≪日米大学野球選手権大会≫
【第5戦(最終戦)】
日本 7-4 米国
2勝2敗で迎えた、
日米大学野球の最終戦。
快晴、微風、おまけに酷暑の神宮球場で行われました。
なかなか世間になじみのない大学野球。
その中でも、
この日米大学野球はダフ屋が困るほど人気のない野球イベントです。
しかしながら、
行われている野球のレベルは断トツに高い。
何しろ日米ともに、
将来のMLBやNPBのスター候補たちがずらり。
そんな中、
決して親善試合ではない、
真剣勝負が繰り広げられました。
試合は初回から日本の打線が活発に米国の先発を打ち込み、
4連打で先取点を奪いました。
しかし3回、
先発山崎福(明大)が四球とWPで崩れてやらずもがなの2失点で逆転を許してしまいます。
奮起した日本打線はすぐさま反撃。
河合(法大)のタイムリー3塁打で追いつくと、
内野ゴロで再逆転。
試合は4回に向かいました。
イニング合間にはこんなシーンも。揃って外野で”ストレッチパフォーマンス”する米国の控え選手たち。
4回に同点に追いつかれた日本は、
山崎福をあきらめ高校・大学の先輩でもある関谷(明大)にリレー。
関谷が満塁のピンチに力のある投球を見せ、
何とか同点でとどめて4回裏へ。
その4回裏でした。
バッターは岡(明大)。
この日は既に守備で2つの大きなミスを犯し失点の原因を作っていたので、
何とか取り返そうと必死だったのでしょう。
対する米国のPはこの回からマウンドに上がった左腕の剛球投手。
156キロとか157キロとかを連発していたこの投手でしたが、
岡に対して投げた158キロのボールはまともに足を直撃。
もんどりうってひっくり返った岡に、
観衆は息を飲みました。
と次の瞬間。
岡はすっくと立ち上がり、
収まらない怒りで地面にヘルメットを叩きつけ、
2・3歩Pの方に歩み寄ります。
と、そのP。
当然のことながら、
『この野郎』
とばかりにこちらも闘志むき出しに2.3歩岡の方に。
もみあいになりそうになりましたが、
なんとか味方に止められ、
岡は促されながら1塁に。
そこでやにわにベンチを飛び出した米国の監督。
何やら審判に向かって、
顔を真っ赤にして喚き散らしています。
『岡を退場させろ』
とでも言っていたのでしょうか。
ワタシはその喚き散らす米国監督を見ながら、
昨年の高校AAA選手権の事を思い出していました。
あの時もちょうど、
こんな感じでしたね。
あの時は日本のCである森選手(大阪桐蔭)が2度も本塁ベース上でタックルを食らって、
フラフラになっていました。
そして米国は、
喚き散らす監督とベンチをヘルメットやバットでガンガン叩きながら気勢を上げる、
米国選手たちの『タチの悪さ』をずっと映していました。
日本代表を率いていた小倉監督(日大三)は、
『ああいうプレーは日本では認められない。』
と断固として言っていましたっけ。
そして今年のセンバツから、
無用なタックルは全面的に禁止されたという経緯がありました。
昨日のこの一連のプレーを見ていて、
ワタシはそんなことを思い出していました。
昨日のプレー。
おそらく当てられたのが米国の選手だったら、
あの程度では済んでいないと思います。
アメリカという国は、
スポーツに限らずなんでもそうですが、
『懐の深さ』
を見せるのは『自分とは差がある』相手にだけ。
相手が自分に迫ってこようものなら、
それこそ『なりふり構わず』振り払おうという国民性です。
そんなところが、
昨日のプレーにも出ていました。
しかし・・・・・
そんなことを思っているワタシに、
衝撃的な光景が・・・・。
なんとスタンドで見ている日本人のファンから、
『岡~!謝れ~!』
という言葉が飛んだではありませんか。
この野次を浴びせていたのは二人。
そしてその野次は、
非常にしつこく何度も繰り返されていました。
回が進んで次の打席に岡が入った時にランナーに代走が出たのですが、
その時も『岡を変えろ!岡、引っ込め!』という声が。
ワタシはその一連の声を聞いて、
あきれるを通り越して悲しい気分になってしまいました。
仮にも日本代表の面々がJAPANのユニフォームを着て戦っている『選手権』ですよ。
なんでそんな声が飛ぶんでしょうか。
岡選手が悔し紛れにヘルメットを叩きつけたのが、
そんなに腹立たしい事なんでしょうか。
たぶん六大学のファン(OBか関係者?)だと思われるのですが、
『日本代表戦』だということ、
ちょっとは意識したらどうでしょうか。
岡選手は、
158キロの球をまともにあてられたんですよ!!!!
平静でいられるわけがない。
ちょっと当たり所が悪ければ、
彼の選手生命、
終わっていたかもしれないんですよ。
それに対して怒った選手を糾弾する声が飛ぶ!!!
もう、自虐的な考えはやめましょうって!!!!
やっぱり日本人が悪かったから、
当てられても黙ってるってか?!
冗談じゃない!!!
岡選手は何も、
暴力で応戦したわけではありませんよ。
怒りの発露としてのあの行為も、
許されないということですかね。
清原選手なんかは、
あのシーン観ていたらなんてコメントするでしょうね。
なんで岡選手が糾弾されなきゃ、いけないわけでしょう。
そんなこと言うんなら、
しつこく岡に罵声を浴びせていた奴ら、
自分も158キロの球、
一度その体にまともに受けてみたらどうよ。
言ってみりゃあ、
サッカーの日本代表が、
大事な国際試合で相手の醜いタックルを受けて怒り、
相手に詰め寄ったら、
日本選手がサポーターから、
ブーイングを受けるようなもんですよ。
ありえない話ですよね。
ブーイングをするのは相手に対してですよ、普通。
この輩(あえてそう呼びます)、
日本の代表選手に対する愛情とかリスペクトとか、
そんなものがかけらもない、
ものすごい『上からの目線』を感じました。
自分の思う『野球道』がけがされたってか?!
『大学野球の選手たちは、清廉潔白で、悔しさはすべて呑み込めってか?!』
昨日の岡選手に野次を飛ばしていた奴ら、
二度と国際試合には足を運ばないでほしいね。
お願いするよ。
ワタシは本気で怒っていますよ、あの輩たちに関しては。
まあ、それはさておき、
1塁にいった岡選手が盗塁を決め、
その後足を使ってかき回しまくって勝ち越し。
そして次の回には、
梅野・中村の4・5番が連続の特大アーチで米国の息の根を止めたのは、
本当に痛快でした。
(中村選手のHRの後は、また何やら”打った後の喜び方が気に入らん”と米国のサードの奴と、監督が喚き散らしてましたけどね。そういえばこのサード、チャンスで三振した時、思いっきりヘルメットをあらぬ方向へ叩きつけていましたが、それはいいんですかねえ。。。)
歓喜の優勝
その喜びが、この試合にかけていた選手の思いを表しています
いいチームになりましたね。
強かった、日本代表。
なかなか面白い最終戦、
都合をつけて観戦に立ち寄ってよかった、
という試合でした。
アメリカの選手も含め、
このうち何人がプロで活躍するのか、
その姿を見るのが楽しみです。
最後には両チームが健闘をたたえ合いました。
今回は最終戦にもつれ込んでも、日本が負ける姿を想像できませんでした。
山U+FA11くんから関谷くんへの継投、もしかしたらあるかな?と思っていましたが、実際に見られた時には思わず声を上げてしまいました。
最後を亜細亜大学の山崎くんがしっかり締めて堂々の勝利。素晴らしかった。
関谷くんは最終学年で最高の舞台が待っていましたね。
日大三高・明治大学好きの私にはこたえられない日米大学野球でした。
この試合については、黙っていられなかったので過激な記事を書いてしまいましたが、試合内容はとてもレベルが高い楽しめるものでした。
山崎君から関谷君の三高リレー、しびれましたね。吉永君も出ていればもっと盛り上がったのになあ・・・なんて無責任な外野であるワタシは、思っていましたが。
それにしても最近の三高の『剛腕の系譜』素晴らしいですね。今年のエースである大場君も、長身ではありませんが先輩に負けない剛腕ぶりを発揮して、甲子園に旋風を起こしてほしいですね。