アルファロメオと小倉唯

オートマでもエモい!

連日、老父の介助で車を出しています。

一昨日は父をペッピーノに乗せて、銀行の用足しと病院通いに連れて行き、昨日はデイケアサービスの見学と買い物…

そして老保施設に入所中の母に届け物。



「都会生活に自家用車なんて要らないだろう」というのは、脚の悪い年寄りの面倒を見なくて済む人のセリフです。

私のような立場の人間には、必需品で、どこまでも実用品。

そして、動作も遅ければ判断力もにぶい高齢者に、プライドを傷つけないよう配慮しながら付き添うのは忍耐力が必要。

70歳代までの健康な人なら2~3時間で済む用事が、88歳の父をサポートして、となると7~8時間かかるし。

ちょっとした用事でもほぼ一日がかりになってしまうため、自分の仕事なんかできません。

私の仕事が、時間が自由になる職種だからできていることで、普通の勤め人だったら絶対に無理。介護施設にお任せするしかない状態。

ほんの7か月前まで両親ともに元気だったのに、母が脳梗塞で倒れてから、父まで急に別人のように体も頭も老いてしまって。

これが他人で、介護を「仕事」としてやるのならまだ辛抱強くもなれるのでしょうけれど…

介護される方も、相手が身内だとなると、甘えやわがままが出てしまうものなんですよね。

加えて仕事を犠牲にしてやっているから、内心イライラしたり焦りが生じたりしてしまいます。それは表に出さないようにしてるけど…

もしかすると、父も気づいているかも。

私は一人っ子だし、妻も働いていて(私より稼ぎが多い)、息子は離れた土地に住んでるし。私がやる以外に手はないんです。



この少子超高齢化の時代に、介護を家族に頼ろうとする政策など、論理的に考えれば行き詰まるのが当然です。

実際に経験してみると、介護はやはり、素人の家族よりもプロの他人に任せた方が、介護する方にもされる方にもいいし…

介護する側の世代を疲弊させ、時間を奪って社会の生産性を落とさないためにも、公的介護を充実させるのが得策。

なんだけど…憲法改正草案第24条に「家族は助け合わねばならない」なんて「徳目」をわざわざ載せてるというのは…

(ほんとはそんな個人的な「徳目」を近代憲法に書き込むこと自体がおかしいんだけど)

今後、福祉のための諸予算を削って、高齢者・障害者等は家族内で面倒を見させようという目論見があってのことでしょうね。

きょうだいが多かった時代ならまだしも、それじゃあ社会が行き詰まるのは目に見えてるのに。

一人っ子同士が結婚でもしようものなら、2人で4人の親を見ることになる。どちらかが働くとしたら、1人で4人を見る?

無理に決まってんでしょ。一人っ子同士なんかじゃなく2人兄弟同士だって、子ども世代の全員が親の近くに住めるわけでなし。

日本の企業は、すぐに転勤させるから。

単純な算数の問題として、家族介護がいずれ行き詰まるなんて明らかなのに。このままじゃこの国、お先真っ暗だ……

ご長寿がめでたい、という時代は、もうとっくに終わってるんですよ。



なんてことはともかく。

それでも、私自身がそこまで気が重くならずに出かけて、親にも一応、いまのところ笑顔を見せていられるのは…

車を出してあちこち連れて行く作業の中にも、運転する喜び、ドライビングプレジャーがあるからなんです。

ペッピーノ=アルファロメオ156 V6 Qシステムが、実用的で運転もラクちんで…

それにも関わらず、ただ街を転がすだけで、喜びを感じられる車だから。

老親をつれての移動そのものを、楽しんでできているおかげなんです。大げさじゃなく、これは本当のこと。



交通法規を守り、同乗の年寄りの体に負担をかけない優しい運転をする。

それだけでも、エモーショナルな喜びが湧きあがる。ストレスや憂さも晴れて来る。私にとっては必須のことです。いまや。

だから、父の介護で出かける支度をしているときでも、移動のことを考えると何だかワクワクしてくるんです。憂鬱じゃない。

FFでも、トルコンのフルオートマでも、おとなしい運転していても、こんなに面白くて「エモい」車があるということ…

ペッピーノに2か月半乗ってみた結果、思った以上に強く実感しています。



少子超高齢化の時代……でなくてもストレスの多い社会だからこそ、ドライビングプレジャーのある車が必要なのかも。

電動化、自動運転化が進んで、車が「走るi-Pad」と称される時代は、もう既にやって来つつあるけれど…

それでも移動と運転そのものを通じて、人間の五感、情動に訴える「エモい」車は、やっぱりなくなったら困るんじゃないでしょうか。

アルファロメオ社のジャン・フィリップ・インパラートCEO(イタリア人じゃなくフランス人)が…

「わが社の車は、走るi-Padや走るスマートフォンにはしない。たとえ時代に逆行しても、徹底したドライバーズカーを作り続ける」

と明言しているのは、非常に意味深い事であるような気がしています。

ランキング参加中です!ポチっとしていただけると励みになります!

コメント一覧

angeloprotettoretoru
こんにちは。介護は突然やって来ます。それから生活が一変してしまう場合がありますからね……
ミッション形式や駆動の形式に関わらず、面白い車は面白いしつまらない車はつまらないですよね。ドライビングプレジャーの本質は数値化出来ない部分も大きいですし、奥が深いものですね。
kuwa16madaowa
こんにちは。
私にもいずれな話であり、大変参考になりました。

また、駆動方式同様MTだろうがATだろうがCVTだろうが、楽しいものは楽しいと、特に最近そう思います。
angeloprotettoretoru
コメントありがとうございます!
私も同感です。車はほかの機械と違って個性の強いものがいいですね。オーナーでなければうまく乗りこなせない、ぐらいでもいいかもしれないです。この車は乗りやすいですけど…
そして電気自動車より、やはり火の入ったエンジンを載せたものに乗りたいです(^-^)
nerotch9055
こんばんは!
赤のアルファはカッコいいですね!
ちょっと前に義弟が乗っておりました。
今のクルマは、本当に家電のようになってしまいました。
私も便利過ぎるクルマよりも、走って楽しいエモーショナルなクルマか、一癖二癖あっても
尖ったところがステキに思えるクルマの方がステキだと思います!
(。・_・。)ノ
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「アルファロメオ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事