【市民ランナーの星】として、
各方面から注目を浴び続ける川内優輝。
昨年のロンドンオリンピック選考では、
『でなきゃいいのに』
と言われながら東京マラソンに強行出場。
結果、ほぼ手中におさめているといわれていたオリンピック代表のイスを、
まさかの逆転で逃してしまいました。
今年に入ってからは、
先月のエジプトマラソン出発時のドタバタ騒動。
パスポートを忘れてしまったおかげで、
成田で大会主催者から支給されていた航空チケットの便に乗れず。
泣く泣く≪自腹で≫現地に向かったのでした。
真面目に『県の職員』を務める傍らで破天荒ともいえる競技生活を送る川内に、
市民は大喝さいを送り続けています。
その川内。
昨日行われた伝統の『別府大分毎日マラソン』(通称;別大マラソン)に出場。
川内が逃したオリンピックに代表選手として出場し、
日本人トップの6位入賞を果たした中本も出場するとあって、
大会は出走前から大きな注目を浴びていました。
レースは、
近年ではまれに見る『日本人同士の』デッドヒート。
しかも記録もなかなかのもので、
見ごたえのあるものになりました。
28キロ過ぎからの『ふたり旅』の中で、
常に仕掛け続けたのは川内でした。
インタビューの中でも彼は語っていましたが、
『日本人同士でちまちました争いをするのが嫌だった』
とのことで、
記録も狙い積極的な仕掛けを見せてくれました。
そして最後40キロ手前ぐらいで中本を振り切り、
見事な2時間8分15秒でのフィニッシュ。
文句のない勝ち方で、世界陸上の出場切符を大きく手繰り寄せました。
去年の、ともすれば『話題先行』の中、
自分の競技スタンスを全く変えることなくレースに出続けていた川内。
そんな川内の『肉体並びに精神的なタフさ』並びに『したたかさ』、
いろいろな面が見える面白いレースでしたね。
川内が活躍するたびに面白くなさそうな顔をしたり、
またネガティブなコメントを出す陸上関係者が多いのですが、
川内はアスリートの育成という面に関して、
完全に一石を投じてくれています。
誰もが彼をまねしてもできるものではありませんが、
彼はやはり根底に『走ることが大好き』ということがあるから、
過酷なことも『笑ってできる』のではないかと感じています。
こういう育ち方をして、世界の舞台で活躍する選手がいてもいいんではないでしょうか。
折しも今柔道界の問題などから、
『体罰と根性』
が土台となる日本のアスリート育成システムに一石が投じられようとしているさなかです。
トップに到達するのに、
『いろいろな道がある』
ということを示してくれる川内選手という存在、
貴重なものです。
彼には今後どんどん世界に出ていってもらって、
活躍の場を広げていってほしいと思っています。
日本選手にかけているといわれる【精神的なタフさ】、
彼は持っていると思います。
何から何まで自分でやるのって、
本当にタフじゃなきゃできないもんね。
ということで、
世界陸上のマラソンも、
注目される競技として一躍躍り出てきたみたいに感じています。
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