相変わらずの酷暑に加えて、施設の母からの呼び出しが矢の催促。顔も見せてくれないのにね……
ということで、疲れがたまっているのか、体調が悪いです。
何かの病気の始まりかも…
などという状況のところへ、息子からLINEが来ました。
前回の記事で書いた「闇落ち」的な内容のことを、家族LINEにも書いたところ、返事をくれたのです。
詳しい内容は控えますが…
私が親のために走り回ってはいるけれど、結局は「無職」で、1円も稼げていないのがダメだ。
少なくとも「世間」からはダメ人間だとみられるだろう、といったことについて。息子の意見。
金稼ぎを基準にして、人の価値を評価するような人間たちを「世間」と呼ぶのなら…
そんなくだらない連中のことは気にする必要がない、と。
僕は父親のことを理解している、という内容。彼の言い方によると。
「そんなこと言ったら、物流系の仕事とか建築系とか、大変だけれど稼ぎは少ない仕事はいっぱいあって…
でも働いている人たちはみなさん本気で真面目に働いて、社会の根幹の根幹を支えて下さってるわけで…
僕はそういう人たちを心からリスペクトしてるよ」
と……。
実は彼、最近たまに、研究室の忙しいスケジュールを縫って、倉庫作業のバイトを単発でしているのだとか。
お金稼ぎというより、社会勉強のためであるようですけれど。
以前にやっていたアルバイトは、個人指導塾の講師で、それも雇い元や生徒、親御さんから評判が良くて。
辞めるときには「まだいてほしいです」というお手紙を、教え子や親御さんから何通ももらったのですが。
肉体労働の仕事を経験しておく方がいいのでは、ということで、倉庫で働くことにしたらしいのです。
もともと彼は、高校の陸上部内で冗談でやっていた「筋トレ部」の部長だったりしました。
今の研究室で、遊びでやった「腕相撲大会」でも、すべての先輩方に圧勝して優勝したそうで…
一種「力自慢」でもあるのです。
その得意な腕力を生かして、肉体労働を経験しておこうと思ったのでしょう。
薬学の研究者が天職になったら、この先そういうことはなくなってしまうのでもあり…。
仕事内容は、フォークリフトに乗せる前の荷物を仕分けして運び、パレットに積んで行くものらしく。
力が要るだけでなく、スピードと要領、頭の回転も大事なのだとか。
その仕事で、周りの人たちの仕事ぶりを見て、私へのLINEに書いたような意見が出て来たのかもしれません。
ほんとに、物流が止まったら、全ての人がたちまち生きて行けなくなりますからね。
実際、現場では、バイトでない作業員の方たちからかわいがってもらって…
「お前、いいね!最近来た学生バイトのなかでは一番いいよ!」
と、褒めてもらっているそうです。
生まれつき声が大きくて、また子どものころから、親が大きな声であいさつするよう努めているのを見て来て…
しかも中高と運動部で鍛えられたせいか、挨拶や返事の声が大きくてハキハキしている所も、好まれるのかも。
研究室でも「〇〇君は体育会系だね」と言われているらしいですけれど…
ひ弱な親と違って観念的ではなく、広い社会を現場で体験して学んでいる息子は、我が子ながら偉いと思います。
それなのに……
私へのLINEメッセージの最後は…
「私は父親を尊敬しているので、もっと自信を持ってほしいです」
と締めてありました。
なんで改まって、一人称が「私」なのか、二人称が「父親」なのか謎ですが。
以前、高校入試の面接の練習で「あなたが尊敬する人物は?」という質問に…
「父です」と答えたということがあり。
その他にも何度か「僕が尊敬する人はチチウエ」と口にしてくれたことがありました。
でも、彼も大学生になり、成人して、今や研究者として活躍を始めているのに…
父親が無職になり、親の世話だけするようになった今でも「尊敬」していると言ってくれて。
本当に嬉しかったです。
自分では「終わってる」と思ったりする自分のキャリアですけれど…
人間として、まだ息子の手本になったり、彼の導きになったりするところがあるの……かな?と。
正直、親の方が子を「尊敬」しているんですけれど。
ありがたいことです。
息子はよく冗談で「僕は親ガチャに勝った」と言ってくれたりしますが…
実はこちらが「息子宝くじ」で1等に当選したのかもしれませんね。