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アルファロメオと小倉唯

あまりにもクリエイティブ

小倉唯さんの4枚目のソロアルバム『Tarte』が16日発売になりました。



一昨年のバレンタインデー時期に初めてシングルCDをセルフプロデュースした小倉唯さん。

今回はアルバムをまるごとプロデュースということで、一昨年よりもさらに仕事がてんこ盛りだったのは確か。

基本コンセプトとタイトルは、最初から唯さんの頭の中にあったようです。

作詞はもうずいぶん前からいろいろと取り組んでいて、今回は全12曲のうちの4曲を作詞しています。

得意のダンスの振り付け=コレオグラファーとしての仕事は、このアルバム曲がライブにかかることを想定すると、半分は自分でやることになるでしょう。

またプロデューサーとして曲のコンペを主催し、選定会議をリードしたほか、作曲者と打ち合わせをして…

イメージを伝えてオーダーをするなど、曲の内容にもかなり深く関わっているみたいです。



アルバムの構成、曲順を最終的に決定するのも、もちろんプロデューサーとしての仕事ですが…

いつもの通りミキシングを経ての、最終的な音質音量のバランス取り=トラックダウンにまで自ら関わって…

そして言うまでもなく、演者としての歌入れの仕事も手抜きなくやって。

さらにその上、普通の音楽プロデューサーの仕事に上積みして、今回は表題曲『ta・ta・tarte♪』のミュージックビデオの撮影監督まで自分自身でやっているというのですから…



ほんとにものすごい忙しさだったでしょう。

しかもこれが仕事の全てではなく、同時進行で、声優の仕事も山のようにこなしています。

去年の10-12月期には、深夜アニメ、子供向けアニメを含めてレギュラーが5本あって。

さらにこの1月-3月期はレギュラーが一本増えて6本になっています。

25日放送のポケモンアニメにも、主人公サトシの対戦相手として登場。

加えて、ゲームキャラの声入れの仕事もどっさりあって。

普通の声優さんならもう限界に近い仕事の詰まり方なのに、前述のようなアーティスト&音楽プロデューサー業を入れるなんて…

本来なら「狂気の沙汰」といって良いほどの仕事量です。

あの小さくてびっくりするほど細い体のどこに、そんな体力と気力が秘められているのか。



そして、これほどまでの多才さとクリエイティブさは、どうやって出来上がっているのか。

もともとはそんなに器用な人ではない。

声は最初からすごく特徴的で、歌うときもアフレコするときも、どこかエフェクトがかかったようなエッジの効いた声質なんですけど…

最初のころは活舌が悪くて、声量が足りなくて、幼い感じの声しか出せませんでした。

そして今でも、そのころのイメージで彼女を見ている人が多いのですけれど…

年々すべての面で向上を続けて、声の役者としても歌手としても、実に守備範囲が広く表現力も深くなりました。

個々の仕事のスペックを上げてきただけでなく…

その上、クリエイターとして次々に新しい分野に挑戦し、開拓し、いろんなことが出来るようになってきた。

ファンとしても、そこまでは期待も予想もしていませんでした、正直言って。

ただ歳だけ重ねていてそんな風になるわけがない。

人並み外れた量の、しかも不断の努力の積み重ねがあったことは間違いないです。

生まれながらの才能というよりは「努力することの天才」なんだと思います。



プロデュースの仕事だって、タレントの「なんちゃって」仕事だと思う人が多いかと思いますけど…

結果として出来た作品を見て、その上でラジオのインタビューなんかを聞いていると、ちゃんとセルフプロデュースができている。

セルフプロデュースというのは、実はものすごく難しいものです。

コンテンツとしての「小倉唯」と、本当の自分自身、その両方を客観的に、俯瞰で眺める能力がまず必要で…

その上で、そこに折り合いをつけて融合を図りながら、文字通り「製作」に取り組んでいる。

自分自身に正面から向き合うということも、それを客観視することも、実はなかなか難しくて…

死ぬまで出来ない人が多いんですけど。

26歳にして、もうそれが出来ている。

唯さんのアンチの者たちは、いまだに「かわいいだけ」の声優という「ことにしたい」みたいですけど…

子役から数えれば芸能生活20年。

いまの仕事だけでキャリア13年。

ソロデビューから今年で10周年。

その間、外見も才能も優れた若手が毎年大量にデビューする中…

かわいいことに甘えてやっていて、今の地位を築けるわけがないじゃないですか。

26歳というのは、私の娘としてちょうどいいぐらいの年齢ですけれど…

(結婚したのは唯さんが生まれる2年前なので)

でも、もはや人間として尊敬するしかないです。

人が人を尊敬するのに、性別も年齢も関係ないですから。

本当に、凄い人だ……。

だから「娘のような存在」と言い切るのも「ちゃん付け」で呼ぶのにも、抵抗を感じてしまうんです。



その上、ラジオやメディアのインタビューや自分で書く文章や、イベントでの細かい発言や動作や…いろんなことをつぶさに、しかも結構長年観察して来た結果…

実は人柄も素晴らしいというのが、よくわかっているし。

普通のおじさんだって、還暦近くなれば人を見る目がある程度ついてきますけど…

私はこれでも、職業人としてのスタートは芸能記者、兼編集者で…

今よりずっとエグかった芸能界の有象無象とガチンコバトルしてきた人間です。

早朝4時に、やくざみたいな事務所の社長に乗り込んで来られて、締め切り数時間前なのに怒鳴り合いとか…。

それから転じて、エッセイスト、モータースポーツジャーナリスト、翻訳家、小説家、西洋古典文学の教師…その他いろんな仕事を自分の腕一本でやって来て。

日本だけでなく世界中のいろんな人間と関わって、友情を結んだり、騙されたり…

とにかく人並み以上の人生経験を積んで来たことだけは、自負しています。

そんな風にして人間の裏も表も見尽くして、人生の酸いも甘いも味わい尽くして来た人間が太鼓判を押すんですから、間違いない。



そこらの若造には、小倉唯はどこにでもよく居るような「かわい子ぶりっこ」「良い子ぶりっこ」に見えるでしょうけど…

世の中には本当の本物というのが、まれにですけどいるんです。

唯さんは、本質的には愚直なほどストレートな人です。

SNSでの誹謗中傷に対してまともに反論してしまって、たちの悪いネット民に嘲笑されるのも、クソが付くくらいに真面目な人柄だから。

フリフリのフリルや、レース、リボン、パステルカラーといった「かわいいもの」を纏っても、それは「男に媚びる」ためではなくて…

ほんとに自分が好きな世界観だから。



その証拠が……これは表面しか見れない男どもが不思議に思うことでしょうけれど…

女性から嫌われるどころか、実際は年上年下含めて女の子ファンが多くて、またその数が年々増え続けていること。

唯さんの選ぶものが「媚び」ではなくて本心からの「かわいい」の追求であるのを、同性だからこそ見抜けるから、なんですよ。

女の子が、異性の目など関係なく「かわいいもの」を欲するというのを理解できないとすれば、それは男としての「浅さ」です。

私は、妻から「おっさんの皮をかぶったおばさん」と言われるくらい、女性的なところがあるから…

(もう男としては枯れ切っちゃってるし)

唯さんやそのファンの女性たちの気持ち、よーくわかりますよ。

そして下のような発言もまた、彼女の本心。



これは、今回のアルバムについて「音楽ナタリー」というウェブ媒体のインタビューを受けての発言ですけど。

こういうことを正面から言う芸能人、実はけっこう珍しいのですが、それを繰り返し言って来たのも唯さんの個性です。

そんなところも「アンチ」の気にさわるんでしょう。

人をあんまり属性で語るのはよくないのですが…

オタクとか、いわゆる「ネット民」って、基本的に「アンチポリコレ」な人間が多いみたいで。

そういう連中は、正しそうなこと、真面目なことを大上段に構えて言うのを嫌いますからね。

彼らは「フェミ」「リベ」「サヨク」が三大嫌いなもの、な様子だし。

女性の性的搾取と、いろんな種類の差別と、保守的な考えや、ミリオタっぽい好戦性と親和性が高い人間が多いこと…

それに加えて露悪趣味の傾向があるのは、私らの若いころ(80年代)から、マンガやアニメなどのサブカル界隈では基本的なことでしたから。

そういうオールドタイプのオタクや、彼らの後継者たちからしたら、露悪的な嗜好を逆なでする「小倉唯的」な正義感が、どうにも癇に障るのでしょう。

だからアンチ的な物言いをわざとするし、ちゃんと見もせずに過小評価するし、愚にもつかない誹謗中傷を無理やりにでも彼女に向けたがるんですよね。

アンチたちは、小倉唯が落ちぶれてくれれば、できればひどいスキャンダルと共に消えてくれれば、胸がスッとするんでしょうかね。

そんな密かな願望を持ったオタクがウヨウヨ生息している世界で、13年も生き延びて…

いまだに「アイドル声優のレジェンド」みたいに言われたり、後輩から「小倉さんに憧れてこの世界に入りました」と言われたりするのは、考えてみたら奇跡に近いのかも。



話が脱線しまくりました。すみません。

とにかく今回のアルバムも、どこまで売れるのかわかりませんけど、なるべく多く出てほしいなあ。



ヤカラ系の若い男オタクのファンがいまやほとんど去ってしまって、その分を補うように、いま女性ファンの割合が増えてますけど…

女性のファンって、男オタクみたいに同じCDを大量に買う「積む」という行為をしませんから…こういうデバイスの売り上げに劇的な貢献はしないんですよね。

それ以前に、CDというデバイス自体の売り上げもここ数年でがた落ちして。いわゆる「円盤」というものがもうオワコンですし。

まあ、初動で1万枚は無理でしょう。

なんとか7千でも行ってくれたら成功かな。



ともあれ……

うち息子にとっては、崇拝する「神」である小倉唯さん。

「神」の栄光を顕すためにも、科学の徒としてノーベル賞級の仕事をしたいみたいです。

(親バカだけどあいつなら出来そう)

私にとってはやはり、尊敬する人物のひとり。

だから、仕事しながら床にぶっ倒れて眠るとか、お菓子が主食とかはもうやめて、健康に気を配ってほしいです。

無事これ名馬で、長くやることにも意義がありますから。

彼女の「小倉唯ビジネス」の先には、先ほど引用したような壮大な「裏テーマ」があって、それもちゃんとホンネなんだと思うし。

そしていずれは、女性の割合がとても多い、新しい「王国」を築いて…

インタビューで言っているように…

世界中の人に希望を届けてほしいです。



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