平昌五輪の閉会式の日。
東京では、
2020年の星が躍動しました。
東京五輪に向けて躍進を狙う陸上界。
その中でも、
『元祖日本のお家芸』であるマラソンには期待が非常に大きくなっています。
そんな状況の中、
昨日の東京マラソンで、
ついに16年ぶりに日本記録が塗り替えられました。
記録2時間6分11秒。
日本記録を破ったのは、
ホンダの設楽悠太。
そう、
あの東洋大学の設楽兄弟の弟、設楽悠太です。
”箱根の星”の一人ですから、
日本中のマラソンファン・駅伝ファンが、
「顔と名前が一致する」
マラソン選手です。
昨日のレースは、
ペースメーカーが「世界記録突破を狙うペース設定」だったそうで、
序盤から快ペースで立ち上がりました。
設楽はいいペースで先頭集団につくと、
中間地点でも井上(MHPS)と日本人選手として二人だけ、
先頭集団に食らいついていきました。
途中でのゴール予想タイムはずっと2時間5分台。
しかしながら、
ハイペースで飛ばした付けが30キロ以降出てきてしまうのが日本人選手たちのこのところの定番。
そう思って何となく”気楽に”見ていたら、
なんとしっかりと食らいつくではありませんか。
まずは井上が食らいつき、
設楽は少し差が開き振り落とされる感じになったものの、
そこから驚異的な粘りを見せて、
一人、また一人と上位の選手を”食らう”見事な走り。
リレサをとらえ、井上をとらえ、
前を行く3位のキプケテル、
2位のキプトルまでをとらえて、
堂々2位でゴール。
そして記録は、
高岡寿成が2002年に出した2時間6分16秒を破り、
見事に日本新記録を達成しました。
精魂尽き果てた設楽は、
ゴールしてからしばらくは起き上がることもできませんでした。
それだけ100%力を発揮した、
見事な走りでした。
昨年12月の福岡国際で大迫傑が出した2時間7分19秒の好記録。
これが何か、
日本マラソン界に「新しい時代の到来」を予感させてくれましたが、
昨日の設楽悠太の好タイムで、
その予感は確信へと変わりました。
日本マラソン界の、夜明けは近い!
そう思わせてくれました。
思えば長い道のりでしたね。
瀬古・宗兄弟が覇を競った『黄金時代』から、
中山の登場、谷口の世界陸上でのV、
森下の五輪銀など、
日本の男子マラソン界は90年代初頭までは、
常に世界のトップを争ってきました。
しかしその後失速し始めると、
世界との差は年々広がるばかり。
もう「失われた20年」ではなく、
「失われた四半世紀」になってしまうぐらい、
「世界で勝負できない日本マラソン界」が長く続いてきました。
その間箱根駅伝はものすごい人気を博して、
今や「日本のお正月の風物詩」まで昇華してきています。
しかしながら、
たくさんの「箱根のスター」は、
その後「マラソンのスター」にはなりえず、
ずっと長い間、
マスコミでは「箱根の弊害」ばかりが取りざたされてきていました。
しかしながら、
トレーニング方法やメンタル強化など、
すべて「理にかなった」強化になってきて以来、
ようやく箱根からマラソンへという流れが、
出てきたように感じます。
昨日も設楽、井上をはじめとして、
ほとんどの上位選手が「箱根組」で占められていました。
青学大・原監督が提唱する通り、
世界を狙う選手が大挙して箱根組から現れてくれることを、
強く望んでいます。
そしてそうでない選手たちと激しく切磋琢磨することが、
陸上界を盛り上げることになると思います。
近年の東京マラソンなど「世界の有力選手が集うレース」において、
日本人選手がアフリカ勢の第1集団につくことをあきらめ、
勝負をしない。。。。。。
よく見られるそんなレースは、
もう目にしたくありません。
昨日の設楽や井上のように、
自信を持って勝負してくれるランナーは、
本当に熱い思いで声援を送りたくなります。
オリンピックをずっと見ていたからかもしれませんが、
『日本人でも十分勝負できる』
という意識、
すごく高まってきています。
設楽悠太に大迫傑。
日本に待望の、
『世界と勝負できる逸材』が登場。
さあ、次はだれが飛び出してくるのか。
そして東京五輪代表を決めるMGCへの出場権は、
誰が奪うのか。
なんだか男子マラソン界、
一気に熱を帯びてきました。
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