巨人がV3を決めた翌日、
土曜日の朝刊に、
耳を疑うようなニュースが載っていました。
『ドカベン香川死去』
あのドカベンこと、
香川伸行が亡くなったというニュースです。
52歳という早すぎる死。
長いこと、
香川の消息が報道されるたび、
体の不調が取りざたされていたのは事実です。
あれだけ太っていては、
やはり不調になるのもある意味致し方なかったのかもしれません。
しかし・・・・・・早すぎる。
あの高校野球の最盛期、
昭和50年代を彩った甲子園のヒーローの、
早すぎる無念の死。
寂しさを禁じ得ません。
香川と言えば、
プロ野球では11年間現役を務めたそうですが、
パ・リーグ好きのワタシとはいえ、
香川がプロ野球で輝きを放ったのはごくわずかということしか覚えてはいません。
入団4年目の83年。
打率.313、15本塁打、61打点と、
『ようやくあのドカベンが覚醒した』
と思われましたが、
輝いたのはその時のみ。
あの豪快な打撃も、
プロ通算でわずか460安打、78本塁打しか記録することは出来ませんでした。
そういうこともあって、
プロでの彼の扱いは”ユーモラスな”とか”型破りな”とか、
とかく『色モノ的』な扱いに終始しました。
しかしながら、
その高校時代を知っている者なら誰でも、
『甲子園での香川のバッティングはすごかった』
とその”伝説”を語るほどの豪快な、
高校野球史に残るほどのバッターだったことを疑いません。
まだ”やまびこ打線”の池田も、
”KKコンビ”のPLも登場する前夜の、
『どちらかというと投手力と細かい野球が勝利への近道』
と思われていた時代でした。
そんななか、
『あの浪商が復活』
というナニワの高校野球ファンの琴線に触れるトピックスとともに、
世間に登場してきたのが”ドカベン”香川でした。
世の男の子たちはほとんどが野球にはまり、
その最大の”愛読書”が水島新司著の『ドカベン』だった時代。
その『ドカベン』の主人公が、
まるでそのマンガから飛び出してきたような存在だったのが、
香川伸行その人だったのです。
山田太郎がおとなしい、気迫を内面に宿して静かに燃えるタイプならば、
香川伸行は物怖じしない、とにかく明るいキャラクターで、
がッはッはと笑ってホームランをかっ飛ばす選手でした。
そしてそのドカベン、
2年生の選抜を経て3年の選抜、
2回目の甲子園で大ブレークしました。
『優勝候補』の浪商を率いるドカベン香川。
その豪快な打撃は大会前から注目の的でしたが、
香川はその凄さを初戦で早速見せつけました。
初戦の相手は、
愛知高校のアンダースロー投手。
その相手から、
香川は片膝をつきながらバックスクリーン横に豪快なホームラン。
誰もが、
『そんな打球、見た事ない』
と興奮気味に語るほどの、
【伝説にの残る】ホームランでした。
ホームランの後のベース1周、
ノッシノッシと歩くように走りながらズボンのベルトをグイッと上げる・・・・・・
香川独特のユーモラスな姿は、
全国の高校野球ファンを魅了してやみませんでした。
その当時から、
実力ではバッテリーを組む牛島の方が上と見る向きも多かったのですが、
『新しいタイプの、子供に大人気のスラッガー』
である香川の人気は抜群で、
その年の高校野球界は香川の話題で埋め尽くされた感がありました。
夏の選手権では、
ライバルのPLに圧勝して甲子園にコマを進めると、
2回戦、3回戦、そして準々決勝と、
3試合連続アーチをスタンドに叩き込みました。
特に準々決勝の比叡山戦で放ったアーチは、
肩に打球が当たってケガをした後の一発で、
香川の凄さを満天下に見せつける一発でした。
準決勝で池田に敗れて全国制覇こそなりませんでしたが、
浪商がこの年だけ一瞬まばゆいばかりに輝いた年でした。
高校野球の人気は、
本当にこの昭和50年代というのはすごくて、
夏の一時期は本当にこの話題一色になりました。
『作られた人気』ではなく、
全国民が一様に熱狂していた姿が、
今でも思い浮かびます。
そんな中に現れた『時代のヒーロー』の早すぎる死は、
本当にさびしく悲しいものですね。
いろいろな意味で『規格外』だった香川。
その系譜は、
良くも悪くもその後の清原和博などに受け継がれているように感じます。
愛されたヒーローは、
静かに鬼籍に入っていきました。
その時代に思いをはせながら、
合掌!
最新の画像[もっと見る]
- 全国高校サッカー選手権準決勝 決勝は関東のプレミア対決 前橋育英🆚流経大柏 2日前
- さあ リーグワン開幕! 3週間前
- 2024.10.26 オールブラックス戦観戦記 3ヶ月前
- 大の里 圧巻の2度目のV! 令和の怪物が相撲界を変える! 4ヶ月前
- 大の里 圧巻の2度目のV! 令和の怪物が相撲界を変える! 4ヶ月前
- 大の里 圧巻の2度目のV! 令和の怪物が相撲界を変える! 4ヶ月前
- 大の里 圧巻の2度目のV! 令和の怪物が相撲界を変える! 4ヶ月前
- ラグビーパシフィックネーションズカップ 日本代表 決勝に進出 4ヶ月前
- ラグビーパシフィックネーションズカップ 日本代表 決勝に進出 4ヶ月前
- おめでとう玉鷲。 1631回、連続出場の記録を更新! 4ヶ月前
「高校野球」カテゴリの最新記事
- 今年最後の野球 明治神宮大会は、大学は青学大の春秋2冠。高校は横浜が、あの松...
- 神宮の森がすごいことに。。 そんな中、明治神宮大会観戦記
- さあ各地区の優勝校決まった! 明治神宮大会で腕試し。
- 高校野球秋の陣 今日6地区で準決勝 ほぼ選抜の出場校が見えてくる
- ふと、ふと感じちゃったことなんだけど・・・・・・
- さあこい大尊時代! 幕内では大の里が、十両では尊富士が全勝でトップをひた走る!
- ヤクルト青木 ついに引退。
- 侍ジャパンU18 壮行試合 まあ、やっぱり実力の差は顕著だわなあ。。。。
- 100年の甲子園 第106回全国高校野球選手権を振り返る。
- 夏の甲子園2024 京都国際初優勝。 関東一、無念。あと一歩。