【もっとも印象に残った球児】
4.秋田
松本 豊 投手 秋田経大付(現秋田経法大付) 1981年 春 夏
甲子園での戦績
81年春 1回戦 〇 3-0 丸亀商(香川)
2回戦 〇 4-0 星稜(石川)
準々決勝 ● 4-7 印旛(千葉)
夏 1回戦 〇 5-1 興南(沖縄)
2回戦 〇 5-1 福島商(福島)
3回戦 ● 1-2 志度商(香川)
秋田と言えば、
古くは秋田商・秋田・能代などの名門が名前を連ね、
『公立王国』
の名をほしいままにしていた強豪県でした。
そこに新しいかっを吹き込んだのが秋田経大付属。
1981年に突如全国に出現したこの高校、
本気で全国制覇を狙って強化を図ってきた好チームでした。
鈴木・景山・松本のクリーンアップは超高校級。
そしてその打線に支えられたエースが、
【東北NO1】
の称号をほしいままにした、
剛腕・松本でした。
江川(作新)、酒井(海星)などの系譜を継ぐ、
長身から投げ下ろす剛腕にして、
安定感抜群のピッチャー。
秋の神宮大会であの荒木大輔擁する早実と渡り合い、
一歩も引かずに投げきった姿から、
選抜ではかなり期待されて登場しました。
初戦の丸亀商戦、
そして2戦目の星稜戦と、
強豪を相手にまったく付け入るスキを与えずに完勝。
8強に進出した学校では、
安定感では群を抜いており、
当時の新聞にも『候補のNO1は秋田経大付属』としっかり載っていました。
迎えた強豪・印旛との準々決勝。
雨のそぼ降る中の対戦で、
松本は制球を乱して序盤に印旛打線につかまり4失点。
その後立ち直って終盤まで力のピッチングで印旛を抑え込み、
打線も奮起して同点に追いついた時は『これでもらった』と思ったものですが、
延長に入って再度雨が強くなって松本が撃沈。
捲土重来を期して臨んだ夏の大会でも、
秋田経大付属は早実、報徳学園と並んで3強と称されていましたが、
3回戦で小粒ながら『全員野球』の志度商にまさかの敗退。
東北勢で初の全国制覇が視野に入っていた秋田経大付属の敗退には、
子供心にもショックを受けました。
それにしても松本投手の伸びてくる速球と、
あの落ち着いたマウンドさばき。
いかにも≪東北人≫を体現していて、
頼もしい存在でした。
しかし、
その剛腕も甲子園がピークで、
社会人、プロとあまり活躍できなかったのは残念でした。
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