14時前にこの前の記事を上げたとき…
なんだかいちんち中スマホいじってんな💢
と父が声を荒らげて圧をかけて来たので…
もう父の前でスマホは見られなくなりました😮💨
と言っても12時半過ぎまで、父を診てくれる病院を探したり…
本人と濃厚接触者の、コロナ「療養期間」について調べたりしてたんですがね。
デジタル機器を全く触れない父にとっては、それはわけのわからない…
それだけに、何となくイライラするものでしかなくて。
そして、かなり「かまってちゃん」な父にとっては、たとえ1時間でも…
目の前で息子にわけの分からないことをされるのは不愉快なんでしょうね。
で、その後はあれやこれやと父に使役されて…
医者に連れて行って、帰って、気がついたら…
朝、アップルパイとコーヒーで簡単な朝食をとってから全くの飲まず食わずでした。
その間、何度か喧嘩して。
ストレス溜まりまくり。
こんなんでよく自分も発症せずに済んでるなと思います。
とくに腹が立ったのは…
「今夜は外食にしたい」と言い出したとき。
抗原検査で陽性反応出た人が、いくら熱が下がってラクになったとはいえ…
ゲホゲホゼロゼロ咳をしながら、店に入って外食なんて…
とたしなめたら。
「なーん、そんなのわかりゃしねえよ!いいじゃねえか!」
と怒鳴られました。
「周りにわかんなきゃいいとは聞き捨てならない!」
と抗弁したら…
「みんな知らねえやつなんだからさあ!」と。
まあ、我が子にうつすかもしれないということに気がまわらない人に…
他人のことを気遣え、という方が無理なのでしょうか。
それにしてもこれ、いい加減耄碌した老人の口から出たので出なかったら…
相当な「クズ」の発言です。
でもね、根は元からわがままでめんどくさい人だったのかもしれないけど…
さすがに以前は、こんな反社会的なこと言う人では、絶対になかった。
10年近く前、両親が認知症検査を受けたときに…
脳の記憶を司る部分、海馬が縮小し始めていますね、と言われました。
これは認知症の始まりの兆候ですと。
老化が進むと、人間の脳というのは、ものの例えではなく…
脳細胞が死んで、本当に、物理的に小さく縮んで行くものなんだそうです。
父がこんな、クズ人間な暴言を吐くようになってしまったのは…
理性とか自制心とかを司る、前頭葉あたりが縮んでしまったのかも。
こうなるともう昔の父ではない。別の人も同然になって来てしまったんだなと思います。
脳が退化して、人格が壊れて来てしまった。
人格が壊れるというのは、自己同一性が失われること。
人間としての尊厳が失われるということなんだと…
今日、傍でみていて、ひしひしと実感しました。
よく、自ら安楽死を選ぶ場合に「尊厳死」という言葉が使われますけれど…
なるほどなと、納得しました。
医学が進んでいなかった昔は、そんなふうに人間として壊れてしまう前に…
ほとんどの人は、身体の方が先に終わりを迎えていたのでしょう。
尊厳死、なんていうことを考える必要がなかった。
医学が身体の寿命を延ばしたばかりに、生じてしまった問題。
医学が、単純に延命を図る治療ばかりのものであっていいのか。
そこに、医療倫理とか、生命倫理とかの問題が出てきます。
また、人は何のために生きているのか…
そもそも、ひとりの個人が「生きている」とはどういうことなのか。
そういった、哲学の問題でもあるでしょう。
倫理学とか哲学とかは「食えない学問」として軽んじられ、バカにされているものですけれど。
科学や医学がこれほど進歩した時代だからこそ、重要な学問になっているのではないかと。
そんなもの「学問」にしなくていい、昔からの道徳でいいと言う人もいるかも。
でも、ご長寿がただおめでたいものだった時代の道徳観はもう通用しない。
習慣や文化的背景が違う人が一緒に住み働き…
多様な価値観と感性が混じり合わざるを得ない現代社会では…
かつての単一性の高い「ムラ社会」での徳目だった…
自分自身がされていやなことは人にしない、という単純な思いやりも通用しない。
何がいやだと思うかも、人によって全く異なっていて、想像さえ難しいから。
自分の価値観で、良かれと思ってしたことや、しなかったことが…
人を傷つけたり幸福を害するなんてこと、当たり前にあるからです。
通俗道徳、民間道徳が通用しなくなった社会は、めんどくさいけれど、これも仕方ない。
人類の持つ力が増大し、社会が複雑さを増す現代、私たちが進む道を誤らないために…
倫理学、哲学、歴史学、などといった、人文系の学問の重要性は増している。
たとえ直接的には、利益を産まない学問だとしても。
まあ、私が常日頃言ってる事なんですけど。
呆けて、人格が崩れつつある父を見て、またそう思いました。
さて…今日は発症せずに無事過ごせるかどうか。
いつになったら家に帰ることが出来るのか。
早く帰って自由になりたい。
もう祈るような気持ちです。