≪第96回全国高校野球選手権≫
【第1日】
春日部共栄（埼玉） ５ － １ 龍谷大平安（京都）
敦賀気比 （福井） １６ － ０ 坂出商（香川）
富山商 （富山） ２ － ０ 日大鶴ヶ丘（西東京）
96回目の夏が開幕しました。
台風の影響で2日間順延された第96回全国高校野球選手権大会。
前日までの荒れた空がウソのように晴れ上がった青空の下、
待ちに待った夏が開幕です。
初日の注目は、
なんといっても春夏連覇を狙う龍谷大平安の出場。
県大会でやや隙を見せて評価を落としていたものの、
４枚を揃える強力投手陣に強力打線を持つ龍谷大平安の底力はかなりのものと評価されていました。
そして選抜を経験していることから、
開幕試合の登場といっても甲子園に飲まれることはないだろうと思われましたが、
試合が始まってみてビックリ。
甲子園を『自分の庭』のようにノビノビと駆けまわったのは9年ぶり出場の春日部共栄の方。
甲子園慣れしているはずの龍谷大平安の選手たちは、
何か硬さが取れないままズルズルと初回に失点を重ね、
大量点のビハインドが最後まで響いて初戦で敗退してしまいました。
何が起こるかわからないのが甲子園とはいえ、
龍谷大平安のまさかの初回の乱れは、
全く予測できないものでした。
そして少しのスキを見逃さず一気に試合を決めた春日部共栄。
埼玉県内では浦学・小島、市川越・上条と並んで”サウスポーの好投手”と称されていた左腕のエース金子が、
見事な投球で強打の龍谷大平安打線を最後まで抑えきりました。
緩急を使った投球と、
低めへのコントロールが見事でしたが、
それ以上に伸びのある速球の威力は素晴らしいもの。
一気に好機をものにする打線、
そしてしっかり金子を盛り立てる内外野の守備陣などを見ると、
総合力は相当に高いチームですね。
あの土肥投手を擁して決勝に進出したチームと、
よく似たレベルの高いチームに仕上がっています。
これからの戦いがとても楽しみです。
本多監督の謙虚な言葉に騙されると、
痛い目に遭いますよ、対戦チームは。
第2試合は、
今大会注目の打力を誇る敦賀気比が、
その威力を見せつけました。
坂出商の投手陣は、
やはり力関係で、
敦賀気比の打線を抑えきることができませんでしたね。
また敦賀気比は、
投手力を含めた守りも一級品というところを見せつけました。
振りの鋭さ、打球の速さは群を抜いていました。
それもクリーンアップだけでなく、
上位下位むらなくそのバッティングができるところは、
『看板に偽りなし』
といったところでしょうか。
第3試合は、
ワタシの地元でもある西東京代表の日大鶴ヶ丘が登場しましたが、
富山商の好投手・森田の左腕に手も足も出ず完封負け。
どうしても地元だけに辛口になってしまうのですが。。。
前回出場した時も日大鶴ヶ丘は鹿児島実業の好投手の前に打線が沈黙して大敗。
『ああいう投手、東京にはいなかった』
とのコメントを残しましたが、
今回も全く同様のコメントとイメージを残して去ることになりました。
この学校が甲子園で勝てるようになるまでは、
まだまだ道のりは長いと感じざるを得ない戦いぶりでした。
いろいろなタイプの好投手の集う全国の舞台。
力関係から攻略が難しい相手に対して、
打てないながらもどのように攻めて”点を取っていくのか”という点において、
考える必要があると思いますね。
そりゃあ森田くんは東京にはいないタイプの好投手でしたが、
だからと言ってズルズルと工夫なく回を重ねるというのは、
『甲子園で勝てるチーム』の戦いぶりではないですね。
『やっぱり三高か早実でないと、甲子園ではなあ・・・・・・』
というつぶやきが聞こえてきそうです。
一方の富山商。
昨年の富山第一を見るまでもなく、
本当に顕著に地区のレベルが上がってきていることを感じます。
昨日は点差こそ2-0でしたが、
森田投手の安定感や守備の精度などをみると、
『完勝』と言っていい戦いぶりでしたね。
森田くんが昨日のような投球をできれば、
今後も期待が大きく膨らんできます。
ということで幕を開けた甲子園の夏。
この日の試合を見ただけでも、
ほとんどの学校に実力差はないと言っていいでしょう。
波乱続出の大会となるのか？
それとも競合が予想通り勝ち残るのか？
面白い大会になりそうです。
