エネファームによる低周波音被害
低周波音問題解決への初めの一歩 穏便に解決することは非常に難しい
隣の家に設置された家庭用燃料電池「エネファーム」の低周波音で健康被害が出たとして、東京・練馬区の男性(51)が使用差し止めや損害賠償を求める裁判を起こした。
原告の会社員男性「頭が痛いし、耳鳴りになってしまうし、一家団らんとか休んだり子供の勉強みたり普通するが、(家に)帰るのが嫌になったりする」
訴状によると原告の男性は隣の家が設置したエネファームから出る低周波音で、不眠や耳鳴りの症状が出たという。低周波音は、人の耳では聞き取りにくい100ヘルツ以下の低い音で、個人差があるものの、一部、健康被害を感じる人がいることが分かっている。
エネファームはガスを使って電気やお湯を作るシステムで、低周波音による被害の申し出が相次いだことから、先週、消費者事故調が調査を開始することを決めていた。
原告の男性は、隣人にエネファームの使用差し止めを求めるとともに、製造元のパナソニックなどにも150万円余りの損害賠償の支払いを求めている。
関西に続いて関東でもエネファーム騒音被害が提訴されました。
エネファームの騒音は低周波音と言うよりむしろ”聞こえない”音、超低周波音と言えるモノで、音圧的には閾値以下の音で有り、もちろん”例外が多すぎる国が言う科学的知見”である例の「参照値」にも引っかかりません。
それを原因とする被害は厳としてあるのですが、これをこれまでの”科学的知見”で「有罪」と判ずるのは難しいでしょう。現状に於ける”所謂科学的知見”を越えた認識を裁判官がもてるかどうか”が問題となるでしょう。そして、それが可能であれば、延いては低周波音被害という長い間黙殺され続けた問題の本質を理解できることになるのでしょうがどうでしょうか。
2015年9月3日、大阪地裁においてエネファームの低周波音による健康被害で提訴
「もし当方の闘いが、当方個人の問題に限定されず、社会的意義を持つ動きに結びつくものになるのであれば、その苦労も報われるはずと考え、提訴を決断しました。裁判傍聴には、原告3名、代理人2名に対し、支援者19名、報道関係数名3名が集まり、当事者を支援してくださるお気持ちを感じました。…」
詳細については、こちらに。エネファームが低周波音による健康被害で訴えられたって本当?!
遺憾ながらこの訴訟は、新聞等では全く報道されませんでした。しかし、低周波音問題としては、素人的には、エコキュートが黒なら、エネファームも当然黒と思うのですが、専門的には、エコキュート訴訟とは似て非であり、別問題として扱われる様で、同等に重要な問題です。
エネファームによる被害は、ささやかな私の経験では(エネファームの被害者宅に訪れ、数時間を過ごしたのですが、その際には、格別何も聞こえず、帰宅して、翌朝目覚めた時には頭がグラグラ目眩がし、実に、以前、風車にやられた時と同じような感覚であった事を思うと)低周波音被害と言うより、むしろ”超低周波音による暴露による被害”と思えます。
超低周波音は風車騒音問題を持ち出すまでも無く、低周波音の実質的”規制値”とも言える「参照値」はもちろん全く何の役に立ちません。が、エネファーム訴訟に対しては、原告、司法はこれを持ち出すでしょう。そして、司法は「参照値」に照らすでしょうが、それ自体が誤った物差しで、その有意性を検証する能力が無い(「参照値」で助けられた例を聞かない)に拘わらず用いるわけで、裁判官の「科学的」有能性が問われるわけだが。もちろんマスコミ等はそれらを検証する能力が無いので、結果も黙殺することになるかも知れませんが…。
そもそも低周波音問題そのものが、結果を出すこと無く、延々と”科学的調査”を続けるという、科学の衣を纏った”国家的詐欺”なのですから。
今年(2011年)に入って下記のお話を始めとして、今までは私が全く聞いていなかったエネファームによる被害のお話が連続して有りました。エコキュートが、これだけ問題になっているのに、電力会社のエコキュートによるオール電化に対抗してガス会社が出したエネファームはスキーム的には非常に似ているのに、噪音問題としては聞こえてこなかったので、騒音的には大丈夫なんだろうかと、ズーット思ってきたのですが、やはりそんなことはなかったようです。
私の所に寄せられたいくつかのお話は「非公開」と言うことで、ネット上で公開は出来ませんが、内容的には似ています。そして、法的に動かれる方もみえるし、こちらの回答にお返事のない方も有りますのでその後のことは解りません。
話は、飛んで、2014年5月19日現在、エネファームに思いもよらないところ(事も無かったが)から、そう、エネファーム騒音被害者から言えば、”加害者”であるエネファーム利用者からガス会社に「苦情」が出されるという事態が起きた。即ち、(ガス会社の宣伝or営業トークでは) 「ガスで湯を沸かしながら発電するエネファームで電気代を抑えられ、光熱費を年間最大で5万5千円(注。月4583円)節約できるとしたグラフなどがあったが、実際には冬場を中心にガス代が2~3倍に上がって光熱費が増えた」として、愛知県地域の東邦ガスが提訴されました。()内は筆者。
忘れもしない(とまでは言わないが、思い出せば)、「エネファーム」好調で紹介されたのは東邦ガスの例でした。
さて、エネファーム被害に話を戻すと、それは以下のようなモノです。(以下太字は管理人)
・コメントを書いた人 バジル
・タイトル 静かな夜を切望します。
・コメント
低周波被害について検索していて、こちらにたどりつきました。宜しくお願いします。
昨年、隣家が新築し、エネファームとエアコン室外機、計11台を隣地境界線にL字型に設置し、当方の境界には、エネファームとエアコン室外機計6台が設置されました。工事期間中、給湯器の設置場所の変更を再三要望したにもかかわらず、ハウスメーカーは強行しました。
12月後半に隣家が入居後、エネファームが24時間稼動し、特に静まりかえった深夜に継続しての騒音で、当方は低周波音に悩まされており、寝室での睡眠はできずリビングで仮眠を取る状態で、食欲不振や不安感等、健康にも問題が生じ始め、親戚宅で夜を過ごすこともあります。
当地域の夜間の騒音基準は40dBで、当方の境界線ではエネファーム単独で45dBで基準値を超えておりますが、市では個人間の問題は対応しないといい、どのように解決すればよいのかいろいろ調べているところです。
国策として、エコキュートやエネファームの普及をすすめようとしていますが、当方のように、エネファームによって生活を乱されてしまう住民もいます。すでに、エコキュートは各地で被害が続出しており、2010年9月にはNHKで報道もしているのですから、当然エネファームの問題点も予測されたことと思います。
補助金(公的資金)を出すのであれば、近隣住民に悪影響を及ぼさぬよう、設置場所等に一層厳しい配慮が必要であり、その指導を十分に国はすべきではなかったのでしょうか。隣家に向けてエネファームを設置すれば、騒音トラブルが発生するおそれを、素人でも容易に想像できるのに業者が平然と行うことに失望を感じます。
隣家のモラルと、ハウスメーカーおよび機器製造会社の企業倫理の欠如に驚き、当方の生活を破壊されてしかも財産を奪われることになる(避難知の確保、引っ越し、二重生活など)可能性もありながら、犯罪にはならぬ理不尽さに怒りを感じ、それを規制しない行政に不信感を持ちます。
・コメントを書いた人 fish
・タイトル 当方も、静かな夜を切望します
・コメント
昨年秋に隣家が新築し、当方のリビングと寝室に面した境界部分にエネファームと太陽光発電の機械を設置しました。
騒音の状況・当方の健康状態はバジルさんと全く同じです。頭痛・吐き気・不眠の為、通院・薬の服用が半年ほど続いています。当家には病人がいるのですが、そちらも騒音による不眠で、病状に影響が出ました。
設置したガス会社によると「設置条件は満たしている」とのこと。しかしその条件とは、機器設置工事に必要な通路幅と土台幅の確保であり、隣家への影響については全く考慮していないとの返事でした。
騒音のため、境界部分だけでなく他の面の窓も開ける事が出来ません。また、ゆっくり庭に出る事もできなくなりました。容易に引越しできるような状況でもありません。
エネファームは、設置後10年間稼働し続けるそうです。もうどうしたらよいのかわかりません。
さて、現実の被害の話になりますが、こうした騒音被害の解決に於いて、特有なのは被害者は、当初、隣人関係の悪化とか世間的にクレーマー的烙印を押されるのでは、と言う世間体をはばかり、出来るならば日本人特有の”穏便な解決”を希望します。が、正直言って、そうしたスタンスでは、まず解決は望めません。
言うまでもなく、少なくとも最低限騒音元の相手(加害者)がある事ですので、「まずは相手に被害を被むっていることを告げねばなりません」。もちろん何も告げずに、奇襲的に”宣戦布告”で裁判に訴えると言う手もありますが、刑事裁判ででもない限り、日本的裁判としては調停と言うことになるでしょうから、奇襲というのは、穏便解決を図ろうとする日本的裁判官、調停委員などの心証を悪くし、返って、不利に展開しかねません。何せ日本国に於いては、近隣問題などは最初から裁判で白黒をつけると言うことが、どうもなじまないようで、挙げ句に、騒音問題などは、そもそもからして、規制値などからはっきり白黒が着くモノならいざ知らず、低周波音問題のように規制が無いような問題では、一応、まずは調停=お話し合いと言うことになると思われるからです。
更にはこうした場合、自分一人で戦い抜くなら良いのですが、一応、ひとまずは裁判的手法に通じている”代弁人”即ち弁護士などが必要となります。それが、頼りになるなら良いのですが、実際にはまだまだ日本ではこうした問題を専門にと言うより、こうした問題に関し専門的な知識を有する弁護士は居ません。卑近な例ではこちらで紹介している弁護士サイトをエネファーム問題を抱えている人を紹介したのですが、梨の礫であったと言うことです。詳しい経緯は解りませんがヒョッとしたらエコキュートとエネファームの区別が付かなかったのではないかとさえ思われます。少なくとも”被害者”のメールに返信くらいはしてあげてもいいのでは無かったのではないでしょうか。失望しました。
低周波騒音問題解決への初めの一歩
①さて、ここからは既に当サイトにあることの繰り返しのようなモノですが、騒音問題解決への道に切り札的なモノは全く何もありません。何も期待せず読んでください。
まずは騒音問題ではあなたが問題にしている騒音が法律の規制に引っ掛かるような騒音値であるかどうか一応測定したほうがいいでしょう。これを無料でするには行政(自治体の環境課など)に騒音問題を訴えて測定させるのが最善の方法です。
②しかし、その場合、相手が工場などの事業者ですと一応、行政は動いてくれます。しかし、騒音測定の際には相手に測定することを告げますので、機械等ですと、事前に意図的に”騒音値を調整”するようなことをしますので、出来れば独自に、on&offによる相違を「秘密測定」をしておくことをお薦めします。ただし、エコキュートとかエネファームとかの一般家庭用の機器に関してはそうしたことは難しいようです。
が、それよりも何よりも問題なのは、行政としては「民民問題不介入」と言う事で民間人同士の”争い”には介入しないのが建前で、測定さえもしてくれない可能性が高いです。しかし、自治体によってはホント!と思うほど積極的に動いてくれる行政も有るので、とにかくこの例を印刷でもして当該自治体に赴いてください。
③しかし、その前に、 「目の前に立ちふさがる大きな壁。泣き寝入りするか、闘うかの決断にせまら」「戦う」と頸椎された方は、現在NPO法人として活動している「低周波音による健康被害にお悩みですか? - STOP!低周波音被害-エコキュート、エネファーム、エコウィル、エネフロー、空調機器、風力発電、携帯基地局等による低周波音被害をなくそう!」に問い合わせてみましょう。参考になると思います。
④その後、やはり「あくまで騒音問題」と言うことで、頑張るなら、行政の環境課的部署に「騒音被害の”可能性”」を訴え、彼らを被害現場に”出動”させるよう努力してください。この際の第一の覚悟はいざとなれば騒音源の隣人との”全面戦争”を覚悟してください。最終的にはそうなります。また同時に行政を「何が何でも動かす」という決意を持ってください。
⑤そして、忘れてはならない事として、行政に対しては、ひとまずは、「低周波音で…」と言う様な言葉は決して発しないでください。騒音の質を特定することは決して得策ではありません。それは、例えば、医者に診察に行き、詳しい病名をこちらが言うと嫌がる、或いは別の可能性を言う医師が少なくないのと同じ様なモノですと言うより、低周波音に関する騒音問題に関しては「現況では取り締まる法律が有りません」のでと言うことで、「低周波音で…」と言った時点で行政は窓口を閉ざす可能性が少なくありません。
⑥従って、まずは必ず、単に騒音で「頭が痛い」とか「腹が痛い」とか「夜眠れない」と言っておけば良いのです。即ち、「騒音が煩い」と言い、騒音の元凶は、”正式(全然「正式」では有りませんが一応そう言うことになっている行政がするような)測定”をしない限り、騒音源となっている騒音の種類は解りませんから。
⑦さて、こうした準備をして訴えても、待ってましたとばかりに行政が即座に出動することはありません。むしろ、行政の動きの殆どは”自称騒音被害者”であるあなたの全く期待を裏切るようなモノです。それはそもそもが、あなたの期待はこちらの言い分が全く正しくて、行政はこちらの言い分を全面的に聞いてくれるモノと思っているからです。残念ながら、それは全くあなたの”思い違い”で、行政は基本的にあくまで”中立的な立場”であり、立場上少なくとも相手の状況を見てそれが仮にあなたに「被害」を与えていても、「明らかに違法」でない限り、あなたの言い分が一方的に正しいことにはならないからです。結果として、もしあなたが全面的に正しければ裁判に訴えても損害賠償まで取れるでしょう。ここまでくれば弁護士も幾らでも話に乗ってくるでしょう。
⑧そして、運良く行政が測定をしてくれたとしても、実は、こうした機器の騒音は現在、製品化されているような機器なら大抵「騒音の基準である環境基準をクリアしている」でしょう。もちろん低周波音に関しては騒音としての規制基準は有りませんので、「基準値を超える」様なことはなく、特に低周波音用の基準値まがいの参照値は元々作成の主旨が違うので、適合しません。従って、騒音的には基本的に「非合法にはなりません」。相手が「違法なことをしているわけではない」となると、法の元で動く行政としては手の打ちようは基本的には一切ありません。
⑨これらを合法的に”やっつける”には現況では騒音規制、環境規制、環境権、基本的人権など即効性のない極めて基本的な法律を総動員して戦うことになるでしょう。挙げ句にこれらを駆使して専門として被害者側に立つ様な弁護士を私は知りません。こうしたことは被告側の弁護士も知っていますから、原告の勝ち目は薄いです。
⑩しかし、この不景気の中こうした問題に延々と努力して尽力してくれる弁護士が出てくるかも知れません。何せ日本の弁護士は米国映画などを観ていると”営業的”にまだまだ”非常に贅沢(=訴訟を成功報酬的に受け取ると言う気がない=営業、業務怠慢)”です。従って、動きが悪い。やはり、弁護士自らが手弁当でも動き自分の稼ぎを相手からふんだくるような”仕事”をして欲しいのですが、弁護士は依頼人が勝っても負けても自分だけは絶対損をしない、のではやる気も凡そ知れているのではないでしょうか。
⑪こうして、ダメなのは解っていても、”自称騒音被害者”のあなたには、まずは是非とも行政の窓口と”実りのない闘い”だけでもして欲しいと思います。何故なら、そうした事例がない限り、行政から環境省などに「騒音問題の1件」としてカウントされデータ的に上(環境省)にがっていく可能性は無いのです。つまりあなたの行動がないと、いつまで経っても行政の統計には「…に関する騒音問題はない」と言うことになってしまうからです。こうした問題は単に論理の正当性ではなく、実情の数の勝負です。
運悪く低周波騒音問題に巻き込まれてしまい、私のサイトに辿り着いた「あなた」、相手側をブッ××してしまいたいような気持ちまでは行かずともせめて騒音源の機器くらいはぶっ××してしまいたいと思っているあなたの気持ちは、十二分に解りますが、その気持ちを抑え、解決法を考えるついでに、まずはダメなのは解っていますが、先ずは是非とも行政とねばり強く渡りあってみてください。その過程であなたに都合の良い手が何か見つかるかも知れません。駄目元主義で行けば、少なくとも”行政はいざというときには何の役にもたたない”と言うことを、我が身を通してではないと解らないと言うことを、解っただけでも、それはそれで民主主義への新たなる大いなる認識と思ってください。
私がこうしてこのサイトを開いているのは、私は被害現場を敗走しましたが、当時と今では状況は時代と共に変化しています。何か手応えが変わるかも知れません。頑張ってください。
最後まで読んでくれて有難う
110514,141010