つまり「少し古い車」ですね。
まさに、うちのメメちゃんみたいな車です。
中高年が若いころや、子どものころに憧れた名車に、今また乗りたいという熱が高まっていて、程度の良いものを探して直したり…
あるいはボロボロになっていたのを完全レストアして、問題なく走れるようにした「旧車市場」が活況なんです。
BMW2002ターボ。人気の高いヘリテージカー。
往年の名車、と言われて特に人気が高いものには、何百万円どころか何千万円、まれに何億円(!)という値がついて。
それでも買う人がいるんだそうです。
トヨタ2000GT。程度の良いレストア車には1億円超の値札が付きます。
日本の国全体は元気をなくして、国際的なプレゼンスを失いつつあって、しかもスタグフレーションだなどと言っていて…
モノがなかなか売れない消費低迷の時代にも、お金、あるところにはあるみたいです。
ということで、妻とふたりで昨日行ってきました。
「オートモービルカウンシル」というイベント。
日本で最初の本格的大衆車、スバル360の初期型
そうした人気の旧車をたくさん展示。実際に値札が付いていて、その場で「商談」して買うことのできる車もあるという。
また「旧車」好きの人のための小物や関連グッズ、パーツなどのお店があったり。
内外装のレストア専門店なども出店して、実際の作業とか、ビフォーアフターを見せているブースもありました。
あのころの名車にまた会いたい!という中高年が多いのは予想していましたけれど…
ダットサン フェアレディ2000。
非常に意外なことに、若い人の姿が会場に目だちましたよ。
最近のクルマのデザインに食傷気味で、昔のクルマの形に惹かれる若い世代が多いというのはちょっと聞いていたけれど…
こんなに数が多いとは思いませんでした。
ランボルギーニ・ミウラ。カロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーだったG・ジウジアーロが原画を描いて、後を継いだM・ガンディーニが仕上げたデザイン。
特に人気で、もう玉が少なくなっている旧車は「今のうちに買っておかないとなくなっちゃう」という話もよく聞きますけど…
若い人まで争奪戦に参入してきているとなると、いやホントなんだなと。
ランボルギーニ・ミウラのライバルだったフェラーリ365GT4ベルリネッタボクサー。デザインもライバルのカロッツェリア・ピニンファリーナの作品。
でも昔はたしかに「クルマに夢があった」時代……
その時代の自動車には「作り手の夢」も詰まっていて。
世界で最初にロータリーエンジンを載せたマツダコスモスポーツ。初代ウルトラマンの「科学特捜隊」の車でした。
それゆえ、形に、機構に、いろんなチャレンジがなされていて、今だったら会議で通らない企画とか…
マーケティングの結果、需要が少ないということで、世に出ることはないであろう車とか…
そういうのも含めて、良くも悪くもトンデモナイ個性を持ったクルマもあったりして、今見ても魅力がたっぷりなんですよね。
フィアット600ムルチプラ。このサイズで商用車ってすごい。
「旧車ブーム」になるのもわかります。
でもそこには、モノ作りに「夢」がなくなっちゃった時代…
そして、消費者もモノを所有することに意欲を失っちゃった時代…
「欲しいものがない」「何が欲しいのか自分でも分からない」時代状況が反映しているのかも。
スーパーカーブームの象徴だったランボルギーニ・カウンタック。これの「消せない消しゴム」持ってた小中学生男子がいっぱいいました。
とにかく車好きで特に旧車には目がないうちら夫婦にとっては最高のイベント。
うちのメメの「前任車」プーちゃんの同型車(色はガンメタだったけど)プジョー205GTIも。
妻は主に「デザイン重視派」で、自分は「エンジンを中心とした機械好き」と楽しみポイントは分かれるんですが。
アルファロメオGTジュニアの、アルファツインカムエンジン。ウェーバーのキャブレターが付いてます。
でも、子どものころ羨望の目で眺めたクルマ、若いころの思い出のクルマに会えるのはどちらにしてもうれし過ぎて。
半日、たっぷり楽しんで来ました。
アストンマーチンDB5。007の映画でジェームズ・ボンドが乗ってました。
来年もまた、開催されたら絶対に行きます。
アルファロメオ155 V6 TIと一緒に写ってご満悦の妻。笑
というか、今日17日(日)17:00まで『幕張メッセ9-11番展示場』で開催されていて、当日券もあるようなので…
興味がおありで、時間がある方は行ってみても良いのではないでしょうか。
散財することになっても、私は責任とりませんけれど…笑。
おまけ…モータースポーツのヘリテージとなっているレーシングカーもたくさん展示されてました。売り物じゃないけど。
こちらはF-1のウィリアムズ・ルノー。ナイジェル・マンセルがワールドチャンピオンになったときのマシン。
こちらは00年代F-1界の帝王・ミハエル・シューマッハがデビューチーム、ベネトン・フォードで乗ってたマシン。
シューマッハは、私が直接インタビューしたことのある名ドライバーのひとりです。
当時、スクーデリア・フェラーリの広報担当者と仲良くなったので、フィオラーノのテストコースの脇にあったカントリーハウスの…
シューマッハのプライベート・ルームまで、内緒で見せてもらったことがあります。
もう時効だからいいでしょ。またその話はいつか。
メメを買ったとき、アルファロメオ155 V6TIがドイツツーリングカー選手権でAMGメルセデスやシュニッツァーBMWを蹴散らして…
ツーリングカーレースの世界でスターダムにのし上がっていて。
当時は、市販車がベースということもあり、ツーリングカーもすごく人気があったので、我々夫婦も大注目で応援していました。
なにせ、我が家の家族メメ=アルファ155をベースにしたレーシングカーですからね。
圧倒的に速くて強いだけじゃなく、形とかカラーリングもライバルたちより断然かっこよかったなあ……
この展示車両は、ニコラ・ラリーニが乗ってチャンピオンになったマシンの実車でした。
戦前、モータースポーツの黎明期…
まだサーキットを走るグランプリレースと、公道を走るラリーみたいなレースが分化していなかった時代に活躍した…
アルファロメオのヘリテージ的マシンも展示されてました。
アルファロメオ6C 1750グランスポルト。
「ミッレミリア」がクラシックカーイベントではなくガチなレースで、グランプリ以上のステイタスがある公道レースだった時代…
伝説のドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリが駆ってミッレミリアを制したマシンですね。
タツィオ・ヌヴォラーリは、エンツォ・フェラーリが監督として率いた…
戦前のアルファ・コルセ(アルファロメオのレーシングチーム)のエースドライバー。知ってる人は少ないですけど。
歴史上に残る名レーシングドライバーは数々います。
ファン・マヌエル・ファンジオ、グラハム・ヒル、スターリング・モス、ジャッキー・スチュワート、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ、etc...
でも彼らはいずれも、輝いた時期には、その時代のベスト・マシンに乗っていました。
しかしヌヴォラーリの場合は、ライバルよりも劣った…なんなら圧倒的に劣ったマシンに乗っても、誰よりも速かった。
ということで「タツィオ・ヌヴォラーリこそが、史上最強のレーシングドライバーだ」というヨーロッパの「レース通」は多いです。
まあ、戦前のベーブ・ルースと、現代の大谷翔平とどっちが凄いか、を比べるようなものではあるんですが。
また余計なうんちくを並べてすみません!
昔、雑誌でモータースポーツライターをしてたころ、自動車レースの歴史を描いた連載をやっていた時期もあるので、つい。
そんな話も、いつかこのブログでする…かも。
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