≪第97回全国高校野球選手権 西東京大会≫ ~神宮~
【決勝】
早稲田実 8-6 東海大菅生
(早稲田実は、5年ぶり29回目の出場)
早実 000 000 080 - 8
菅生 004 001 001 - 6
いやあ、
ものすごい戦いでした。
凄い大逆転でした。
清宮人気もあって、
神宮はもう、
記憶にないほどの超満員に膨れ上がりました。
そしてその大半は、
早実の甲子園出場を、
後押しするかのような大声援を送っていました。
試合は初回から、
東海大菅生ペースで進んでいきました。
2,3回のチャンスで先制できない早実に対し、
菅生は3回にタイムリーと江藤の3ランで4点を先取。
その後も早実の反撃を大黒柱・勝俣が抑えて、
試合は8回へ。
この時のスコアは5-0.
ほぼ勝負は決したかという空気が流れる中、
早実の怒涛の反撃は開始されました。
8回の攻撃の前に、
檄を飛ばす和泉監督も選手の輪の中に入り、
肩を組んで円陣で声をあげました。
あたかもその時、
自分は『監督』ではなく『早実OB』として、
『何とかしようぜ!』
と気合を入れているかのようでした。
そしてその気合は、
監督から選手へ、
そしてスタンドへ、
大きな波、うねりとなって、
球場全体を包んでいきました。
まず『早実の核弾頭』山田が粘って粘って、
粘って末に内野安打で出塁。
するとすかさず、
2番の玉川も出塁。
そして迎えるバッターは清宮。
『清宮~何とかしてくれ~』
の声援が飛ぶ中で清宮は、
セカンドゴロに倒れ1死1・3塁。
やや落胆した空気の中で、
こちらも1年生から注目され続けてきた『東京の主砲』であるキャプテンの加藤。
この加藤が、
きわどい球を選んで四球で満塁。
手を出したくなる球を、
戦況を読んでしっかりと見送った加藤、
この四球もひとつのポイントとなりました。
満塁になって、
明らかに冷静さを失って、
ポンポンと同じタイミングでストライクを揃えに行く菅生のエース勝俣。
それを早実が誇る5・6番、
金子、富田が連続タイムリーを放ち5-2.
そして内野ゴロでさらに1点を返して5-3.
もうこうなると、
早実の攻撃は止まりません。
1塁側に陣取った、
数千人規模の早実の大応援団は、
ありったけの声を張り上げて『紺碧の空』を大合唱。
そして『大進撃』のメロディーに乗って、
球場全体が揺れるかと思われるほどの、
ものすごい雰囲気が球場を包みました。
この神宮球場の高校野球で、
かつて聞いたことのないようなものすごい声援とうねり。
その『神宮の魔物』は、
菅生から完全に冷静さを奪い取り、
代打佐藤のタイムリー、
そしてその後の連続押し出し。
あっという間の出来事で、
7回まできれいに『0』が並んでいた早実のスコアボードには、
『8』という数字が刻まれ、
この【東京高校野球史上に残る大逆転】は完成した。
それにしても大反撃を開始した時から攻撃が終わるまでの、
あの大声援は、
本当にものすごかった。
清宮、清宮と言われた今年の早実のチームですが、
それ以上に早実が、
『100年を迎える甲子園になんとしても出場するんだ』
という選手、関係者、学生、OB・・・・・
すべての人の結集した力が、
ものすごいうねりとなってそのパワーで相手を飲み込んだのだと思います。
あの大声援がなければ、
この試合、
早実は絶対に逆転できなかったと思います。
早実の『早実力』の結集。
いや、『ワセダパワーの結集』とでも言いかえたほうがいいかもしれません。
それこそがこの日の勝因と言えるでしょう。
いや~~~
恐れ入りました。
そして、
いいものを見せてもらいました。
いよいよ第1回大会を経験する早実が、
『100年目の甲子園』
に戻ってきます。
西東京はワタシの地元ですが、
やっぱり今年は『早実の年』で間違いなかった、
そう思います。
そして甲子園という大舞台でも、
臆することなく堂々と、
そのあふれんばかりの甲子園に対する思いを、
ぶつけてきてほしいと思っています。
おめでとう!! 早稲田実業!!
健闘を期待します。
敗れ去った東海大菅生に対しては、
やっぱりああいう流れになると、
止めることはできませんね。
悔いはほとんどないでしょうが、
エースで4番の大黒柱である勝俣クン。
素晴らしい投球を見せたものの、
投球に集中していたせいか、
打席で本来の姿を見せられなかったのが、
ちょっと悔しさが残るところかもしれません。
勝俣クンが本来の打撃を見せていれば、
早実に8回までに、
完全に引導を渡していたかもしれません。
まあしかし、
ここまでよく頑張ったと思います。
2年連続の決勝敗退ですが、
来年はぜひ、
3度目の正直を目指して、
この舞台に戻ってきてほしいですね。
それにしても。。。。。
面白かったなあ。
熱中症になるのも忘れるほどの、
大熱戦に心奪われっぱなしの2時間と少しでした。