元日は大地震。二日は飛行機事故。悪いことが続いたこの正月。
三賀日の最後ぐらいは平穏に、と思ったら、北九州市で大火事がありましたね。
天地、神々の怒りを感じませんか?
これだけ「世が乱れて」いれば、そうなるかもな、とは思いませんか?
そして帰省中の息子、三賀日の最後は、高校時代の友達と会って差し飲みしたようです。
その友達もサブカルのファンなので、二人で秋葉原に出かけて…
息子は、小倉唯さんのニューシングルのCDを買って来たそうです。
(ライブやイベントには来なくなりましたが、CDやブルーレイなどは真面目に買っています)
その帰り、秋葉原駅に行くと、山手線の外回り電車がホームに停車していて。
息子と友達は横浜方面へ帰るので、同じホームの向かい側にやって来た京浜東北線に乗車。
ところが、いつまで経っても電車が出ない。その前にホームに着いていた山手線も発車しない。
「なんで発車しないんだろう」「あっちの山の手もずいぶん長い停車だよな」
「なんか騒がしくないか」「なんであっちの電車、人がみんな降りちゃったんだ?」
と、不審に思って、友達と話していたそうです。
しばらくして、先行していた山手線を置いて、ようやく発車した電車の車内アナウンスを聞くと…
「ただいま秋葉原駅で発生した事件により、山手線外回りは運転を見合わせております」と。
そのときは息子、また「人身事故」だろうか。お正月から痛ましいことだな、と思ったそうです。
ところが帰ってからスマホでニュースを見ると、ちょうど息子たちがいたぴったり同じ時刻に…
秋葉原駅の山手線外回りホームで、刃物で何人もの人が刺される事件があったとの速報。
「あの、同じホームにいた電車じゃん!」と気付いて、寒気がして鳥肌が立ったと。
正確には、その電車が秋葉原に到着する直前、車内で20代と思われる女性が刃物を振り回し…
4人の男性が刺されたり切られたりして怪我をし、うち3人が救急車で搬送されたという事件。
別の男性が犯人を取り押さえたところで、秋葉原駅に着いたため、鉄道警察隊に通報…
犯人の女は秋葉原駅のホームで、殺人未遂の現行犯で逮捕されたとのことです。
犯人は、犯行に使った刃渡り15センチほどの包丁以外にも、別の刃物を所持しており…
「誰でもいいから人を殺したかった」と供述しているとか。
また「幼いころから虐待を受けて育った」「社会に復讐がしたかった」…
などとも警察に供述していると。
社会の歪みによって生じた、通り魔殺人未遂事件ですね。
まさにそのとき、その同じホームに、うちの息子と友達がいたということ。
ほんの少しタイミングが違ったら、犯人は山手線ではなく…
数十秒の差で後を走っていた、京浜東北線に乗っていたかも。
そうしたら、息子の乗車していた電車内で、刃物を振り回していたわけです。
あるいは、乗客に取り押さえられるのが遅れていたら、秋葉原駅で山手線を下車して…
そのホームにいた人や、向かい側に来た京浜東北線の車内にいた人を、さらに襲っていたかも。
息子たち、間一髪で、通り魔事件に巻き込まれるのを回避できていたのです。
むしゃくしゃした人、やけくそになった人が、捕まったり、結果死刑になったりするのを覚悟で…
いや、それどころか「死刑になりたいから」見ず知らずの人を殺傷するという事件は…
近年増えています。いわゆる「無敵の人」というやつです。
社会が病んでいて、多くの家庭や学校が、機能しなくなって壊れている。
そんな日本の現状が生み出したモンスターが「無敵の人」です。
捕まって死にたいから人を殺す、などという狂った発想の犯罪者が出てくるのは…
先進国、新興国、途上国すべて含めて、日本ぐらいにしか見られない現象らしいです。
それだけ、私たちの社会の闇が深い、ということ。
単に「十年、二十年前に比べて経済的に貧しくなっている」というだけでは説明できない。
社会に渦巻く、この強烈で異様なストレスの元凶は、何なのでしょうか。
個人的に感じるのは…
誰かが誰かに、何らかのハラスメントをする、という構造で成り立っている社会であること。
上司が部下に、親が子に、学校が生徒に、先輩が後輩に、強い子が弱い子に…
大企業が下請け中小企業に、国が地方自治体に、客(カスタマー)が店員に…
などなど、この社会が、無数のパワハラの連鎖で成り立っている構造であること。
そして、弱い立場に置かれた人が、さらに弱い者を探して叩く、という。
しかも、周りを見て、空気を読んで、不満があっても表に現わしてはいけない、息の詰まる雰囲気。
何でも「自己責任」といわれて、転んだ者、道からはずれた者は、容赦なく置き去りにされる。
助けを求めれば「他人様に迷惑をかけるな」と黙らされる。
それが「世間」というもので、この社会での正義だとされる。
みんなが同調圧力に押しつぶされているにもかかわらず、他方、超自己中心的で…
自分の利害しか考えない。
そんな世の中から生まれて来たのが「無敵の人」たちなのでしょう。
彼らは、やくざやテロ組織などとは違って、孤独な個人ですから、社会のどこにいるのか分からない。
普通に見える人が、あらゆる場所で、ある時突然、内に秘めた恨みや怒りを爆発させて凶行に及ぶ。
だから、警察も公安も、その犯行を防ぎようがない。
自ら望むことが「極刑」なのですから、犯罪の厳罰化など全く役に立たない。
まあしょうがないよ。ほっとくしかない。自分の周りにはそんな起きないよ……
とのんきに構えていると、今回の息子の件のように、自分や家族の身近に、危険が迫ってくる。
このままだと、この状況はますます悪化します。本当に。間違いなく。
そう遠くない将来、のんびりその辺を歩いていられない、人混みに出て行くのにいちいち緊張する…
しかも、昼も夜も、平日も休日も関係なく。そんな社会になる。
良いんですか?それで。
収入が少ない(他の先進国や近隣諸国と比べて)。それにしては物価がどんどん高くなる一方。
税金と社会保障費が高い。それにも関わらず、その代わりに得るはずの福祉や社会保障は貧弱。
子育てにお金がかかり過ぎる。結果、少子化で働き手がいない。いても生産性の低い高齢者ばかり。
年金が削られ、高齢者医療費が引き上げられて、老後は不安ばかり。
貯蓄したって無に等しい利息なのに、物価が上がるから放っておいても実質的にどんどん目減りする。
食べ物や水は美味しいものが今は多いけれど、お金がないとその恩恵にだんだん与かれなくなって行く。
そもそも農家がやって行けなくなりつつあるから、食べるもの自体、今後は確保が難しくなる。
そして自然災害のリスクは、全地球上で最大級の、この列島。
そうなると「治安が良いこと」だけが、私たち日本人にとって唯一、保証された恩恵だったのに。
それさえも崩れて行くのだとしたら、この国に住んでいること自体、地獄の苦しみです。
「今の目の前のことだけ」「自分の利害と楽しみのことだけ」にかまけていて…
いったい、いつまで平穏な生活が遅れるのでしょうか。
そろそろ目を覚まさないと、あなたとあなたの家族の「明日」がなくなっていきますよ。