”黙殺の音”低周波音 silent killer

サイト「黙殺の音 低周波音」http://yatanokarasude.gozaru.jp/tei/tei.htm

「ゆとり」の先に

2008-02-19 09:32:10 | その他徒然
「ゆとり教育」の失敗に関して当時の中央教育審議会の会長で物理学者で東大総長も務めた有馬氏が
「答申後、文科省の役人とともに全国を回ればよかった。ゆとりの意味はこうだ、とていねいに説明すべきだった。後悔している」
と言う記事を見た。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080217/edc0802171549002-n1.htm

教育の現場を少しでも知っている人間なら
「ゆとり教育」の中枢を成す授業内容の削減と
「総合学習」が学力低下をもたらすことは施行される前から銘々白日でした。

「ゆとり教育」が出てくる前の状態は
都市部では受験熱がいくところまでいっていました。
当時の文部省としては、それを強引に”是正”する意味もあったのでしょうが、
現実は「ゆとり教育」が目指した方向とは全く逆の方向に向き
都市部では公教育のレベル低下に対して一層危機感が増し
受験戦争状態は最早完全に常態化してしまい、
それ以前は私立高校に行かなくてはまともではないが
私立中学に行かなくてはまともではない、と言った感じになってしまった。

深読みしすぎた私はこの答申で学力を落とすところまで落とせば
間違いなく、世論もこれではイカンと言うことになり
「もっと子どもを絞れ」と言う世論が出てきて、
能力別クラス編成や中高一貫の公立の進学校をつくれと言ったよな世論が盛り上がってくるのを文科省は期待したのではないでしょうか。
そして、その時こそ、一気に日本の教育の主導権を完全に取り戻すことを考えていたのではなでしょうか。

実際、結果としては今回久方ぶりにレベル・アップせざるを得ず、
それはどう考えてても主導的なモノではなく
自分の尻ぬぐいのような気がしてなりません。

どうも、文科省は単に賢い委員達の論に乗っただけのことが解りました。

この30年間の公教育の低レベル化によりもたらされたものは
国際的な学力低下と低学力の代名詞ともなっている「ゆとり世代」と、
文科省の権威の失墜をもたらしただけでした。

これの回復にかかる時間と労力を考えるとその損失は測りしれません。

この現実に対して行政はいつものように、だれも決して責任はとりません。
しかし、絶対ゴメンとは言わない文科省が素直に、
「ゆとり教育は失敗だった」と言ったと言うことは余程「まずった」と思ったのでしょう。

結果、一番、可哀想なのはいわゆる中間層の素直にそれを信じた田舎の親の子ども達と
これに従わざるを得ず、振り回され続けた現場の教師達です。
40、50代の教師は今疲弊しています。

東工大のシンポジウムで上記の有馬氏は、
「学力が下がっていると言われるが、全く下がっていないことを証明する」と言い切ったそうです。
有馬氏の様な人や彼の周りにいたような人たちには
元々「ゆとり教育」などの国の政策などとは関係なくお勉強をしている人たちばかりで
個別の全体像が全く見えず、田舎の素直な人たちの事など全く眼中に無いのです。
これは今の政治全てに言えることでしょう。
そう言った意味では文化的には江戸時代の方が良かったのかも知れません。

詰め込めるだけ詰め込んだ先に「考える」ということができるという、
全く単純なことが全く解っていないような人たちに
国家の100年の大系を委ねたことに根本問題があるのです。


このサイトの掲示板の主旨としては
当然○○には「環境」×××は「参照値」が入る所です。
が、残念ながら「参照値」を造った人はこんな事は言っていません。

何故なら、「参照値」関係者は
「全国を回り、参照値の意味はこうだ、とていねいに説明した」はずだからです。
だから「後悔はしていない」のでしょう。

しかし、残念ながら「参照値」制作者が
「全国を回り、参照値の意味はこうだ、とていねいに説明した」割には
現在多くの自治体が低周波騒音被害を訴える苦情者に対して
現実に取っている行為は、とても「ていねいな説明」の結果とは思えません。

以前にも触れましたが、
騒音SOSの「低周波音問題対応の手引き(05年6月環境省公表)」のページの
「心身に係る苦情に関する参照値」の補足としてある以下の事は何を語るのでしょうか。
http://www.geocities.jp/sosnoise/teisyuha.html

「最近インターネット上でこの「参照値」に関する誤解に基づく過激な批判が一部で見られます。しかし正しく理解して活用すれば、低周波音が原因で悩んでおられる多くの方々にとって、大変役立つ数値です。不快感の原因となる周波数成分が分かって始めて有効な発生源対策が可能ですが、この参照値を使えば問題となる周波数成分を見つけ出し、被害の程度が判断できますし、解決のための方策を考えるために有効です。手引書には書かれていませんが,文献から参照値の背景について補足します.…。」

このサイトの内容は「参照値」関係者が執筆したモノだそうで、
そもそも「参照値」は、確かに苦情の「足きり」に使われるべき数値ではないはずなのです。
単に「不快感の原因となる周波数成分」を見つけるための単なる道具に過ぎないのです。

そして、更に

「現場の測定結果がすべての周波数で「参照値」より低い場合でも、低周波音に特別に敏感な人(許容値が低い人)にとっては苦情原因になる可能性があります。手引書ではこのことにもふれて注意を促しています。しかしこの場合には低周波音以外の原因(一般騒音や耳鳴りなど)の可能性が高くなりますから、個別に詳しい原因調査を行うことが必要であると「手引書」はしています。人間には個人差があることを認めた対処を示しています」

とあります。

しかし、現実の自治体は上記のような対処をしているでしょうか。

私たちの耳に聞こえてくる話しは
これらの対処がなされずに足切りされ途方に迷う人たちの話しばかりです。
「参照値」により救われたという話しは一向に聞こえてきません。
従って、「否」だと考えるしか仕方有りません。

しかし、一方では、実は私たちに聞こえて来る話しは
非常に片寄った話しばかりなのではないかという危惧もないわけではありません。
となると私たちがギャーギャー喚いていることは
確かに「参照値に関する誤解に基づく過激な批判」と言うことになりますが、
私は一応「参照値」に対して誤解しているとは思っていません。


今回は、こういった余りにもお利口な、完全なる畑違いの"専門家"が何処の世界にも
トップにいると言うことが単に述べたかっただけです。

およそ30年間かかって下がり続けた日本の教育水準を戻すには三世代100年かかると言う人もいます。
今は時間の進み方が早くなっているので、
本来なら100年かかるかも知れませんが私は多分30年である程度のレベルに戻るような気がします。

しかし、今後の形は日本が世界に誇りうる優秀な中レベルのレベルアップによる全体的なかさ上げ的高さではなく、
元々日本には極端に少ない上位の下にランクする上の下や中の上が少し増えて
全体の平均点が少し上がるという形だと考えます。

中位の全体的かさ上げと言う形は
現在定着しつつある超格差社会では極めて難しいでしょう。
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