昔の人は、冷房は無かったけれど、いろいろな方法で涼しさを演出していたんですね。
風通しを良くする為に、障子や襖を葦や、細い竹のものに替えたり、直射日光をさえぎるのに、簾やよしずをかけたり。
また食べ物にも、目に涼しさを感じる演出がありますよね。例えば、素麺を水を入れた容器に盛り付けるみたいな。
夜風にチリチリと鳴る風鈴の音は、本当に夏の風物詩、耳に涼しさを感じます。
杏の父は、よく、「風鈴を掛けたら、チョットした気遣いをしないといけないよ、風邪の強い日や夜寝る前には取り込んでおくか、短冊を丸めて風鈴の中に入れるかして、音のしないようにしておくんだよ」と言っていました。
風鈴をかけた本人は気づかないけれど、近所の人にとっては、うるさく感じるときがあるんですよね。
例えば、かぜの強い日は、風鈴の音もせわしなく鳴りますし、夜は、意外に大きく聞こえ、音が耳について眠れない人も居ますからね。
風鈴、久しぶりにつるしてみようかな
そんなことにも気遣いをされるなんて杏さんのお父さんはとても細やかな方だったのですね
薄い壁1枚でイヤでも隣の音は聞こえるんですものね。隣の夫婦喧嘩のことも知っていながら知らないそぶり。
もしかしたら、、昔の、それも下町の長屋住まいの人の方が今の人と比べて音に関するマナーは良かったのかなあと思います。