高校野球は、
夏野予選が終わると新チームに移行。
全国4000あまりの学校が、
『悔しさ』を出発点にして、
『暑く厳しい夏』に新しいチームを立ち上げました。
その新チームの最初の公式戦が各地の秋季大会。
この大会が直接来春の選抜大会に繋がっているため、
実質の『甲子園予選』となります。
新チームを立ち上げて1ヶ月~2ヶ月での戦いのため、
まだまだ夏の旧チームに比べるといろいろな点で『練れていない』チーム同士の戦いですが、
そこがまた『秋の面白さ』といったところ。
この秋の戦いを見ておくと、
夏に向けてチームがどのように伸びていったかという『成長曲線』を見ることが出来るために、
高校野球ファンにとっては『見逃せない』戦いです。
さて、ワタシですが、
高校野球観戦の『主戦場』となっている神奈川県大会は、
今まさに熱き戦いの真っ最中。
この連休に、
3回戦、4回戦の戦いが行なわれて、
8強が出揃いました。
選抜の参考資料となる関東大会への進出校は2校。
要するに、
『決勝進出がはずせない』大会です。
注目はなんと言っても夏の甲子園で大ブレークした松井投手の桐光学園の戦いぶり。
抽選の結果、またしても難敵である王者・横浜高校と同ブロック(8強で激突)に入ったため、
22日に予定されているその対戦を前に、
今のチーム状況はどうかを見に、
土曜日に保土ヶ谷球場に出かけました。
対戦相手は武相高校。
桑元監督に率いられ、
近年『名門復活』への歩みを始めた古豪。
今年の夏は初戦で日大藤沢に、
内野フライでの『サヨナラ・タッチアップ』
という珍しいプレーで悔しい負け方をしているだけに、
捲土重来の意識は高かったと思います。
桐光学園は甲子園から帰った後、
ほとんど練習試合も行なえずに臨んだ新チームの2試合目。
(練習試合の雨で中止、試験期間など、しっかりとチームを作ることは出来ない状況でしたね。)
いくら夏のメンバーが多数残っているとはいえ、
不安を持って臨んだ『実質初戦』ともいえる戦いでした。
桐光の先発はエースの松井。
『夏の疲れはどうかな?』
と思ってみていましたが、
相変わらずバランスの良い投球フォームから、
速球を中心に安定した投球を見せてくれました。
スタンドからは『三振』を意識させるような歓声(?)も多数飛んでいましたが、
『我関せず』
といった風情でマウンドに立つその姿には、
【夏を越えて成長した姿】
を感じることが出来ました。
とはいえ『ここ』というときのスイッチの入り方はまさに『これぞ松井』。
この試合では4回に連打を浴びた後の5回に、
スイッチが切り替わったように見受けられました。
試合は過度に桐光との対戦を意識した感じの武相の守備陣が大きく乱れ、
記録に出ただけで5失策。
さほど打たれたわけではないのに13-2の6回コールドと、
一方的な試合になってしまいました。
武相には悔しい負け方で、
夏の悔しさを晴らすことは出来ませんでした。
しかし、
まだまだ新チームは始まったばかり。
一冬越えて、
武相がどのようなチームに変貌してくるか、
楽しみに待ちたいと思います。
桐光は、
いろいろなプレーの精度はまだまだという感じですが、
そこは『戦いながら』仕上げていくということでしょう。
強豪と戦いながらチーム力を上げ、
12年ぶりの選抜出場を狙っています。
第2試合は楽しみなカード。
3回戦ではもったいないような、
東海大相模vs慶応義塾
という好カードでした。
このカードを見に、
第1試合よりもさらにお客さんが増えて試合開始。
夏の旧チームでも4番を打った、
東海大相模伝統の強打者である遠藤内野手に注目して見ました。
その遠藤選手、
新チームではなんと1番打者。
このあたりに、
門馬監督の『アグレッシブベースボール』の一端がうかがえます。
春夏連覇の大阪桐蔭が
『最も良い打者』である森捕手を1番に置いて初回からチャージをかけた今夏の打線。
そして大阪桐蔭は、08年の優勝時にも、
『最も良い打者』だった浅村を1番に置いた布陣でした。
この『打撃では常に全国NO1』のチームがこだわる1番打者。
まさに【核弾頭】というにふさわしい打線を組むというこだわり、
東海大相模も実践してきているといえるでしょうか。
ひょっとして今後の『強打のチーム』作りのトレンドになっていくかもしれないな・・・・
という気がする、打線の組み方です。
東海大相模は、全国制覇した昨年のチームでも、
1番に【打って走って】全国屈指の好打者、渡辺を置いて相手の頭を初回からたたくという戦法にでましたよね。
今年の新チームでも実践された【遠藤選手の1番】は、
神奈川のみならず全国のチームの脅威となることでしょう。
そしてもうひとつの注目点は投手陣。
小田桐・青島の左右の両輪がどうかということは気になっていましたが、
この日は小田桐が力のある慶応打線に対しました。
慶応は『さほど強くない』と聞いていましたが、
なんのなんの。
なかなかの打線を持っていました。
その慶応に対して、
小田桐は完投して3失点。
きっちりと『自分の仕事』をしての勝ちでしたので、
自信をつけたと思います。
東海大相模の戦力は、
今のところ『投手力はすでに全国レベル。打線の力、特に6番以下の下位打線の力が増せば、全国大会での上位も十分に狙える』といったところでしょうか。
楽しみなチームですね。
これで、
左ブロックからは桐光学園、
右ブロックからは東海大相模という、
両強豪校が勝ち進みました。
しかし決勝までの道のりはまだまだ茨の道。
それが神奈川大会というものです。
だが、
昨日大きなアップセットが起こりました。
4回戦で平塚学園と対戦した横浜が、
1点差を追いつくことが出来ず敗退したのです。
『現1年生のチームで最後の全国制覇。その花道をもって渡辺監督が勇退。』
というシナリオを思い描くとされる横浜高校。
そのために今年のチームには、
多数の1年生プレーヤーが配置されています。
『バッテリーを中心に、内野手は全員1年生』
で臨んだ秋の陣。
しかし心配された『若さ』が出てしまい、
悔しい敗戦となりました。
これから冬にかけ、
厳しい練習になるでしょうが、
『新生・横浜』
の凛とした姿、
春にまた見せてください。
横浜を破った平塚学園は、
夏の大会4強メンバーからエース熊谷らを残して臨んだ秋。
その力が本物であることを証明しました。
次の準々決勝は、
夏の準決勝で敗れた桐光学園。
激戦になりそうな予感がします。
さて、神奈川の準々決勝のカード、
以下のとおりです。(22日、23日)
横浜隼人 vs 逗葉
桐光学園 vs 平塚学園
横浜商大 vs 横浜創学館
桐蔭学園 vs 東海大相模
例年以上に、
力と力の対決が楽しめそうなカードが目白押しですね。
東京大会も、
ぼちぼちブロック戦の代表が決まってきます。
帝京、日大三が絶対・・・・・
という過去数年の図式は崩れ、
群雄割拠になりそうな気配がします。
早実、関東一がいいような気がしますが・・・・、
秋はなんとも分かりません。
ここから11月の末、
明治神宮大会まで、
涼しくなってくる気候の中、
一気に高校野球の世界も『突っ走って』行きます。
楽しみな時期です。
『実りの秋』
にすべく、
残っている各校は頑張ってほしいと思います。
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