」の甲子園3連敗を喫しましたが、昨夏の甲子園で初戦、我喜屋監督の興南に対して6点差をひっくり返し、次の2回戦では『王者』大阪桐蔭に対して最後まで食らいつく、かつての勢いがよみがえったかと思われる素晴らしい戦いを披露。そのメンバーがごっそり残る今年の大会では、大阪桐蔭にリベンジを果たしたうえでの4度目の全国制覇を狙っています。大ベテラン・高嶋監督はまだまだ意気軒高。『負けっぱなしでいられるか!』の気迫は、久々に智辯和歌山の快進撃を感じさせてくれるものです。今年の選抜、とても楽しみです。さて、智辯和歌山の思い出については、過年に書いたものがありますので、そちらをどうぞ。

https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/6ad30b101ad1a707e8c1e36a99e1853f

 

 

 

(つづく)


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