大相撲九州場所。
3横綱がいずれも休場というピンチを救ったのは、
相撲にかける意気込みが違う小結・貴景勝でした。
この22歳の突貫小僧は、
徹頭徹尾低い姿勢から相手を押し込むことに徹して、
なんと22歳にして優勝をつかみ取りました。
まさに「一念岩をも通す」という感じで、
ここにまた素晴らしい力士が”本当の意味で”誕生したという感じです。
昨日の千秋楽は、
相星で並ぶ貴景勝と大関・高安の優勝決定戦が期待されましたが、
結びの一番でその高安は負け越しが決まっている御嶽海にまさかの黒星を喫して、
大関として初めての優勝には手が届きませんでした。
貴景勝はその瞬間、
付き人から高安の結果を聞き、
大喜びするわけでもなく土俵上と同じように落ち着いて、
その結果を受け止めていました。
まさに元師匠の貴乃花と同じように、
泰然自若とした相撲っぷり同様にそのたたずまいは、
大物になる予感が漂いますね。
おめでとうございます。
今場所前に師匠が引退して部屋が変わるという苦難を経験した貴景勝。
何かと大変だったでしょうが、
その経験が彼を一回り大きくしたのではないでしょうか。
来場所はいよいよ大関獲りとなります。
同じく少し前に初優勝を飾った御嶽海は、
その後その勢いを維持できずに、
今場所は上位がいないにもかかわらず負け越してしまいました。
その轍を貴景勝が踏むのか、
それとも「時の勢い」そのままに大関に駆け上がっていくのか?
来場所は大きな焦点ができましたね。
来場所は3横綱も帰ってくるはずで、
御嶽海の時と同じく「真価が問われる」と言われることでしょう。
しかしもとより「稽古の虫」の貴景勝。
今場所のような低い姿勢からのぶちかましを続けることができれば、
おのずと結果も出てくるのではないでしょうか。
元貴乃花親方だけではなく、
日本全国が彼に期待を寄せると思います。
その重圧をものともせずに快進撃を続けるのであれば、
まさに「貴乃花を継ぐ男」になれそうな気がしますね。
頑張ってほしいです。
さて、今場所です。
焦点がぼけてしまう序盤戦から、
徐々に貴景勝が圧倒的なパワーを見せつける場所となり、
そこに大関の矜持を見せた高安がついて行くという展開で、
新鮮で面白い後半戦となりました。
まあ、
それでも上位のコマ不足は深刻で、
昨日の千秋楽で「三役そろい踏み」を行った東方の力士3人、
「う~ん、なんだかなあ・・・・・」
って感じでした。
その3人とは、
輝、松鳳山、御嶽海。
6枚目の輝、7枚目の松鳳山、そして負け越している関脇の御嶽海。
なんだろうなあ、この並び。
来場所はぜひ、
相撲の正常化を目指してほしいものですね。
既に皆勤は目指すべくもない白鵬、
どこかしらケガを抱えている鶴竜、
そしてあの稀勢の里。
大関も故障を抱える力士が多く、
やはり角界の顔となるような新顔の登場が、
待望されています。
彼らもよかったり悪かったりを繰り返しますが、
今場所の貴景勝のように、
何かのきっかけで一気に伸びて、
地位をつかみ取ってほしいと思います。
それから今場所うれしかったのは、
何と言っても”帰ってきた関取”豊ノ島の奮闘。
優勝には一歩届きませんでしたが、
負け越したらまた幕下に戻ってしまう地位で11勝4敗と大勝ち。
最後の最後まで優勝争いを繰り広げ、
「豊ノ島ここにあり」
を印象付けてくれました。
安美錦・豪風に加えてこの豊ノ島で『大ベテラン3人衆』が来場所も十両で、
暴れまくります。
ということで今年の大相撲も昨日が最後。
今年も本当にいろいろなことがありました。
年間を通して横綱はぱっとせず、
3人ともに出たり休んだりを繰り返しました。
追っていくはずの大関も、
やはりぱっとせず。
結局年間最多勝は栃ノ心で、
その勝ち星はわずかに59勝でした。
年間最多勝ということにさほど意味はありませんが、
それでも強さの目安ということになりますから、
毎年九州場所の後は注目しています。
栃ノ心の59勝が最多勝というのを聞いて、
「えっ!50勝台で最多勝になれるの?」
とちょっと衝撃を受けたので調べてみると、
年6場所制になってからは、
昨年の白鵬に続いて2回目の出来事だそうで、
そのことからも今年(昨年来)がいかに「戦国大相撲」だったかがわかります。
近年は白鵬が年間80勝台を軽々とクリアするのを見てきましたので、
何か物足りなさが残りますね。
(ちなみに昨年の白鵬は25休ですからねえ。65番のうち56勝、それはそれでやっぱりすごいですが。。。。。)
年間の勝ち星が50勝を超えた力士もわずか6人!!!!
(50勝といえば6場所皆勤であれば1場所当たりわずか8.3勝!)
う~ん・・・・
考えちゃうような今年の大相撲です。
今大相撲は”平成第3次相撲ブーム”のような様相を呈していて、
満員御礼が続いて「黙っていても客が入る」状態です。
これはひとえに、
相撲協会と力士たちの、
長年にわたる営業努力が成果として現れたものだと思っています。
しかしながら、
大相撲の人気を支えるのはやはり、
そういう営業努力に加えてやはり「土俵の充実」これしかないような気がします。
それがなくて営業の部分におんぶにだっこでは、
やはりどこかで踊り場に来てしまうことが考えられます。
今のいい流れを続けていくためには、
やはりどっしりと安定した上位陣が、
素晴らしい相撲を取って白星を並べていき、
千秋楽が近づくにつれてそのライバル対決が現実味を帯びてくる……
そんな流れが必要だと思っています。
今年よく見かけた、
「下位力士が惑星のように出現し、勢いそのままに優勝をかっさらっていく!」
というのは、
たまにならばいいのですが、
こう何回も続くとやはり、
「横綱、大関は何をしているのだ!」
ということになっちゃうんだと思います。
そんな感じでちょっと苦言を呈しながら、
今年の大相撲を締めようと思います。
国技・大相撲よ、永遠なれ!!
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