境川チャレンジ

大相撲秋場所も１０日目。

前日まで全勝の白鵬は、
追ってくる勢力に２つの星の差をつけて、
独走態勢を築いていました。

『ああ、今場所も千秋楽を待たずに、優勝が決まるのかなあ』
という、
なんともあきらめにも似たムードが漂う前半戦でしたが、
昨日ようやく、
関脇・豪栄道が意地を見せてくれました。

右腕を手繰られ、
半ばとったりのような形になった白鵬。

しかしそれを残した豪栄道が、
あとは一気の寄りで、
横綱・白鵬から２２度目の対戦にして２つ目の星を挙げました。

見事な相撲っぷり。
やはりこのところ『大関候補１番手』と言われ、
９場所連続で関脇の座に座るだけのことはあります。

既に３敗しているので優勝戦線に名乗りを上げることは出来ませんが、
しっかりと星を重ねていって、
出来れば１２勝したいところでしょう。

今日も横綱・日馬富士戦。
今度はどのような戦略で挑んでいくのでしょうか。

さて、
この豪栄道が所属するのが境川部屋。

元両国の境川親方が１５年ほど前に設立した部屋で、
よく稽古をする部屋として有名。

その稽古の中で力を伸ばしてきたのが、
この豪栄道と今場所東の関脇を張る妙義龍、
そして豊響らの力士です。

この日、
豪栄道が白鵬を倒すところをしっかり見ていたであろう妙義龍。
今日はこの妙義龍が、
白鵬へ挑戦します。

前日の９日目には豊響が白鵬に挑戦。

ということで、
この３日間は、
さしずめ【境川チャレンジ】の３日間ということが言えるでしょう。

境川部屋は、
連日緊張感に包まれていることでしょうね。

こうして上位の力士がたくさんいることで、
切磋琢磨して力を伸ばす『相乗効果』が生まれる部屋、
過去にもたくさんありました。

貴乃花、若乃花全盛の二子山部屋。(旧藤島部屋)

貴乃花、若乃花の両横綱はもとより、
大関・貴ノ浪、関脇・安芸乃島、貴闘力なんかも所属して、
本当に『二子山にあらずんば、力士にあらず』
なんていう状態の時もありましたね。

そしてそのあとは武蔵川部屋。

横綱・武蔵丸を筆頭に、
大関に武双山、出島、雅山を揃えるなんとも豪華な布陣でした。

二子山部屋が、
稽古によるたたき上げの力士の台頭を中心としていたのに対し、
武蔵川部屋は学生相撲出身者を中心とした出世の速い力士を中心とした、
一大勢力でした。


その両部屋も今やかつての面影はありません。
武蔵川部屋の跡目を継ぐのが、
現在の藤島部屋というところが、
何ともまあ・・・・・よくわからんところでもありますね。

二所の関部屋、大島部屋、花籠部屋・・・・・・・

名門の部屋が続々と閉鎖される昨今、
勢いのある境川部屋のような部屋が、
角界を引っ張っていってもらわなければなりません。

そういう意味からも、
豪栄道や妙義龍には、
角界の看板である横綱・大関をぜひ目指してもらいたいものですね。

そして大相撲を、
せめて千秋楽まで優勝が分からないようなドキドキ感を持続してもらうよう、
頑張ってほしいと思っています。


そしてもちろん、稀勢の里も・・・・頼むぜ、本当に。