天気予報は、来週になったら暑さは一段落して、当分の間「猛暑日」にはならないと言っています。
本当にそうなるかどうか保証の限りではありませんが、巷では「少し涼しくなるってね」と言っていたりします。
でも、来週も横浜での予想気温は30~33℃で推移していて。
35℃超えの「猛暑日」ではないけれど、30℃超えの「真夏日」。
涼しくはならんです。笑
異常な状況だったのがひとまず終わり、通常の日本の真夏がやってくるだけ。
みんな少し前まで日本の夏といえば、盛夏のいちばん暑い日で30~32℃ぐらいだったの、忘れちゃったのかな。
子どもの頃の、夏休みの宿題の絵日記には気温を書くことになってましたけど、30℃超えを書いた日は…
「今日は暑かったなー」と思ったものです。
この異常気象に慣らされてしまったのでしょうけど、人間の体温は36℃ちょいが普通なんですから…
体温を超えた環境温度に「慣れる」というのは、生物として無理なんですよ。気持ちは慣れても体はやられてしまう。
「慣れれば大丈夫」というのは、猛暑日には通用しない。冷房によって死なずに済んでいる状況なんです。
その冷房も、温暖化の原因になっている、ものすごくたくさんある「人間活動」の中のひとつであるんですけどね。
この前の月曜日、午後2時ごろに運転しているとき、ペッピーノさんの外気温計は「40.5℃」を示していました。
この日に気象台が発表した横浜の最高気温は、37℃台だったと記憶していますが…
これは「下が芝生の場所の」「地面から1.5m上の」「直射日光の当たらない」「風通しの良い場所」で計測したもの。
昔、学校の校庭に「百葉箱」という、白くて横がブラインドみたいな造りになった、小さな高床の小屋みたいなものがあって…
中に温度計があったの、憶えてませんか?
あれだと本当に無風の日は「風通しがない」ので、現代の観測機器は、円筒形の入れ物の片側にファンを付けて強制送風しています。
アスファルトの道を歩いているときや、屋内に居ても扇風機さえつけていない場合は、発表されている気温よりも…
おそらくずっと暑い場所に居るわけです。
運転中に記録した40.5℃は、おそらく現実の道路上の気温をほぼ忠実に表わしていたのでしょう。
そんなとき、わんこを散歩なんかさせるのは、死なせるために連れ出すようなものです。さすがにそんな人ほぼいないでしょうけれど…
犬は人間よりも熱せられた地面に近いところにいるわけですから、飼い主よりは相当暑いと思ってあげないと。
ちなみにペッピーノさん(アルファロメオ156)の外気温計は、右側ドアミラーの中に格納されているそうです。
(馴染みのメカニック、マエストロ談)
この後、8月中にもまた猛暑日がやって来るかもしれませんが「慣れれば大丈夫」などとは思わずに…
冷房を適切に使うようにしましょうね。大げさでなく、命を取られますから。
それから、私は日傘を買いました。折り畳み式の。男も日傘を使うべき時代ですよ、こんな気候では。恰好より健康が大事。
と、今日は話の枕ばっかり長くなっちゃいましたけれど…
書きたかったのは、いま放送中の、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』のことです。
主人公の寅子は、日本の女性で初めて裁判官となった人物をモデルとしています。
話の中では放火事件の容疑者が在日朝鮮人で、彼にはアリバイがあるなど、簡単には犯人と決めつけられない状況。
それでも、同僚である三人の判事のうちの一人が、差別的言辞を弄して彼を真犯人だと決めつける発言をするのを…
根拠のない個人的予断を口にするのは、裁判官としてどうなんでしょうか、と主人公の寅子がたしなめます。
その中で彼女は関東大震災の話を持ち出して、そのとき一般人の先入観と流言飛語のために、朝鮮人が殺害された事例を出しました。
実はこれ、すごいこと。
当時の新聞記事にそのことが載っているだけではなく…
官報、正式な行政記録にまで、事実として記録がいくつも残っているにも関わらず…
「保守派」の人々の中には、いまだに「当時の朝鮮人殺害はなかった」と歴史修正をする人がたくさんいます。
当時の内閣府中央防災会議の議事資料が残っていますが…
それによると虐殺の犠牲となったのは、帝都周辺地域の在日朝鮮人の人口(約10万人)のうちの…
「1%ないし数%である」と推計しています。
つまり数千人、少なくとも千人前後もの人が「一般庶民」によって殺害された、と当時の内閣府も認めたのです。
近代日本史の、そして日本人にとっての、大きな汚点です。
ところが「保守派」の人に遠慮して?いまの小池東京都知事は、それまで慣例だった、犠牲者への追悼文を出すことをやめています。
そしてほぼすべてのテレビドラマと映画は、そうしたどう考えても不合理な「意見」でクレームをつけられるのを恐れて…
この歴史的事実を扱うことをタブーとして来ました。
過去、大河ドラマ「いだてん」などいくつかのNHKドラマで、この事件が「ほのめかされた」ことはありましたが…
堂々と、事実として主人公が口に出した、というのは画期的なことなんです。
大学で日本史、それも近現代史を専攻した人間としては、超一級の資料にきちんと載った…
まぎれもない「史実」を口に出すことが禁忌だなどというのは…
仮にも西側「自由主義諸国」の一員であることを標榜し、行動している国にとって、あってはならないことだと思っています。
外国人差別の問題だけでなく、このドラマは大元のところで、この社会のジェンダー差別と闘った女性の生涯がテーマですし…
戦争の悲惨さ、悲しさ、理不尽さ、また子どもがその一番の被害者だということをくっきりと描き出しました。
また主人公の親友である重要な登場人物の中に、男装の女性が出てきたり…
最後までプラトニックな関係で終わったものの、同性を愛した男性が出て来たりしました。
(しかも見た目は武骨な、いわゆる「バンカラ学生」でした)
女性、子ども、性的少数者、外国人といった、社会の中で「弱くされている者」に光を当てたこのドラマ。
しかも、そこまで「攻めて」いる内容にも関わらず、視聴者におおむね好評であることが頼もしいです。
まあ頭の中身が「おっさん」属性の男性からは、相当忌み嫌われているドラマだとも思いますけれど。
こんな時代にこんなドラマが毎日放送されていること、この国の未来にほんの一筋の光明を見る気がします。
NHK、報道局は本当にクソですけれど、ドラマはがんばっていますね。
私は一部のドラマだけ見て、ニュースは視聴者に変な「刷り込み」をしがちなので(多分意図的に)一切見てないです。
ともあれ、脚本家の吉田恵里香さん、いつもながら素晴らしい演技を見せてくれる主演の伊藤沙莉さん…
そしてすべての制作スタッフに拍手を送りたいです。