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アルファロメオと小倉唯

こんな人達を無理やり支持してかばう心理

まずは、こちらの「X」投稿内の、岸田文雄首相の言葉を聞いてみて下さい。

 

能登半島地震から3日後、90名近くの人命が失われたことが確定し、その上…

 

まだ200人近い方が、行方不明、または安否不明という状況で…

 

食べ物も水も決定的に足りず、余震が続く中、厳寒の避難所で不安な夜を過ごしている人…

 

完全に孤立して救援を待つ人がたくさんいる中で行われた、年頭会見での発言です。

 

 
 
 
 
 
改憲の是非以前に…
 
 
この状況での改憲を、しかも任期中での改憲実現を発言する神経について、どう思いますか?
 
 
そして、志賀原発がかなり深刻に破損して、しかも周囲の放射線モニタリングポストのデータが…
 
 
広範囲にわたり全く把握できなくなっている(もし隠蔽でなければ)という緊急事態の中で…
 
 
原発についての言及はひと言もなく、改憲を持ち出してくるのは、ちょっとおかしくないですか?
 
 
しかもこの後、原発のことについて「追い質問」しようとする記者を、薄ら笑いで完全無視。
 
 
この震災を、憲法に非常事態条項を入れることの必要性につなげようという意図まで想像するのは…
 
 
単なる下衆の勘繰り…でしょうか。
 
 
それだけではありません。
 
 
このすぐ後に、テレビの生番組に出演した岸田首相。
 
 
(被災者救援の先頭に立って、最大限の努力をするのではなかったんですか?)
 
 
対談の相手は、安倍首相時代以来、どんなときでも政権をエクストリーム擁護することで知られる…
 
 
「スシロー」こと田崎史郎氏。
 
 
その様子はこちら。
 
 
 
 
 
ずいぶんと余裕しゃくしゃくで、楽しそうじゃないですか。
 
 
 
 
嘘でも演技でもいいから、もう少し緊張感を漂わせたほうが良いんじゃないですか?
 
 
こんなサイコパスじみた態度で、支持率回復なんて出来るとでも思ってるのかな。
 
 
それとも、もう国民からの支持なんてどうでもいいと?
 
 
支持率ひとケタでも、アメリカ様と経済界さんとが支持してくれて、組織票があれば政権は安泰と…
 
 
我々国民を舐めてかかっているのかも、ですね。
 
 
 
 
でも、この非常時に緊張感がない、つまり被災した国民に少しも心を寄せる気がないのは…
 
 
こちらの方も同じ。
 
 
 
 
維新の会が、盤石の議席数に油断してだらけ切った政権与党の代わりになり得るかどうか…
 
 
一目瞭然じゃないですか?
 
 
それでも、SNSなんかでこういう情けない人々を批判する投稿には…
 
 
無理やりにでも彼らを擁護するリプライがついてくる。
 
 
ネトウヨの「ウヨ」って、保守・愛国のことじゃないんですか?
 
 
国民の苦しみを放置し、国土が破壊されるかもしれない状況を放置する人々を…
 
 
無理やりな理屈をつけてでも、とにかく擁護しようとする。
 
 
彼らが保守し、愛したいのは、要するに国民でも国土でもなくて、政府、政権担当者たちの側…
 
 
つまり「時の権力」に過ぎないんだな、ということが、わかります。
 
 
中には、政権から雇われていた可能性の高い、あの有名な、Twitterのネトウヨアカウント…
 
 
「Dappi」みたいな、お金で雇われてる人もいるでしょうけれど…
 
 
大半は、自発的に、権力や権威を擁護する側に回ってるんだと思いますよ。
 
 
自分たちの「生存」そのものを、脅かすかもしれない権力であっても…
 
 
ほとんど必死の様相で、支持し、擁護し、弁護する人々。
 
 
そういう現象を、今から500年近く前に論じている人がいます。
 
 
フランスの哲学者、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシの著作『自発的隷属論』にはこう書かれています。
 
 
これほど多くの人々が(中略)しばしば独裁者に屈する。(中略)何百万人もの人が、悲惨な奴隷として軛に繋がれているのは、驚くべきことである以上に痛ましいことだが、そのようなことが、不思議にも日常的に繰り返されている。
 
 
圧政者の前には、圧政者を取り囲んで、気を引こうとしたり媚びへつらう人々が必ずいる。(中略)彼らは圧政者の快楽を自分の快楽とし、自分の好みを抑制し、自分の本性を否定しなければならない。彼らは圧政者の言葉、声、合図、視線にいつも注意を向けている。
 
 
田崎史郎氏のような人。そしてネットで、何がどうあっても権力側を擁護する人々を思い起こさせます。
 
 
また二十世紀の心理学者、アルノ・グリューンは『従順という心の病』の中でこう書いています。
 
 
無批判な従順は、すべての事象を真実に認識させることを不可能にする。私たちは、従順になることによって「抑圧者に自分自身を順応させる」だけでなく「抑圧者の行動を覆い隠す」のである。別の言葉で言うならば、従順は、権力に基盤を与える。従順は、心に溜まった怒りを、その怒りに責任ある人に対して向けることを不可能にする。
 
 
脅される人は、脅す人と融合し、恐怖に陥れる権力者に自分の判断を合わせ、自分のアイデンティティまでも放棄してしまう。
 
 
勝利者の側に立っている、あるいは優秀な民族の一員であるという感覚を持つことは、自分の背後に潜む劣等感から、自分を解放するのに役立つ。
 
 
人は抑圧的な権威による救済を望むので、自らをその権威に屈服させてしまう。
 
 
私たちは、自分を脅かす恐怖を見ないようにするか、そもそも気付かないようにするため、現実を覆い隠し見なかったことにする。その代わり、私たちは「私たちを脅かすものと一体であるという幻想」を抱き、アイデンティティを失い、その上、場合によっては、自分の生命をも失うことになる。
 
 
 
こうしたことが、ひたすら権力の側につくことによって、安心したい人々の心理に働いている…
 
 
現代日本の「ウヨっている」また「権力の側を擁護したがる」人々の心理は…
 
 
よく「肉屋(屠殺者)を支持する豚」などと表現されたりもしますが…
 
 
こうした「従順という名の病理」というコンセプトで説明すると、納得行く気もします。
 
 
 アルノ・グリューンの説によると、こうした心理、あるいは病理は…
 
 
幼少時に、親、つまり赤ん坊にとっては絶対的な権威者にして、保護者である人から受けた…
 
 
抑圧や冷淡な扱いに起因する、という意味のことを書いていますが…
 
 
何でも幼少時の親の影響に帰するのは、フロイト以来、心理学者の得意技でもあるので…
 
 
そのまま受け取るわけにはいかないかもしれません。
 
 
ただ、明らかに国民のためなど考えていない、自分と仲間内の利益しか考えていない為政者を…
 
 
「どうあっても擁護したい」とか…
 
 
「権威権力の側に自分を置いておきたい」という心理が…
 
 
一種の精神的病理であるというのは、肯定できるところだと、私は思います。
 
 
でも、こういうのは「心の癖」ですから、直したり正したりするのは、相当に困難なことです。
 
 
しかも「従順という心の病」を病んだ人々は、自分の不安や、表層では意識していない恐怖を…
 
 
従順であることで押し殺しているので…
 
 
そうでない人に対しては、異様に攻撃的になります。
 
 
本当に、厄介な病理。
 
 
我々はこれを克服して、健康で幸福な社会を作ることが、果たして可能なのでしょうか。
 
 

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コメント一覧

angeloprotettoretoru
@チョウザメさま。
奴隷頭根性…なるほど!
歴史を振り返っても、奴隷の反乱は常に起こってきたものです。
日本でも、江戸時代は一揆や打ち壊し、逃散といった権力への反乱は頻繁にあったわけで。明治になっても米騒動のような暴動はありました。戦後だって70年代までは学生運動や労働争議が盛んに起きました。
ここまで日本人が飼い慣らされた羊になったのは、太平洋戦争の直前から戦中、そしてこの40年間だけです。
再び国家壊滅の運命を辿るかどうかは、まさに今の国民の行動にかかっています。
チョウザメ
「奴隷根性」という言葉がありますが当の奴隷は機会があれば反乱したり逃亡したりして人間の自由と尊厳を守ろうとしてたので、
こういう権力に媚びへつらい他者に奴隷になることを強制する輩は「奴隷頭根性」と呼ぶべきでしょう。
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