■ 鎮守の森の銀平子狸の可愛い・・いたずら・・・本当だよ!
私の住んでいる近くに、八幡宮様がいらっしゃり、そこに同居をされている狸の神様(眷属)がいらっしゃる。頭が良く、年寄りに優しく勉学にいそしみ商売に長けた神様で、ご利益も絶大である。そして、お酒が大好きで、満月の夜には、近所の田吾の神様の所に出向き、酒を酌み交わし月見をしている。
この神様、いざ鎌倉・・・と言う時は、馬に跨り笠をかぶり、金銀ピカピカの立派な陣羽織をまとい颯爽と救いに出かけられる正義の味方です。体に合わせ、馬も小っちゃい・・。馬に跨った姿はとても愛らしいけれども、頼もしい神様である。神木には何時も愛用の小馬が繋がれていて、何時でも即座に出かけられる様に構えている。
その狸の神様の子供で、銀平と言う子狸が居る。たまに、「おばちゃん・遊ぼ!」とやって来る。浮き球を買ってあげると随分と喜び水遊びをしていた。「お菓子もどうぞ!」とさしだすととても喜んでくれる。
石車・・とは、坂道などで小石の上に足を置いた拍子に、ずるずると滑り扱けそうに成る様を言う。でも、決して転ばない・・。子狸は、そんないたずらをする。
或る年、田植え時期の田んぼでの出来事である。何時も私をこばかにする石材屋がやって来た。この石材屋、根は悪くは無いのだけれど、少々、金回りが良いもので、どうもお金の有る無しで人を判断している様で、言い換えれば、お金と言うものさしで、人も人生も計っている様に思もえる。なので、私を馬鹿にする。
腹は立つけれど、それでも内の田んぼに石材屋の田んぼが隣接している為、無視も出来ない。ちょっとした挨拶くらいはするが、何時も一言多く、人をこばかにした事を言う。
その日、石材屋は田植の準備で、稲の苗を車から降ろし水田にその苗を漬け込んでいた。大方、半分を降ろした頃、「あ~~!!」と叫んだ。隣の田んぼで作業をしていた私は、「なんやろ?」と後ろを振り返り目線を石材屋に向けると同時に石材屋もこちらを向いた。「あ~びっくりしたわ~。あんた、わしの背中押したやろう。田んぼに扱けそうに成ったわ!」苗を水田に漬け込み前屈みに成った時に、背中を押されたらしい。
「こんなに離れてるのに、何が出来るん・・。ベンジョンソンでも無理やわ。」20mは離れた位置で私は返答をした。それでも、納得が行かない様子で、頭をかしげながら再び作業を続けていた。「確かに、誰かが背中を押したんやがな~。周りには、あのおばさんしかおらんし・・。離れているし・・おかしい?。あ~びっくりっした。」そんな石材屋の心の声が聞こえて来た。
「あ!!そうか・・・」私は、おかしくて仕方が無かった。直ぐに、解った。銀平子狸のいたずらだ。「やったな?あんたやろ?」笑いながら銀平子狸に聞いてみた。すると、「あのおっちゃん嫌いや!。何時も、おばちゃんの事、いじめるから・・。」と言って立ち去った。
私は、石材屋に背中を向けて、おかしくておかしくてたまらないのを堪えながら、再び仕事を続けた。
□上記は、実際におきた出来事ですが、銀平小狸を題材にした自作神話をHPに記載しています。親狸(金平)は、とても老人に親切で、信仰をしている年寄りは、長生きをしています。最近の時勢を金平狸はとても心痛されています。金平狸の意向を汲んで書いております。是非、ご覧下さい。(金平狸様を金平さんと皆、呼んでいます)
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